表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/482

迷宮探索 3

さて、第三階層へと来てしばらく休憩を取っていたんだがそろそろ攻略を始めていこうと思う。


何故かまだ一人も冒険者らしき人に会ってないのだがただ単に運が悪いのか、それとも何かあるのかは分からないがまだマリーを具現化させるのはやめた方がいいだろう。こんな所で見られでもしたら軽くパニックになりそうだしな。


「そろそろいこうか」


「そうだね。マリーちゃんもまた後でね」


「はい!」


マリーは姿を消す。この階層はどんな魔物が出てくるのか楽しみだな。出来ればそろそろゴブリンとかじゃなくて他の見た事のない魔物を見てみたいものだが…


そんな俺の願いが叶ったのか見た事のない魔物が姿を現す。そいつはネズミがそのまま大きくなりました、みたいな魔物だ。全長で2メートル位か?俺よりでかい。


ナビちゃん、あれ何?


『あの魔物は大ネズミといい大きさを生かしてパワーの利いた攻撃を仕掛けてきます。ゴブリンよりも強いですが基本的には初心者用の魔物です』


ほう、早速魔物がお出迎えしてくれたのか。だが魔法使いがいるのならこいつは図体がでかいだけのただの的でしかない。


日向に任せるまでもなく俺がささっと風属性魔法を透明のナイフみたいに飛ばす。


「グギィ!」


大ネズミはその魔法をかわす事なくその身にうける。威力は落としたが頭と体がお別れしてしまっていた。一応綺麗に倒せたので買取の時もそこそこの値段がするはずだ。


「この先、どっちに行く方がいいかな?」


「こっちだな」


二人は分岐のルートがある時は基本俺の直感まかせとなっている。今のところ百発百中なので何かあるのかもしれない。


「にしてもこの階層の魔物はそこそこバリエーションが豊かになってきたな」


俺の言う通り、今目の前で対峙している魔物はうさぎみたいな魔物だがその頭にはその体には不釣り合いな一本の角があった。


これはラノベとかで見た事あるぞ。角うさぎだろ。基本的に序盤の街道とかで出てくる魔物だな。


『この世界の角うさぎは機動力が高くその角の殺傷能力が高い為Dランク指定の魔物となっています』


なるほど、ゴブリン達よりも強いのか。


「その角うさぎという魔物は殺傷能力が高いらしいから気を付けろよー」


今回は日向が戦うというので一応注意する様に促しておく。まぁ日向位の体力があればそうそうやられる事はないのだが…だがまだ人間の範疇にいる日向は万が一があるので油断は出来ない。


「分かったよ。そもそも今回は近接戦闘をしないから大丈夫だよ」


そう言って日向は火属性の魔法を放つ。最近はオリジナル魔法をスムーズに使う為出来るだけオリジナル魔法を使う様にしている。


「キュ!」


角うさぎは日向の魔法で火だるまになる。


角うさぎはこんがり焼けました。


なかなか美味しそうなのでストレージの中に入れておく。後で内臓やらなんやらを取り出してもう一回焼けば美味しくなりそうだ。


「お、下に行く階段発見したな」


第三階層をしばらく探索していると今回は早くに次の階層の入り口を見つけた。


「まだ階層的にも浅いからお宝の部類は無視していこう」


ゲーム的にこんな浅い層に高級な物を置くわけがないし、もしあったとしても他の冒険者にとられているだろうから未知の階層迄そういった類の物は無視の方向でいこうと思う。


「はーい。でもこの階層は意外と小さかったね。階層毎に大きさが違うのかな?」


「どうだろうな。迷宮に関してはおれも分からん」


「そうだよね。まぁ小さければその分攻略の手間がなくなるしいいか!」


俺の仮説としてはその階層毎に俺の空間魔法の様なものがかけられていて大きさがバラバラなんだと思ったが所詮俺の仮説な為日向には黙っておく。


「そうだな。それじゃあさっさと第四階層も攻略していこうか。次はどんな魔物が現れるんだろうな」


…おかしい。さっきからそこそこ歩いているが全く魔物に遭わない。一〜三階層ならば5分に1、2回魔物とエンカウントするのだがすでに15分位歩いているが全く魔物が現れる気配がない。

っと…


「日向ストップ」


俺は後ろを歩いていた日向を手で止める。


そういう事か。この階層はどちらかというと罠をけしかける階層みたいだ。迷宮に入る前にその手のスキルは常時発動する様にセットしてあったから目の前の違和感に気付く事が出来た。


「ここはトラップ階層みたいだ。俺が解除するからしばらくそこで待っていてくれ」


「うん。ありがとう。」


俺は早速トラップを解除していく。


ふむふむ、このトラップもまだまだ初心者用と言ったところか。トラップの内容は地面が氷になって滑り易くなるというなんともビミョーな罠だった。


なるほど、ここで冒険者達に罠の存在を確認させるのか。なかなか良心的な迷宮だな。これからは罠にも注意していかないといけないみたいだな。


それから第五階層に辿り着く迄に5回罠を解除する羽目になり俺はだんだんストレスを抱え込んでいくのであった。これが致死性の高いトラップや重傷を負う物なら必要だと思って頑張るのだがただただうざいトラップだったのでストレスしかたまらなかった。


「この階層は楓くんに全部任せちゃったね」


「まぁ罠解除出来るの俺だけだからな。本来パーティーを組んでる奴達(やつら)なら専門の奴達(やつら)がやるんだろうし。俺達(おれら)の場合二人と一体だけだから出来る人が出来る事をして助け合っていけばいいんだよ」


「そうだね。でも今回はありがとう。次はボス部屋だよね?楓くんは休んでてね。私が倒すから!」


「あぁ、それじゃあ頼んだ」


この位では全く疲れる事なんてないのだが日向の親切心をありがたく受け取る事にした。


次はボス部屋か、何が出てくるのか楽しみだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ