ミル、超覚醒!
さて、ミルも強化するのはいいのだがとりあえず今どの位のステータスなのかを見ておこうか。
鑑定っと
ーステータスーーーーーーーーーーーーーーーー
ミルテイラ・デスハイム Lv4
種族 人間族
体力 10
筋力 10
敏速 15
知力 50
魔力 50
幸運 20
スキル
回復魔法 Lv1
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まぁ、これが普通なんだよな。しかもミルは王族なので特にレベルを上げようとしていたわけでもないし。知力が高いのはそれだけ学習基盤が整っていた証拠だろう。
「あの、旦那様。やはり無理ですか?」
楓が難しい顔をしながらミルを見ていたのでミルも不安になる。
「ん?まぁ、今は全然だけどそれを言ったら日向もだ。俺が今からミルに才能をあげる。それを生かすかどうかはミルの自己鍛錬次第だな」
「ありがとうございます!私も旦那様と一緒に戦える日が来るのですね!楽しみです!」
ミルは自分も戦えると知りすこぶるご機嫌だ。
うーん、ミルの系統だがどうしようかな。いっその事ミルに聞いてみようか。
「ミル、お前はどんな戦闘スタイルがいい?やりたいものの才能を付与したいからよかったら教えてくれ」
「はい、私は後方支援をしたいですね。ヒナタと一緒に旦那様やアルを助けたいです!出来れば弓と回復魔法を使ってみたいです」
回復魔法はすでにスキルがあるから魔法さえ使えれば簡単に使えるんだよな。それにしてもミルはいい役割を買ってくれたな。これでアルと俺前衛で日向は後方からの魔法を放ち細かい敵はミルの弓を、そして傷ついたらミルの回復魔法で回復か。いいバランスだ。
「よし、ではそれでやってみるよ。そこに寝てくれ」
「は、はい」
ミルは少し緊張した面持ちでソファーに横になる。
「睡眠魔法」
ーステータスーーーーーーーーーーーーーーーー
ミルテイラ・デスハイム Lv4
種族 人間族
体力 10
筋力 10
敏速 15
知力 50
魔力 50
幸運 20
スキル
回復魔法 Lv8
弓術 Lv8
遠目 Lv8
夜目 Lv8
ユニークスキル
成長速度倍化
成長倍化
千里眼
エクストラスキル
限界突破
加護
魔法神の加護
武神の加護
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こんなものでいいだろう。後は実戦経験を積んだり訓練をしていけばだんだん強くなっていく筈だ。
加護を二つ付けたのは弓の為の武神の加護と回復魔法の為の魔法神の加護とどちらもミルに必要そうだったからだ。まぁ、出だしが遅れている分この位は許容範囲だろう。遠目と夜目は弓を使うにあたって必要そうだった為と千里眼はその上位互換だな。二つあれば心配ないだろう。
「ミル、とりあえずスキルを付け終わったぞ」
ミルのステータスが分かる様に前と今のを紙に移してミルに渡す。
「こ、これが私のスキル?」
「そうだ、しばらくは王都も騒がしいからミルはサクヤに頼んで訓練を付けてもらうといい。俺も見守っておくよ」
サクヤとはこの前召喚したメイドの一人である。
「はい!ありがとうございます!早速サクヤさんに稽古をつけてきてもらいます!」
そう言うとミルはあっという間に部屋を出ていきサクヤのもとへ訓練に行った。とてもお姫様とは思えないが可愛いから許しちゃう。
『…?』
念話でサクヤに伝えてあるから上手くやる筈だ。
「凄い勢いだったね。これじゃあ僕もダラダラしていたらすぐに追い抜かされそうだ」
アルは割と真剣にそう思っていた。俺がミルにどのようなスキルを付けたのかはアルは紙を見てなかったから分からなかったが、それでも彼女は強くなる。そう確信するアルであった。
「なんか私の時と似てたね」
「だな、日向もスキルを付けたら泣いて喜んでくれたもんな」
「もう!恥ずかしい事思い出さなくていいの!」
日向は顔を真っ赤にしながら言う。
日向はそれから毎日寝る前に魔力の活性化をしたりと努力を怠っていない。一つの事を継続出来るのは日向の良い所なんだろうな。
「それと、さっきも言ったけど今は王都自体が大騒ぎ状態だ。ほとぼりが冷めるまでしばらくはこの屋敷の中で出来る事をやっておいてくれ」
外に出ようものなら見世物とばかりに色んな人が這い寄ってくるだろうしな。どさくさに紛れてミルを誘拐されたなど言われたら笑えない。まだミルは一女の子の枠を抜け出したばかりなのだから。俺はもっとこの屋敷の防犯設備を強化しようと決めたのであった。
「そうだね。貴族とかも必死になってこちらの情報を探っているだろうからね。下手に僕達は外に出ない方がいいだろうね」
「といってもここまで立派な屋敷ならすぐにバレると思うけどね」
「なに、無理やり乗り込んでくるバカな連中がいたのなら少し痛い目にあって帰ってもらうよ」
「カエデの少し痛い目とはどの位なのか非常に興味深いがそろそろ僕も訓練をしてくるよ」
「あ、私も天気がいいからそろそろ外で空を飛ぶ魔法の練習でもしようかなー」
と二人は一度自分の部屋に戻りそのまま外でミルと一緒に訓練を始めていた。最初はミルも弓を放っても命中はするものの威力が低かったが武神の加護のおかげでだんだんと威力も上がりステータスもだんだん上がっていくのであった。
『皆さん楽しそうですね。』
俺はベランダで紅茶を飲みながらみんなが訓練をしているのを見ていた。
「そうだな。今のこの幸せがこれからも続くように俺も頑張らないとな」
静かにそう呟くのであった。




