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(WEB版)凄くモテる後輩が絡んでくるが、俺は絶対絆されない!  作者: yuki
第二章 : 俺は絶対に絆されない!
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天音とお出かけ……したくない!


「先輩! 私、先輩とデートしたいんですけど!」

「そうか、それじゃあその先輩さんとやらを誘って行くといい」

「もー! 私が先輩って言ったら先輩しかいないじゃないですか先輩!」

「おーい先輩さん、呼んでますよー……っと」

「むーっ! むーーーーっ!!」

「いたっ、痛い!? なんだお前、痛いんだけど!?」


 やめろよお前!

 今、めっちゃいいとこ……あーーっ! コンボ途切れたじゃないか!

 やっと……やっとなぜかずっとフルコン取れなかった、アイドルとシャンシャンする曲がフルコン取れそうだったのに!


「ああもう! はいはいなんだよどこ行きたいんだよ!?」

「えっ、デートに連れて行ってくれるんですか!?」

「じゃあやめるか」

「いえいえいえいえいえいえいえ! 行きましょうすぐ行きましょうさぁ行きましょう!」


 はー……なんなんだよこいつほんと。

 なんか気がついたら、俺の家に入り浸ってるし……俺の一人の時間が消えていく……!


「あ、ちょっと待ってください、すぐ着替えてきますね」

「え、別にそのまんまでよくないか? 着替える必要ある?」


 今日の天音の格好は、少し大きめのパーカーにショートパンツという装いだ。

 特に外出するのに適さない、という感じではないように思う。

 正直、生足がちょっと眩しいくらいだ……その、うん、目のやり場に困るが!


「くふふ! せっかくのデートなんですから先輩に可愛い! って思ってもらえる準備はまた別に必要なんです!」

「さよか……まぁ、天音は何着てても可愛いとは思うけどな」

「可愛い!? くふふ! 可愛いですか! 可愛いですか私!」

「あ、ごめんやっぱ訂正させて、めっちゃうぜえ!」

「くふふー! これはもう気合入れて準備してくるしか!」

「はいはい、あんま待たせないようにしてくれよ」

「はぁい!」


 ほんと、寝ちゃうからな、俺。


 * * *



 というわけで。

 なにがというわけでなのかは分からないが、天音により、中央駅から一駅行ったところにある、芝生広がる公園へと連れ出された。

 俺の記憶では確か、ほんと芝生が広がるだけで、なーんにもない場所だった記憶があるの、だが……。


「あれ、ここって水族館なんてあったっけ?」

「知らなかったんですか先輩? 数年前に開館したんですよ、この水族館」

「こんな内陸地に水族館なんて作るとは……!」

「なんでも、メインの展示はオオサンショウウオだとか……私もまだ、行ったことないんですけどね」

「オオサンショウウオ」


 えっ、それ誰得なの? それで子供たちは喜ぶの!?

 なんかもっと、こう……イルカとか、シャチとか、そういうのがあるんじゃないの!?


「大人気らしいですよオオサンショウウオ、ぬいぐるみとかも結構売れてるみたいで」

「世の中、何が流行るかわからんなぁ……」

「今度一緒に行きましょうね、先輩!」

「機会があればな」

「くふふ! 絶対ですよー!!」


 果たしてオオサンショウウオを見て楽しいのだろうか?

 あいつらって、そんなアクティブに動き回るような動物なの?

 わからない、俺にはわからない……!



「それにしても、この公園ってこんなに綺麗だったか?」


 俺の中の記憶だと、特に何もない芝生が広がり、ちょっと古い博物館がある、程度だったんだが……。

 今ではどうだ、水族館はもちろん、綺麗に整えられた広場に、オシャレなカフェまで出来てやがる。

 え、いつの間にこんなことになってんの!? 


「先輩は基本的にヒキコモリですから、改装されているのに気がつかなかったんですね……」

「俺がヒキコモリなのは否定はしない」

「くふふ! 今やこの公園は、観光スポットとしてもデートスポットとしても、そこそこ人気のある公園に成長したんですよ!」


 なぜ、天音がこんなに自慢げなんだろう。

 お前はこの公園のなんなんだ?


「なるほど、俺には全く関係のないスポットだということがよくわかった」

「なので、今後は時々、私とデートに来ましょうね、先輩♡」

「このたびは天音様のご要望に添えない結果となりまして、申し訳ございません、また、宜しくお願いいたします」

「もー! なんでですかー!!」


 やだよ、外出たくないよ俺。

 ああ、でもレジャーシート敷いて、日向ぼっこしながら芝生の上で昼寝するのは気持ちがいいかもしれないな。

 そうだ、今度は一人で来よう、そうしよう。


「今、今度は一人で、って考えてましたね?」

「カンガエテマセンヨ?」

「もうっ! 先輩の考えてることなんて、まるっとお見通しなんですから!」


 隣を歩きながらぷりぷりと怒る天音を横目でちらり……と見ようとしたら、天音が予想以上にちっちゃくて表情が見えなかった。

 うーん、それにしても、あれだな。


「お前を隣に連れて歩いてると……その……」

「えっ、恋人っぽいですか? やだもー先輩! くふふ! 早く本当に彼女にしてくださいよぉ♡」

「いや、なんていうか……小学生を連れ歩いてる、変質者とかに見られないか心配だなって……」

「またそういうこと言うー!!」


 ぽすぽすと二の腕を殴るのはやめてください、くすぐったいです。

 はぁ、こいつももうちょっと身長が伸びてくれれば言うことないのになぁ……。


「先輩がまた、失礼なことを考えてる気がします……!」

「ソンナコトナイヨ?」


 ふいっと視線を逸らせた俺に、天音がじとーっとした眼差しを向けてくるのを感じ、思わず溜息を零してしまった。

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