S級モンスター
クライマックス?
「マナ!!」
「もうやってる!!」
俺はマナに大声で聞いた。
マナはすぐ答える。
俺が何を聴いたのか、それはデバフだ。
マナはこれでもAランク冒険者。使える魔法はたくさんある。
その中でも、特に協力で集団に使えるのが「エリアデバーフル」
その名の通り集団にデバフをかけるというものだ。
それも最大級のデバフだ。
こいつの異名は「デバフの悪魔」
この魔法のエリアに入ったものは例外なく鈍化、毒、致死毒、麻痺毒、
酸素不足、過呼吸、心臓発作、めまい、あと……忘れちゃったッ☆
でも、総数10のデバフをかけることができるわけだ。
しかし、ゴブリンの群れは止まることがない。
「ッッ!?止まらないぞ!」
「私にもわからん!!」
まずいぞ……この魔法は大半の魔物が戦闘不能になるデバフなのに……
それが効かないとなると……苦戦を強いられることになりそうだ。
俺は覚悟して、後ろの冒険者に大声で叫んだ。
「冒険者どもッ!俺はゴブリンデストロイを殺るッ……お前らはその他のゴブリンをやれ!分かったか!」
「「「「了解ッッ!!」」」」
「行くぞ!!!!!!!」
「おらぁぁぁ……」
「こっちもやるぞ!」
俺はある魔法を発動させた。
「エリアバフヒーリング」
その瞬間、冒険者たちの足元に魔法陣が表示されて、冒険者たちが強化された。
「な、なんだ……この力は……?」
「いつもの何倍の力が出せる気がする!」
「これなら……俺等でも……」
俺が使ったのはマナが使ったのとは逆の効果を持つ「バフ」だ。
筋力強化、HP強化、MP強化、自信過剰、指揮力上昇、スキル使用強化。
この状態バフを付与する魔法だ。
ちなみにこの魔法は集団に付与するためMPを消費するが、大丈夫だ。
魔力はまだある……
「ナイスだ!ランバッ!」
マナもデバフの効果を強める。
そして、ゴブリンたちの動きも鈍くなってきた!
「行け!!!」
「俺らも行くぞ!」
冒険者とゴブリンの全面戦争が始まった。
戦力差はこちらの方が優勢に見えるが……デストロイがじゃまだな……
あいつはこの状況をひっくり返すほどの力を持っている。
最大限警戒しないとな……
あいつはゴブリンの精鋭たちに守られている。
大きさは俺らの二倍くらいのデカさだ。だいたい3,5メートル?
その威圧感は怖い……
俺でも身震いするほどだ……
「俺は行くぞ……よし!」
俺は身を引き締めると攻撃を仕掛ける。
「くぎゃッ!シャッ!」
ゴブリンたちがそれを阻止しようとする。
「ははッ……止められないぞ?」
俺は剣術スキルを惜しみなく使い、ゴブリンたちを一掃していった。
——
「おい?あとはお前だけだぞ?」
辺り一帯はすべて赤く塗られていた。
いや、染められていたのほうが正しいのかもしれない。
ゴブリンの死骸がいたるところに転がっている。
全部で……100は超えているだろうか?
「さて……仲間の死について……なんとも思わないんだな?お前らは?」
怪物は沈黙する。
まるで銅像のようだ。
「まぁ、あとはお前だけだ……俺がすべてを終わらせる。」
俺は剣を構えると、その怪物は起き上がった。
一気に威圧感が体にかかる。
自分の何倍もの体重が体に推し乗ってくるようだった。
「身体強化……魔力消費軽減……武術系統全般強化……超加速……瞬間移動……よし!」
俺は自信の体にバフを上乗せすると、怪物に切りかかった。
「フッ!おらッ!」
俺は怪物との距離を詰める。
その体では俊敏に動けないと思ったからだ。
しかし、俺が見たときには怪物がいなかった。
「!?……上か!?」
その体のデカさでどういう速さをしているのかと頭を悩ませるがそんなことを言っている場合ではない……
「ウガアアアアアァァァァァ!!!!!」
ゴブリンデストロイは俺を踏み潰そうとする。
しかし、それをやすやすと待っているはずがなく、
「フレアバースト……ウォータージャベリアン!」
俺は火の球と水の槍を二つ同時に放った。
怪物の胴体に命中。しかし、怪物は臆することなく俺に向かってくる。しかも超高速で、
「くそっ!なんだよこの化け物は!?」
俺はさらに高速で移動して距離を取り、魔法を連射する。
「ブラックフィールド……(同時に無詠唱でダークボールを放つ)」
このブラックフィールドは闇系魔法の威力や魔力消費を抑えてくれる。
そして、このダークボールは精神を破壊する球だ。
しかし、怪物はこの球を避ける。
「やっぱりだめか……」
俺は自分の異空間からマナ増幅薬を取り出して飲む。
〈一時的に魔力量が上がります。〉
別人格が教える。
「くそ……だめだな……効かねぇ……俺なりにさらに頑張るぞ……」
俺は町のために尽力した。そして、この戦いは決着を迎える。
第62話終わり
まだ続くんかい!〈俺です作者は〉




