真由さん・襲来
はい、この神。やらかしましたwww
「心の声が……」
『あ、やべ……』
「なにやってんだよ!?ヘラクレス……」
「え!?蘭葉さんは知っていたんですか!?なんで言ってくれなかった——」
「ちょっと!?そのこと俺知らない——」
「私も知らなか……った……」
「あれ?お前らには言った気が——」
「「言ってない」よ!?」
二人は声をそろえて俺に言う。
見上さんも不満そうな顔をして、俺になにか物申したそうな顔をしている……
「はい……すいません……でした……」
『そうだそうだ~なぜ話してなかったんだこの馬鹿~』
てめぇ……絶対ぶち殺す……
覚えてやがれ……
俺は手にヘラクレスへの最大の怒りを込めてこぶしを握り締めると、
覚えておけと頭の中で強く念じておいた。
≪すいませんでした……≫
まじでこれからは気を付けろよ……クズ……
≪そこまで言わなくても——≫
ああ゛?
≪すいません……≫
『はい、あの~マナなんだが……』
「うん。お前が能力を与えたんだろ——」
【いや、こいつではないぞ?】
ッッ???
【私が転生できたのは……アテネ?とかいう神だったような気がする……少なくともこの声の主では……なかったはずだ。もし、この神が声帯や姿を変えられるなら別だが、】
「マナ……お前……」
【ん?どうしたランバ?】
俺は感動に打ち震えながら言葉を発する。
「成長したな……あんなに頭をつかわない馬鹿だったのに……」
【はぁぁぁぁあああああああ?おい!マナ!こいつ一発ぶん殴れッッ!】
「え……それは……無理~~~ッッ!」
なんだ……?むっちゃあわあわしてる……
カワヨおおおおおおおおおおぉぉぉ……小動物か……お、おお……オタクの血が……騒ぐ
アテネの話とか忘れるぐらいカワヨス
「ぐ、ぐはぁぁぁぁッッ!!」
「ど、どうしました!?蘭葉さん!?」
「思い出したんだ……」
とてもじゃないが……尊死しそうなんて言えたもんじゃない。
そうだ……今日は金曜日……塾の日だ。
それを言ってみよう。
「今日……塾なんだ……」
見上さんは感心したようにこちらを見る。
「すごいね!蘭葉くんってまだ帰ってきたばかりなんだよね?」
「ああ、まだ2週間ぐらい……?」
「じゃあ……そのおかげで取り戻せるね!勉強の進捗!」
「ああ……」
それに、 やることもあるしな 。
「じゃあ早いけど行ってくるわ。おい!ヘラクレス!事情説明は任せた。」
『りょ。行ってこい。』
「おけ~」
その会話はまるで親友のような。そんな距離感だ。
だが、その関係にひずみが入る事をまだ蘭葉は知らない。
「え?急展開過ぎないっすか!?」
「行ってらっしゃ~い!お兄ちゃん!」
「あッ!行ってらっしゃい……です!」
【……フンッ……】
チッ……鼻につく言い方の奴がいたな……
まぁいい……適当にぶらつくか……
俺はその後、歩きで塾まで向かった。
徒歩だと30分かかる場所でも、転移、あるいは超加速で行けるため、懐かしい街並みを
見ながら俺は塾に向かった。
そして、塾の目の前まで行くと、真由さんとバッタリ会ってしまった。
「あッッ!」
「げッ……やべーのに捕まるッ!」
俺は逃げようとするが、そこはあの「真由さん」。鬼のような力で僕を引き留める。
(こわい……真由さん怖い……)
俺がブルブルと震えていると、真由さんは慌ててこう言った。
「ちょッ!なんでそんなに怯えた目をしているのよ!そしてなんで逃げようと思ったの?」
「それは……なんというか……面倒くさかったから?」
俺は目をキラキラさせて答えると、少し怒って真由さんは言った。
「ねぇ……それもう嫌い発言と取っていいかしら……?」
真由さんはこぶしを鳴らすと俺に威圧をかけてくる。
ちなみに異世界のスキルはなにも使っていない。
そう、使っていないのだ。
それでもこの威圧に耐えてる俺!ほめて!!
「あッ!前に話すことが有るって!」
あ……
皆様覚えていらっしゃいます?
あの時この巨乳の美人がやたら俺に詰めてかかるんですよって話。
そう、思わず欲情——
何でもないです((殴
で、結局うやむやにしてしまって話をそらしたのだが、しっかりこの人覚えている。
うむ……逃げるか☆
俺は立ち去ろうと右回り180回転すると、後ろからまたものすごい気迫の真由さんから掴まれた。うん……ゴリラかな?(ゴリラですww)
「あの~どこ行くつもり~(圧」
あ、これは……
逃走者!確保ッ!残り人数0名。
「ゲームオーバー!/(^o^)\」
「?何言ってるの?」
俺はすこし茶番を入れて頭をリラックスさせると先生にこう促した。
「じゃあカフェで話しますか!」
「へッ!?もしや……このままお持ち帰りまで……」
あるわけないだろ((# ゜Д゜)
第69話終わり
真由さん……まさかのパワー系……ゴリr((殴




