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作戦会議

遅れてごめん!

「今日は!スタンピードの対策会議を行う!!冒険者諸君!知恵を出し合い!

この村を守るぞ!!」


「「「「おー!!!!!」」」」


ギルド長が冒険者たちに呼びかける。

一週間後、10年に一回のモンスターの一斉襲撃が町に行われる。

毎回俺たち冒険者が作戦を立てて、そいつらモンスターを倒す。


俺らは作戦の主要戦力として呼ばれていた。


「おい!ランバ!呼ばれてるぞ!」


「了解~」


「ったく……お前も Aランク冒険者 なんだから……威厳を持てよな~」


「威厳を一ミリも持っていないお前にだけは言われたくない……」


そう、ちょうどスタンピードが始まる前に俺は「Aランク」冒険者になっていた。

そして、俺とマナはこの町における唯一のAランク。


この戦いは俺らによって決まると考えていい。


「来週にはモンスターたちが大量に攻め込んでくるんだろう?燃えるぜ……」


「なんでランバはこう……まぁ、冒険者として様になって来たというべきか……」


俺はギルド長のもとに行った。

奥の執務室の扉を開けると、先ほどのみんなを元気づかせていた笑顔とは反面、

深刻そうな顔で椅子に座っていた。


こういう話はマナでは理解できないと思ったので俺だけで来た。


「どうした?そんなに深刻そうな顔して……十年に一回のスタンピードがそんなに不安だったのか?今まで大丈夫だったんだろう?」


俺はギルド長に聞くと、ギルド長は不安そうに言った。


「前回も前々回も冒険者に任せていた。しかし、その時はすべてSランク冒険者がこの町にいたのだ。君たちの実力を疑っているわけではないが、不安なのだ。」


補足だが、ギルドに所属しているものを「冒険者」と呼ぶのだが、そこにもランクが存在する。Dから始まり、C、B、A、そして「S」。


依頼をこなしていくうちに上がっていくものだが、Sランク冒険者になるには血反吐を吐くような努力が必要だ。それこそ何十年も修行してドラゴンと渡り合えるようになると

Sランクと言えるだろう。


「だが、俺が調べたところ……この町にはBランクの冒険者が無数にいるのだろう?

数で押し込めば大丈夫じゃないか?」


俺もこの町にSランク冒険者がいないことは分かっていた。

だから、この町の冒険者を調べておいたのだ。


今のところ、前回の2倍のBランク冒険者がこの町にいることが分かった。

俺は大丈夫だと思うが、やはり、前回を経験したギルド長はスタンピードの危険さを分かっているのだろう。


ギルド長は立ち上がってこう話した。


「それに、今回は何かがおかしいんだ……最近、森にいるモンスターの強さが上がっていると報告を受けている……そんなモンスターが……来たら……」


俺はギルド長の肩をたたきながらこう言った。


「安心しろ!その強くなっている魔物も他の冒険者たちは倒していたじゃないか!」


俺はギルド長を元気づけるとギルド長は自信を取り戻したらしい。


「大丈夫……大丈夫だよな!!よし!作戦はしっかり練るぞ!」


「ああ、その調子だ!」


俺たち冒険者はその後、3日3晩話し合って作戦を練った。

そして、来るべきスタンピードの日……


「お前は大丈夫か?」


「当たり前だろ?この私を誰と心得る?」


「金取る最悪くそババア。」


「おい!?……ババアはねぇだろ……」


「んじゃまぁ!今回も頑張るぞ!」


こいつはのんきだな……これから死ぬかもしれないのに……


「お前は……怖くないのか?」


「は?冒険者には危険がつきものだぞ?覚悟はいつもできてるぜ?」


「……………………はッ、やってらね~」


「?」


「俺はそんな死ぬとかそういう覚悟ではやってないぞ?」


「そんなんで冒険者が務まらな——」


「俺はAランク冒険者だ。やっていけてるぞ?それに、死ぬ覚悟より死なないように力を鍛えるほうに力を使いたいしな?」


マナは一瞬キョトンとした顔をしたがすぐに笑い出した。


「そうだな。それが冒険者の本質なのかもな……」


「お前は……いや、なんでもない。」


俺が言い詰まるとマナは頬をぷくっと膨らませると


「なんだよ!教えろよ!」


マナはそういって俺に迫ってきた。

すんませんマナさん。あなたも一応「女性」——いやごめん。

お前を女性と同等に扱ったら全世界の女性に失礼だよな……


「おい!失礼なことでも考えてんじゃねぇよな?」


……ばれた?


しかし、その時『ゴーン』と鐘がなった。


俺たちが上を見上げると、町の入り口にある監視塔から大きな声が聞こえた。

レベルアップした俺の耳にはこう聞こえた。


「スタンピ……起き……冒険……戦闘準……そげ!!……」


俺は状況をすぐに把握した。


「マナ!スタンピードだ!急いで町の入り口に行くぞ!」


「何!?分かった!全速力で飛ばすぞ!」


俺たちは常人の4倍の速さで現場に向かった。

到着するともう冒険者たちが数人戦っていた。


「おお!ランバさんとマナさんが来てくれたぞ!」


戦っている冒険者が言った。

それを聞き、他の冒険者も


「よし!Aランク冒険者が加勢してくれるなら余裕だ!」


「ああ!助かった……」


みな口々にそう言った。


「よし!マナ!加勢するぞ!」


「ああ!」


そして俺たちの、長い戦いは、始まった。


第60話終わり


スタンピード……ここからだ……

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