「殺す」
ごめん
俺はやつに呼び出された。
やつ、それは俺をいじめていた主犯格、「河馬」だ。
昔先生が謝りたいから学校に来てと言っていたが、そんなのは嘘だろう。
見ただけで分かる。こいつは俺をいじめてきていた時の目から何も変わっていない。
クズだ。
他人を貶めることでしか快感を得られないという最低最悪の人間、人種だ。
「は?なんでお前なんかについていかなきゃならねぇんだよ?くそが!!」
俺は今までいじめられてきたストレス、憤怒を机にぶつけた。
『ドンッ!!』
クラス中が凍り付いた。なぜなら、俺はその衝撃で机を「破壊」してしまったのだから。
河馬はその衝撃でペタンと腰をついた。
「な、な、なんだよ……その……力……」
「教えるわけねぇだろうが。殺すぞ?」
「ひぃぃ!?……」
クラス中俺を見た。幸い、全員いるわけではなかったので良かった。
俺が河馬の方を向き直るとこう言い放った。
「いいぜ?お前がわざわざ人の目がないところに行こうってんだ。その意気。受け取らねぇのは男が廃る。」
俺は河馬が下にペタンと座り込んでいるのが癪で、河馬の胸倉をつかみ上げこう言った。
「よし……じゃあ行こう。お前が帰りたいって言っても止めてやらねぇよ。
大丈夫!お前は俺に同じことしたもんね~このくらいなんでもないよね~」
俺は河馬の目を見ながらわざとらしくそう言った。
河馬はもう混乱状態だろう。
人が素手で机を破壊?俺も聞いたことねぇよ。
「いいか?お前は俺をいじめた。俺の世界だったら真っ先に殺してたな?
まぁこれから殺すんだけど。」
「ひっ……」
「行くぞ」
俺はそのまま河馬の胸倉をつかんだまま、教室を出た。
そのまま廊下を通って体育館裏の自転車置き場に行った。
その間、河馬は「助けてくれ」となんども叫んだが俺がそれを対処しないわけがなく、
認識阻害、音声妨害、を俺たち二人にかけていたので誰も気づかない。
誰も……助けてくれない。
「なんだか……既視感を……感じないか?……」
第51話終わり
遅れた




