行こうか(怒)
疲れた旅行((殴
このミルクティーウマ!
俺はミルクティーをガブガブ飲みながら感想を
思う。
なかなか美味い……
俺の選択は間違っていなかったと確信した。
その理由として、目の前にいる真由さんが
ホクホク顔でカフェラテを飲んでいるのだ。
それはそれは美味しそうに飲む。
他人からわかるほどに「幸せ〜」という感情を
振りまいている。
真由さんはこちらの視線に気付き、顔を背ける。
なんだこの可愛い生き物?
今まで自分に自信がなくてよく顔を見れていなかったが、やはり美人だ。
さて、さっきっから俺何話してんだ?
……はァ……
俺は真由さんに念話を送る。
『それで、俺はこれ以上話すことはナイですけど?聞きたいことはありますか?』
真由さんは肩をビクッと震えさせると口に出そうとする。俺は念話で補足を送る。
『ああ、心のなかで俺に対しての疑問を強く念じてください。俺には伝わるので、』
俺はそう伝える。
そう、ヘラクレスは相手の思考を読み取ることができるが、俺は出来ない。
しかし、これでも世界最強の端くれ。
相手が強く念じたことぐらいは受信できるのだ。
まぁ、相手に俺を意識させる必要があるが……
俺はそのまま待っていると、真由さんの声が聞こえてきた。
『蘭葉くんはどうして異世界に行こうと思ったの?……あッ自分の意志じゃなくて強制……?』
俺は真由さんに伝える。
『いえ、これは自分の意志です。』
真由さんは目を見開く。
そして、きっとまた話そうとしたのだろうが
俺はそのまま続ける。
『変えたかったんです。今の惨めな自分を』
真由さんは驚いたようにカフェラテを持っていた手を震わす。
その時、真由さんから強い声が聞こえてきた。
『気付けなくて、あなたがそんなに苦しんでいて気付けなくて……ごめんね……』
真由さんは罪悪感に塗れた顔でこちらを直視する。
俺は念話ですぐ否定する。
『違います。その状態を変えようとしなかった僕が悪いんです。こんな話してスイマセンでした。』
俺が謝ると真由さんも慌てる
アワアワしている真由さんを見て、周りの奴らの
目が光る。
俺は真由さんに急かすように言う。
「そろそろ……塾の時間なので行きましょうか?」
俺は真由さんに提案する。
そう、カフェの時計は塾が始まる時間の30分前を指していた。
「そ、そうね……行きましょうか。」
俺は席を立つ。
周りのやつらは俺を異端の目で見ていたが、やっと帰ったという目と、この俺と真由さんを見ていた奴らはもう行っちゃうの的な目で見てくる。
……こいつら……自分の彼氏彼女といちゃつけよ……
俺じゃなくて……
「行きますよッ!」
「え、ええ……(どうしたのかしら……こんなに苛立って……ふふ、そんなこと言っても
やっぱり子供ね……)」
「なんか言った?」
「う、ううん……」
その声は……聞こえてんだよッッ!
忘れてんのかこのあほッ!
「はぁぁぁ……やってられない……」
「そんなこと言わないでよ……」
このカフェでもしっかり俺に払ってもらう真由さんであった(# ゜Д゜)
第73話終わり
ただいまッ!




