アテネと仲直りッ!?
はい馬鹿ですすんません
「これ……ど、どういう状況、すか?」
マリハが動揺しながら言う。
そこでは俺がヘラクレスとアテネに挟まり二人の論争に付き合わされていた。
「おいおい!蘭葉は俺の使徒だぞ?お前に迷惑をかけられる筋合いはない。」
「は?蘭葉はお前の奴隷でも何でもないんだから私が話したって何の問題もないでしょ!?」
「いやいや……俺はどちらも同意していないんだが……」
「蘭葉はだまってろッ!」「蘭葉はだまっててッ!」
「いやッ!?俺の話なんだがッ!?」
ヘラクレスはアテネに俺を取られたくないようで、アテネは自分のものになりなさい的な……へッ!?
「というかアテネ……でいいのか……?」
「ッぅ!名前で……名前で呼んでもらえた……」
「おいおいちょっとッ!?甘やかさないでッ!?」
「いや、お前に言う資格ないし……」
「この厄介オタク……少し甘やかしたら一生ついてくるぞ……」
「どこで厄介オタクなんて——って俺の脳内からか……」
「えッ……蘭葉……私のことそんなふうに——」
「ああ、ちゃうちゃう……美人なのに俺と親近感が持てるっていうか——」
「待って待って——俺も忘れんといて蘭葉さんッ!」
俺は横を見るとさっきまで爆睡を決め込んでいたマリハにちゃちゃを入れらた。
「お前——一緒に来るって……言った意味なくねッ!?」
「ウっッそれは……」
「仕方ないよ蘭葉……ハルはともかくマリハは神界の環境に慣れないんだ。
下界の人間だからね……」
「おい……今さらっと俺たちのこと下界の人間呼ばわりしたッ!?」
「今更だろ……」
「ッザッケンナ!お前よりよっぽど頭いいやつ、人間界(下界って言いたくない)にたくさんいるぞッ!」
「フンッ!俺たちより優れた生物はいないんだぞッ!な?アテネ——」
「そうだよねッ!下界なんて呼び方ダメだよねッ!
「あるえ~~~おっかしいな……アテネさんもこっち側だと——って蘭葉がいるからじゃないか?」
「ええ、それとあなたを批判する絶好の機会だわ!」
「俺をそんなふうに使わんといてッ!」
「だから忘れないでくださいってッ!」
話はさらにややこしくなる。
結局ここに来た目的を忘れそうになっていた。
そこでマリハが叫ぶ。
「蘭葉さんッ!ここに来た目的を忘れたんですか!」
俺は( ゜д゜)ハッ!っとなり切り替えるとアテネに持ちかける。
「あの~アテネさん……?」
「な、なにかしらッ!」
なんだ?アテネの方が震えているんだが……
まぁ……いいやこのまま続けよう……
「マナの件についてなんだが——」
「ああッ!いいわ。好きにしてくれて構わないわ。私はあなたのために転生させたんですもの。」
「へッ!?えええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ……」
ど、どゆこと……?
と、とりあえず……
俺は悲鳴を喉の奥に突っ込んでつぶすとアテネに感謝の気持ちを伝える。
「あの……疑ってすまん!そしてありがとなッ!」
「やっっっっぅば……えぐぅぅぅ……何その笑顔反則だっろッッ!!!」
アテネは悶えている。
……悶えてるってこういうことなんだな……
俺は改めて悶えるの言葉を理解した(?)
「い、いやいや……大丈夫だよ……あの時は少しびっくりしたけど仕方ないよね……
ゴブリンデストロイに道連れにされたら——」
「ぐぅ……ウっ!!!!!!!」
頭の中に電流が走る。俺の脳内にスタンピードのことがフラッシュバックされる——
「ああああああああああああ」
「おいッ!大丈夫かッ!」
「ご、ごめん……私……」
「今そんなことはどうでもいい。それより蘭葉をッ!」
ここ、神界では不純物を一切受け付けない。
一時的な滞在は可能だが、一週間など長時間滞在した場合「ペナルティ」が加えられる。
それは「死」。いくら最強のヘラクレスや蘭葉でさえ神界のペナルティをねじ負けることは不可能。
そのためヘラクレスはその対策に蘭葉にそのペナルティが効かない魔法を付与していたのだが、気絶した場合はその対象に入らない。
そしてペナルティは神聖な場所ほど早く発生する。
そう、ここは神位第一位のヘラクレス。その総本山だ。
ここは神界のなかで一番神聖な場所と言っていい場所だ。
こんなところに蘭葉を気絶させてしまったら——
「おいッ!ペナルティから蘭葉を守るぞッ!意識を全力で保ってやれッ!
「分かったわ……」
アテネは迅速な対応で蘭葉の意識を留めておく。
ヘラクレスは蘭葉の周りをプロテクトという付与魔法でペナルティから守る。
マリハは……応援しておる……マジでこいつ要らなかったわ。
第80話終わり
遅くなりました




