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決闘なのです! 2

これからは平日に1本、休日に2本の投稿となります。

今まで見てくださってありがとうございます。これからも頑張って投稿していきたいと思います。暇な人は是非見に来てくださいね。


「では、決闘始め!」


審判の男の人が一通りルール?説明をすると始めの合図を出してきた。


要は何をしてもルール違反にはならないんだよな。観客に意図的に危害を加えなければ良い筈だ。


相手の出方を探っていると相手も俺の出方を探っていた。


「どうした、やはり武器なしで怖気付いたか!さっさと降参してしまえ」


副団長は余裕である。


「へ?あ、いやー攻めてこないもんだからどうしたものかと考えていたんだ。俺から攻めて一瞬で終わるのも面白くないだろ?」


「んの!!!」


俺の挑発に副団長はお怒りである。もうこの時点で勝負がついている様なものなのだが…


自分はよく人を煽るのに逆に煽られるとすぐに沸騰してしまうなんて弱い以外の何者でもない。戦闘中にはどれだけ冷静でいられるかが、勝ち負けを分ける事もたくさんあるだろうに…


副団長は見事な剣さばきで俺を捉える…事はなく剣筋は確かに良いが日向やアルとは比べものにならない位鈍いから魔剣を折らない様に丁寧に捌いていく。


魔術師の日向より攻撃力もスピードも遅いってこいつらやばくないか?


『日向様が異常なだけですよ』


「なんで剣が当たらないんだよっ!」


副団長はずっと攻撃を仕掛けているが全く当たる様子がない。


でもこいつ、普通の人なら殺せる位の勢いあるよな?俺を殺そうとしてるのか?


『事故死扱いですからね。この人にしてみればマスターは恋敵ですから』


まぁ、それでも日向とミルは俺を旦那様と呼んでくれた。俺と結婚したいと言ってくれた。そこまで言われたのは流石に初めてだ。


だから大事にしよう。この世界では俺は最強だ。慢心かもしれない、でも俺はステータス∞だ。守ろう。大切な人達を。クランの仲間達を。


『なんだかやる気が出て来たみたいですね』


決意したって所かな。目の前の奴には日向もミルも渡したいとは思わない。


「そんなものか?素手の敵にも勝てないとか副団長失格だな」


更に副団長を煽っていく。怒れば怒る程剣筋が適当になってくる。


「黙れ!貴様なんてまだミルテイラ様と会って3日かそこらだろ!俺は、8年間想い続けてきたんだ!それを…お前みたいな顔が少し良いくらいの冒険者風情に取られてたまるか!」


「俺もお前にミルを渡す気はない。俺が言えた事ではないが恋愛には切り替えが大切だぞ?」


「うるさいうるさいうるさいうるさい!」


「後、自分の嫉妬心を人にぶつけるな。それでも国のナンバー2か?」


「うるさいうるさいうるさいうるさい!」


もう、うるさいしか言わなくなったな。こんな所か。


「王様ー!この剣って国の物ですか?」


副団長の剣を未だに捌きながら自分達を見ているであろう王様に向かって確認を取る。


「いや、それは多分自前だ、何処で手に入れたのかは知らないが」


「ありがとうございます!」


良い事を聞けたな。こいつの私物なのであればもうそろそろ斬り捨ててもいいだろう。最初から剣であいつのを斬るのも良かったがこれ以上目立つのも良くないだろうから今まで待ってみたのだ!副団長の力量も見たかったしな。


既にアルが自慢しているとは流石に思わなかったが。


「とー」


試合にはもう飽きたと言わんばかりの掛け声で人差し指を立て魔剣にぶつける。


パリィーン


魔剣が折れた。


「「え?」」


この結果には二人共驚いていた。俺としては人差し指で攻撃を止めて拳で剣を折るつもりだったのだがまさか人差し指だけで魔剣が折れるとは思ってもいなかった。


一方副団長はまさか素手の相手に魔剣を折られるとは考えもせず、なお俺楓の攻撃が見えなかったのである。この時副団長は人差し指だけで愛剣を折られた所を見ないで済んだのは運が良かっただろう。もし見えていたら自信まで完全に折られていた事だろう。


「ま、まさか、魔剣を素手で折るなんて…」


「いや、俺もびっくりしたよ」


人差し指で折れるなんて…。


そのまま呆然としている副団長の鳩尾に軽くパンチを入れて試合を終わらせる。この時も予想以上に相手が吹っ飛び壁に体がめり込む事になってしまい俺自身やり過ぎてしまった事に焦りを感じでいたのであった。


「勝負あり!勝者カエデ!」


「やった!」


「おめでとうございます!」


一番近い応援席で応援してくれていた日向とミルが勝負が決まって喜んでくれていた。


一方で、貴賓席にいたバルバトスは呆気にとられていた。


「な、なんだあれは…最後魔剣を素手で折っただと?」


「正確には人差し指で、が正しいけどね。流石に副団長でもあれは見切れなかったみたいだね」


「人差し指だと?仮にもあれは魔剣のはずだ。それを素手でもおかしいのに人差し指だけで、だと?」


「そうだね」


「なるほど。君達には喧嘩を売らない様にするよ」


「それが賢明だね。『無限の伝説』の関係者には喧嘩を売らないのが身のためだね」


バルバトスは今日で何度目か分からないため息とこの国へ素晴らしい人材が来た事による歓喜の気持ちで胸をおどらせているのであった。


「さて、では夕食の時に会おう。カエデ達にもよろしく言っておいてくれ」


「りょーかい。僕も今からカエデの所に行くからそう伝えておくよ」


バルバトスは夕食の時を楽しみにしつつ残っている公務を終わらせにかかるのであった。



〜その頃勇者たちは〜


「いやー迷宮攻略失敗したが一度リングベリーの教会に帰る事になるとは思ってなかったなー」


「だな、もう一回攻略したかったが罠を発見出来る奴がいなかったのが大きいな」


「まぁ、それだけだろ。ボスも余裕だったから罠さえ解除出来れば第十階層なんて余裕だろ」


「だなー。さっさとリングベリーに着かないかなー。てかリングベリーに着いたら次は何をするんだろう?」


「さぁ?」


迷宮の攻略が濃すぎて俺達の事がすっかりと頭から抜けているクラスメイト達であったが、後日俺がミルと婚約する事を聞き新たにクラスメイト達は動き出すのである。

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