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シュトガルに向けて 1日目

さっきはギルドマスターに止められるという事もあったが無事に出発出来た。


「そういえばシュトガルまでの道のり分かるの?」


「あぁ。俺のスキルにマップがあってそれを今ワールドマップにしているからシュトガル迄の道も分かるぞ」


「へぇ、便利なスキルだね」


「だな、この地図売ろうとすればお金には困らなくなるな」


「そうだね。でもその気はないんでしょ?」


「当たり前だ。俺は自分と周りの利益になるなら良いけどそれ以外の面倒事はごめんだね。そこまでお人好しじゃない」


これは本音だ。周りを気にし過ぎて自分を削っていたら本末転倒だ。それにあのクラスだから周りの目を気にするのもアホらしくなったのだ。


「お、敵確認。あれはゴブリンだな。こんな所に現れるなんて珍しいな。日向やるか?」


ここは一応軽くだが整備されている。普通こんな所にゴブリンなんで現れる事なんてないんだが…


「やる!それ!風弾(ウィンドボール)


お、風魔法か。


「最近いろんな属性の魔法を試そうと思って…でも火魔法の様な威力は出ないなー」


それは得意属性とかあるのかな?


『魔術師はそれぞれ得意属性があります。これは才能の部分に当たるので本人の意思で変える事が出来ません』


ほう、『才能』なんだな?それなら前にやったあれならいけるかな?


『可能ですね』


それは面白い。


「まぁ、大丈夫だ。そのうち日向も全ての魔法を同じ威力で撃てる様になるよ」


「だと良いなぁ。でもこれは才能らしいから…」


「『才能』なんて後からでも伸ばせるよ」


「無理無理。それは努力って言うんだよ」


まぁ今の段階で話してもわからないか。あとで驚く日向の顔を楽しみにしておこう。


「はぁ、私ももう少し強ければ楓くんの力になれたのになぁ」


「大丈夫だって。それに俺は存在自体が化け物みたいらしいからあんまり比較するなよ。それにこの力はタダで手に入ったわけじゃない。クソ女神に髪の毛の色が落ちる迄の苦痛を味わわされて手に入ったもんだしな。あんまりおすすめはしないぞ」


「そんなにしんどかったの?」


「あぁ。何度死にたいと思った事か。でも夢の中だったし死ぬに死ねず酷い拷問を食らったよ。それをあのクソ女神はプレゼントとか抜かしやがって…」


「大変だったんだね…」


「まぁな。おかげで俺は日向にも力をあげられる様になったんだがな」


「へ?」


「そろそろ昼だな。あそこにちょうど良い石があるからお昼にしよう。そこで話してやるよ」


そんなこんなで昼ごはんを食べて、あ、昼ごはんはあの街を出る前に宿のおばちゃんが作ってくれたのをストレージに入れて持って来た物だ。


さて、


「日向、お前に1つだけ聞いておきたい。もし力が手に入ったらお前はどうする?」


「へ?そんなの楓くんだけに負担をかけなくて済むしクラン的にも必要だからその為に使うかな?」


日向らしい答えだな。こいつなら俺の実験台第一号としても安心だな。


「俺はお前に力を与える事が出来るかもしれない。ただ、どうなるかは分からない。だから無理にとは言わない。本当に才能という奴が欲しいのなら俺はやってみる価値はあると思う。どうする?」


「やってみたい。楓くんなら死んでも復活させてくれそうだし。あんまり楓くんに負担をかけたくないしね」


「分かった、それなら試してみる。そこに寝てて」


とりあえず日向を寝かせる。


睡眠魔法(スリープ)


これで良しっと。


俺自身才能なんてあげられるの?っと思っていたのだが前の日向にもらった2日間で色々試していた時に付与魔法なるものがあってナビちゃんに聞くとスキル付与も出来るらしい。


ステータスも可能らしいがなんせ負担がすごいらしいから今まで試していなかった。力を与えたことによって日向が変わってしまったら嫌だし、日向自身体が持つか不安なとこがあったのだ。


だが最近事あるごとに楓くんの負担が〜とか言うから試してみようと思ったのだ。


ナビちゃん、ここは真剣に行くぞ。ステータスも解放してくれ。


『かしこまりました。全力でマスターをサポートします』


「付与魔法・スキル」


スキルを唱えた瞬間日向の周りから虹色の魔法陣が出現し日向が寝たまま宙に浮く。


なんか人体改造をしているみたいだ!


『人体改造ですよ…』


さて、どのスキルを付与しようか。




「出来た!」


俺の全力でも10分以上かかった。それなりに難しかったが慣れればすぐに出来そうだ。


「日向、起きろー」


「ん、んー、、、おはよー。私寝てたの?」


「あぁ、俺が寝かせた。無事スキルを付けられたぞ」


「本当に?これで楓くんの役に立てるかな?」


「あぁ、頑張れば人類最強レベル迄ありえるぞ」


「そっか。ありがとうね。でもまた迷惑をかけちゃったね」


「そんな事ないぞ。俺自身の実験でもあったからな。それよりこれが日向のステータスだ」


ーステータスーーーーーーーーーーーーーーーー

佐倉 日向 Lv23

種族 人間族

体力 300

筋力 300

敏速 200

知力 500

魔力 800

幸運 200


スキル

魔法 Lv6

魔法威力上昇 Lv6

魔力回復上昇 Lv6

魔力操作 Lv2

体術 Lv2


ユニークスキル

魔力運用効率倍化

成長速度倍化

成長倍化


エクストラスキル

魔法創造

レベル限界突破


加護

魔法神の加護


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これ誰のステータス?」


「日向のだよ」


「えぇぇぇぇぇぇ!?」


付与魔法でなんとか日向に負担なくでも強くしてやろうと思って頑張ったらなんと加護まで付けられたのだ。


『マスターは形式上神より上の存在なので加護も付けられたのだと思います』


まぁなんにせよ上手くいって良かったよ。


これで日向も魔術師で最強になれたな。だがあまりステータス自体は上げていない。そこは日向の努力で頑張って欲しいからだ。日向の場合鍛えれば鍛えるほど強くなる。


あとは魔法創造かな。これは魔力の消費量が半端無いから今は使えないな。でも魔法神の加護を付けれたのは大きい。


これは魔法の威力を上げるのと魔力のステータスの上昇率が10倍なのだ。成長倍化と合わせて実質20倍。限界突破も付けたから伸び悩む事がないし天井もない。


本当に努力次第で人類最強になれるのだ。まぁ悪用しようとするならすぐにでもリセットするが多分大丈夫だろう。


「日向。今はテンパってるだろうが俺からのささやかなプレゼントだ。これでお前も努力次第でどこまでもいける。でも、これは他の人には内緒で頼む。これがバレたら多分俺らは一緒に居られなくなる。偽装はかけとくからまぁ大丈夫だろうがな。俺の偽装は絶対にバレない。日向が気にしていた『負担になる』事も少なくなっていくだろう。これからは2人で頑張ろうな?」


「うん。ありがとう」


「よし、じゃあ行くか!」


「うん!」


日向の目には涙が浮かんでいた。嬉し涙なのだとこの時ばかりは鈍感な俺でも分かったのだった。

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[気になる点] 【「大丈夫だって。それに俺は存在自体が化け物みたいらしいからあんまり比較するなよ。それにこの力はタダで手に入ったわけじゃない。クソ女神に髪の毛の色が落ちる迄の苦痛を味わわされて手に入っ…
2020/01/03 22:48 退会済み
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