ラファエル様の……呪印を……
出せなくてごめんなさい!
こんないい条件でいいんでしょうか……?
私はそう思い、その人に聞いた。
「あ、あの、いいんでしょうか……?あなたにとってのメリットが……」
そう、その人にとってメリットが全くないのだ。
しかし、その人は迷わず答える。
「いいんだよ。こんなかわいい子毎日見れるだけで幸福だよ。」
……それは……つまり……
いわゆる……「ロリコン」!?
「…………………………ロリコン!?」
「ちっが~う、なんかゆるキャラ的存在としてだよ……!」
その人は慌てて否定する。
多分本当に親切心で言ってくれているんだろう。
すると、その人はこう続ける。
「とりあえず、俺の家で預かるよ。それが飲めるなら解放してあげるよ!」
私はこの人がラファエル様に敵対することになると、命が危険に晒されることになると
考え、こんな親切な人を死なせたくはない。
「とりあえず、解呪だけしちゃうね〜」
その人はそれだけ私に告げると、手に解呪魔法を
無数に展開させて、こう唱えた。
「スキル発動。「解呪」」
その瞬間、私の手の甲にある奴隷紋はパラパラと
崩れるように消えていった。
「奴隷紋が……!消えてゆく……!」
私は目の前の事実を受け入れるのに時間がかかった。
そして私は、その人に問いかける。
「この奴隷紋はラファエル様直々につけたものなのに……」
私がそう聞くとその人は笑い出した。
不思議そうに見つめると、その人は答えた。
「俺にかかればこんなの余裕だよ!」
私はこの人がラファエル様を上回る強さだと、この言葉を聞いて確信に変わった。
私は不安が一気に去ると、足の力が抜けてしまってへたんと座った。
「……ってどうした!?」
あ……あれ……?私………………泣いてるの……?
は……はは……嬉しいはずなのに……涙が……止まらない……
これは……うれし泣き……?
私は泣くだけ泣くと、その人にこう言う。
「あの、本当にありがとうございました!これからよろしくお願いします!!」
私がこういうとその人は嬉しそうにこちらを見て、
「よろしく——」
と続けたが、その言葉は最後まで言えなかった。
なぜなら、「ラファエル様」がその人の背後に立っていた。
その人はすぐ後ろを向き、殺気を殺気で完封すると、ラファエル様に問う。
「おまえ……まさか……!?」
……
ラファエル様は鬼の形相でその人を……「蘭葉?」
わからない……なぜか……この人の名前が「蘭葉」だと分かる。
なぜ……なぜだ……わからない……
私はなぜこの人の名前を知っている?
第47話終わり
体調不良です




