人気者?
夜更かししてない!!
「……へ~お前ピアノ弾けたんだ!」
「ああ、成り行きでな。」
「ねぇねぇ!蘭葉くんってどうやってそんなにカッコよくなったの?」
「い……いや……俺別にカッコよくない——」
「カッコいいよ!ね?」
「うんうん!!」
「あ、ありがとう……」
ちょっと……待って……
人が……多すぎる……
なんだ~俺の周りに人が集まってくるんだが……
今は5限の休み時間。もう6限目が始まるというのに、俺の席の周りには人だかりができている。クラスの3分の1がいるのにも関わらず、対して俺は一人。
割に合わん!!
今日一日クラスのほとんどが俺に興味を示しているようだった。
しかし、悪い意味での興味を寄せているものも多そうで、中には「いちゃついてんじゃねぇよ!」という目線が贈られるが……「ありがとうwwww」という目線を送ろう。
だが……いちゃつくと言っても俺は人が苦手なので変わってほしいがな……
本当に、俺には「ハル」という天使(どちらの意味でも)がいるし!
その後、授業が無事遂行された後、足早に荷物をまとめて、急いで昇降口に向かった。
「やっべぇ……人間じゃありえん速度で抜け出してきてしまったが……
大丈夫か?」
隠密化と気配隠蔽。そして、俊敏を同時付与したので、言ってみれば授業が終わった瞬間、
俺の姿が消えて、荷物がひとりでに消えたみたいなもんだ。
はぁ…はぁはぁ……早くハルちゃんに会いたいな~(くそ変態ロリ野郎)
さて……帰るか……
さぁ、ここで疑問を持ったものもいるかもしれない。
「自転車がねぇのにどうやって帰んだよ??」
ふふふ……考えてみろよ?
軽く一歩歩いただけで県超えられる速さよ?
家なんて一瞬よ。
しかも考えろ?「転移」があるんで。
人がいないところで使えば余裕で帰還!
しかも隠蔽使っているのでもう使ってOK!
んじゃ帰ろう——
「ねぇ、蘭葉くん!」
「ッ!?」
話しかけてきたのは隣の席の「見上さん」。
俺が驚いているのは見上さんが近づいてきたことではない。
俺の隠蔽を見破ったことだ。
隠蔽のLVMAXだぞ!?
近づいてきたのは気づいていたが、俺の気配に気づくとは……
異世界の刺客か……?
「あ……あの……」
「な、なに……?」
なにか言いたそうな顔をしている。
俺はバフスキルをすべて解いて見上さんに聞いた。
「こ……これ……!」
「?」
見上さんがバッグから紙を取り出すと、俺に渡してきた。
俺はその紙と見上さんを交互に見て、その紙を困惑しながら受け取った。
「あの……この紙は……?」
「えと……先生に……渡せって……言われて……本当にそれだけ!じゃあまた明日!
じゃあね!!」
そういうと見上さんは足早にこの場を去っていった。
見上さんから受け取ったその紙を見ると、今日の授業内容が完結にまとめられた紙が入っていた。下には小さく、「分からないところがあったら言ってね!」と書いてある
メモが貼られていた。
先生……ありがとう……そのお気遣いありがとうございます!
でも大丈夫です!教科書全部耳コピならぬ目コピしているので……
さて……見上さん?……何者?
第37話終わり
それが普通なんだよ((殴




