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私の中に私たちはいる  作者: µ(ミュー)
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第22話 ミニ旅行(帰りの電車の中で)

第22話を読みに来ていただきありがとうございます。

 ガタンゴドンと揺れる電車の中、皆疲れて眠ってしまっている。しかし僕だけはなぜか寝付けなくて一人起きて考え事をしていた。

 いよいよこの場所ともおさらばだ。最終日の朝は山に来たならカレーを作ろうということで食材を準備して皆で昼食用のカレーを作った。思ったよりも作るのに時間がかかってしまったので食べ終わった後はすぐに帰り支度をして駅へ向かった。


「すー……すー……」


 皆熟睡しているな。沢山楽しんだからよほど疲れたのだろう。かという僕も楽しかった。

 最初はテストの勝負に負けて、全員の旅費を払わなければならなくなってしまって、なんて不運なんだと思っていた。でも毎日バイトして旅費を稼ぎ、その旅行で皆沢山笑ってくれて、楽しんでくれて。損な役回りだと思っていたけどこれはこれで悪くなかった。人ってちょっとした頑張りや気遣いでこんなにも人を笑顔にすることが出来るんだなと今回初めて知った。


「あれ、英一君起きてるの?」


 明里さんが目を覚ましたようだ。


「うん、なんだか寝付けなくて。明里さんはさっきまで寝てたみたいだったけど目が覚めた?」

「ううん、ちょっとお手洗い。まだ眠いから戻ってきたらまた寝ると思う」


 そう言って明里さんは眠たそうな目をこすりながら、化粧室へと向かっていく。

 今回明里さん彩香さんの件についても予想以上に進展があった。四人での旅行だったから正直二人でゆっくり話せる機会なんて、そんなにないんじゃないかなと思っていたけど、予想以上に会話する機会があった。

 まずは出発のとき。あまり二人っきりの時間が作れないことを予想して、真二が彩香さんと四人が集合する前に会った。そのあと僕と明里さんが二人っきりになった時間があった。けれど、そのときはそれどころじゃなくてほとんど何も話していない。

 次が肝試し大会のとき。このタイミングで僕の想いをきちんと明里さんに伝えることができた。今まで人格が統合されるときは彩香さんが残るべきだ、と頑なに言い張っていたのに、人格が統合されるときに残れるように頑張ると言ってくれた。

 多分だけど明里さん自身にも迷いがあったんだと思う。相談したくても二重人格の相談なんて誰にでも出来るものでもない。きっと明里さん一人で抱え込んでしまっていたんじゃないかなと思う。そうじゃないと僕が考えを少し話しただけで意見を変えるなんてあまり考えられない。恐らく僕の話した言葉のどれかに明里さんに前を向かせるきっかけとなる一言があったんだろう。

 最後が山登りをしたとき。体力の有り余っている信也と九条さんを先に行かせて、またもや二人っきりで話せる時間を用意出来た。でもここは真二に譲ってあげた。真二が出ている間の記憶は僕にはないので一回目の時も含め、どんなことをして、何を話していたのか僕にはわからない。けれどきっと真二のことだし上手くやっているだろう。

 そうそう、肝試しの終盤に僕も少し彩香さんと話させてもらったっけ。まだほんの少ししか話していないから何とも言えないけど、何となく彼女から僕と似た雰囲気を感じた。

 今後は彩香さんとももっと仲良くしていくことになるだろう。僕としては最終的には明里さんに残って欲しくはある。けれど、そこは明里さんと交わした『彩香さんとも仲良くなる代わりに明里さんも今まで通り過ごしてもらう』という約束があるから、そこはしっかり守るつもりだ。

 彩香さんと仲良くして、明里さんとも今まで通りに。いや、出来ることならもう少し距離を縮めていきたいかな。

 それと彼女が言っていた二重人格について『まだ話していないこと』というのがあるらしいから、それもまたどこかで機会があれば話してもらいたい。

 あと、やはり彼女が言っていたどちらが残っても大丈夫なように心の準備もしておかなければならない。正直これが一番重要だ。僕もいつか自分自身の二重人格にけりをつけないといけない。僕の場合人格を一つに戻す方法はわかっている。僕自身がしっかりし、感情のコントロールを出来るようにすること。真二は僕が精神的にまいっているときや、強いストレスが加わった時に出てくるから、人格を一つに統合するなら、上手に負の感情を逃がす技術が必要だと思う。そうしないといつまで経っても、本当の意味で僕の想いを彼女に伝えることは出来ない。

 こんな人格が二つあって、しかもそれが僕の心の弱さから来ている。そんな僕が彼女に想いを伝えたとしても恐らく受け入れてくれないだろう。だからやっぱり想いを伝えるなら全てが終わってからがいい。

 まあ、今後やるべきことといえばこんなところか。いろいろ考えにふけっていたら少し眠くなってきた。明里さんも少し前に戻ってきて何も話さずにまたすぐ眠ってしまったようだし、僕も少し寝よう。

 旅行の疲れがあったのだろう、目を閉じたら一分と経たないうちに意識がとんでしまった。

第22話を読んでいただきありがとうございました。

最近なかなか小説を書き進められなくて少しへこんでいます......

ストックは沢山あるので毎日投稿が止まることはしばらくないですが、ちょうど終盤に盛り上がるところで足止めを喰らっているのでちょっとつらい(笑)



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