修了式
遅れたA!
「はぁ……春休みか~蘭葉!お前はなんか予定あるの?」
女子が目配せをして一斉に聞いてくる。
「ら、蘭葉くんは休み予定ある!?」
「あ!抜け駆けよ!」
「私がデートに誘おうと思ってたのに……」
「きぃーーー!!あいつはなんて羨ましいんだ!羨ま死ね!!!」
うっせばぁ~か!こっちがどんな思いで異世界から命からがら逃げてきたんだぞ!
このくらいのご褒美くらいもらってもよくないか?なぁ……なぁ!!!!
俺はついうっかりそいつに殺気を向けてしまう。
そいつは結局次の授業で学校を早退していった。
ちなみに、遠くから回復魔法をかけておいた。
さすがに申し訳なかった。
俺たちはその後、普通に授業を受けて5限目まで時間が経った。
6限は体育館で全校生徒を集めて修了式をするそうだ。
「行こうか、見上さん。」
「う、うん……」
「な、なんで渡辺さんが蘭葉くんと一緒にいるの!?」
「あのふたり……できてんじゃね?」
あのさ……僕まだ中一ね?
「あの……ごめん……」
「いやいや!他の人が勝手に言っているだけでしょ?行こう!」
「う、うん!」
俺も最初は自信がなかった。多分、見上さんは自分に自信がない、自己肯定感がかなり低い人なんだ。
だからその気持ちがわかってしまう。
「自分なんか。」「僕なんか」「私なんか」
自分には価値がないと決めつけて卑下してしまうことだ。
俺はその考え方が少し変わった。
ずるかもしれないが、異世界に行ったことにより、その経験を生かさずしんでどうする?という発想に至った。
自分は初の異世界帰還者。
自身を持つ持てるようになったのだ。
そう。自分の特異な部分を生かす。人より秀でさせる。
そんなことで自己肯定感は上がる。
しかし、もっとも簡単な方法がある。
「見上さん!大丈夫!見上さんのいいところはたくさんあるから!人と比べちゃだめだよ!」
「そ、そうかな……?」
まんざらでもない件について
第95話終わり
ごめん……………………zzz




