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聞かれている

遅くなりました

「よ~しここに来い。」


「うん……」


ハルはベッドに座る。

足がブラブラしている……「ロリ」かッ!?


「ありが尊死……」


「し、死なないで……」


俺はベッドの奥に胡坐で座る。

俺はハルに聞く。


「寝れる?」


「わからない……でも……暗くしてくれれば寝れるかもしれない……」


「よし。寝る?」


「あ、待って……聞きたいことがあるの。」


ハルは俺に言いたいことがあるのだろう。


「ん?」


「今日はどうしたの?」


どういうこと——


「なんか……変だった……マナさんと会ってから……」


それは……

これは仕方ないと言う他ない。

俺も久々の再開で戸惑ってしまったのか嬉しかったのかわからない。


だが、マナのことであの事件がトラウマとして頭の中にフラッシュバックしてしまったのだ。

あれは俺の、人生の汚点。

罪のない人を殺してまで自分の不満を解消するべきではなかったと。

そう思っている。


ヘラクレスに配慮はしてもらったものの、罪悪感は残る。


「ああ……昔……ちょっとあってな……マナを見てそれを思い出してしまったんだ。」


「それって……?」


「俺にとってはトラウマ……いや、なんだろうな……マナに言うべきではないんだが……」


俺はマナにこの話をしたくないのだ。

それは、他人から見ればもちろんマナに話すべきではないと俺を罵倒するだろう。

しかし、こう見えてマナは俺より「年上」の可能性がある。


マナは、ラファエルに創られた存在のためいつ自我を持ったかわからない。

ヘラクレスなら把握はしていると思うが……

本人から聞きたい……かといって……女性に年齢を聞くのは……ってこのロリに?


はぁ……まぁ言ってみれば感情が芽生え始めたときからが「生まれた」と仮定すると……もう100歳以上なのかもな……


でも考えてみ?

よく漫画にエルフっつぅ種族がいるダろ?

あれ、異世界でも見たんだが120歳の女の人が人間で言う「14歳」とかなんだよね。


だから俺自身あまり年齢には気にしていない。


容姿端麗だからだ☆(ルッキズムくそ野郎)


「いや、この話をするべきではないな。」


俺は静かに目を閉じそう言うと部屋の明かりを消した。


「今日はもう寝る。また明日な?ハル。」


「え、あの、ちょっと……」


俺は静かに念話で送る。


『うっしッ!これで大丈夫なはずだ。』


「「「「!?」」」」


この家にいるものが全員驚く。


『俺の声が聞こえるか?まぁ聞こえるよな?』


ハルは驚いた顔をしてこちらを見ている。


『すまない。事情があってな……』


~~~

時は数時間前に遡る。


『ヘラクレス?』


反応がないヘラクレスを不思議がっていると俺の「頭の中に」文字が浮かんできた。


「アテネが見ている。」


ッッ!?


俺は周りを見渡す。

索敵魔法も使ったがそこにはいない。


さらに文字は浮かんでくる。


「ばれない方法を探せ。」


ヘラクレスからだと俺は確信して、状況を整理した。

きっとさっきのヘラクレスの会話(73話参照)が聞こえていたということか?

いや……そんなはず……アテネなら……できるのか!?


多分、ヘラクレスの下位互換だ。

念話系統を盗み聞きできるのか?


……許せねぇな?


一旦……「ぶち殺してやろうか?」


俺は天界に重圧をかける。


もちろん一個人がこんなことをできてしまえば世界だって滅ぼせるレベルなのだが……

蘭葉はそういうふうに使うのだろうか?


一方天界では異常事態が起きていた。


「な、なんだこれは……!?」


ポセイドンはうろたえる。


このトライデントを持っているごつい体つきの神様。

こいつが神位5位ポセイドン。


オリュンポス十二神の一人である。


「部下がなぜこう次々に倒れるのだ……?ま、まさか……」


一人だけポセイドンには心当たりがあった。

自分が差し向けた刺客を殺され奴隷にされたあげく子馬鹿にされたあいつ。


「人に身に余りすぎる……この力……なぜヘラクレスはこんな子供に与えてしまったのだろう……」


ポセイドンは天界の領地を眺めながら考えにふけっていた。


第76話終わり


はい……すんません(定期)

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