九死に一生を
眠いッ!
「ッッハッ!?はぁ……はぁ……はぁ……」
意識が戻る。
俺はモノクロからカラーに変わった視界を全力で凝らしてみると、
ヘラクレスとアテネが息を切らしながら膝をついてい居た。
「な、何とか間に合った……」
「ペナルティやばすぎ……」
「俺……応援しかできなかった……」
俺はすぐに状況を把握した。
「ッ!俺は……気絶していたのかッ!」
「ああ……かなりぎりだったよ……」
「よかったわ……蘭葉が無事で……」
「ご、ごめん……心が弱くて……」
すると、ここぞとばかりにマリハが攻める。
「そうですよ……本当に大変だったんですから——」
「いやお前なんもしてないよ?名前なんだっけ……マリハか。」
「本当よッ!でも……私もその話をしてしまったのはダメでした——」
「……………………ぐすん……」
「「「な、泣いてる……」」」
俺の目から涙が伝わる。
あれ?俺なんで泣いているんだろう的な何かだと思うのだが俺も分からない。
ただ……マリハの言葉が決定打になったのは間違いない(# ゜Д゜)
「お、おいッ!マリハ……お前のせいで蘭葉が……」
「私のせいかも……」
「いや、違うんです……全部マリハのせいです。」
「ちょッダメッ!!やめて——アァ——」
はい。無事こぶし殴り成功。
九死に一生を得た僕。
三途の川から戻ってきてからすぐマリハをなぐるという偉業達成☆
「それで……マナは大丈夫なんですねッ!」
「ええ。心配ないわ。二重人格でも自分の意思で変えられるようになっているし大丈夫よ。」
「ありがとう……」
「くッっぐはッ!!さっきの疲労と今の感謝のボイスで私の心はボロボロ——」
「ちょっと何言ってるかわからないです……」
「つまり……解決したって事ね。」
「あッ!そうっすよ蘭葉さん!速く帰らないとどやされますよハルさんに……」
「そうだそうだ……じゃあアテネ。また……」
「またって言って……もらえたぁぁぁ!!!!!!!!」
「帰還(身の危険を感じた。)」
「待ってッッ!!!」
マリハが俺の腕に飛びつく。
おい……俺一応三途の川見てきた人なんだけど……
俺たちの視界が白く染まる。
「蘭葉。」
ヘラクレスから呼ばれる。
「ん?なんだ?」
「お疲れ……」
「ああ、お互いにな……」
俺らは目で語り掛けると向こうも応じる。
そして俺らは人間界へ戻っていった。
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「すみませんさっさと帰ってもらっていいっすか?」
「フンッ!蘭葉がいないならここには用はないわッ!」
「いや、俺の部下を倒した件については請求書書いて送るから。」
「え~」
「え~……じゃねぇ……」
ふざけてるなぁ……
「そうそう、ヘラクレス?」
「なんだ……?」
俺は不機嫌に答える。
「気を付けたほうが良いわよ蘭葉、あの子——」
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「ただいまんどりこ……ってベッド!」
最高……ってハルは?
「お兄ちゃんッッ!!」
「お~ハルゥ~~~」
俺たちは抱きしめあう。
「それはアウト——」
「セーフなんだなこれが」
改めて言わせてもらう。
「アウト」だ。
第81話終わり
おやすみ




