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鬼ごっこ

眠い……

「イッツショウタイム!」


『うるせぇよ!』


さぁこんな冗談を叩けるのも今のうちだ。

作戦を立てないと……


まず、こいつの整理をしよう……


『瞬間移動ができる』


『攻撃がほぼ無効化』


『当たるという事実を無効化させられる。』


……まって……ダメだろ!


近づいたら瞬間移動。

足止めのデバフが聞かない。


そして……当たっても 当たらないことになる 。

反則……


『やるだけやろう。まぁ……本気出せば行けるか……?』


「さあね?やってみたらぁ~???」


いちいちムカつくな……

ゼウスとの距離は大体20メートル。

俺なら0.0001ぐらいで行けるが……多分向こうはそれ以上の速さで動いてくる。

とりあえず周りに結界を張って出れないようにして、試すか……


『「制限・入出結界」』


その結界を半径一キロの広さで張って、一瞬でゼウスの間合いへ詰めた。

俺はそれと同時に、ゼウスの体に手を伸ばした。

しかし、俺がそこを見たときはもう姿はなかった。

しかも、索敵をかけ続けていたのにもかかわらず、

半径3キロの円に引っかからなかったのだ。

反応を消しているのか?

瞬間移動はできないように封じたはずだが……

神なら破る可能性も考慮して動かなければならない。


辺りを見渡すが、結界の薄い膜があるだけでゼウスの姿、人影は見えない。


すると……上から声が聞こえてきた。


「お~い。大丈夫かい?索敵入ってないっぽいよ?」


『ッ!?』


そう、飛んでいたのだ。

俺の真上で。

気配を悟られることなく、


俺は地球の生物すべての気配を悟ることができる。

正直本気も出さなくても行ける。


しかし、こんな至近距離にもかかわらず気配を感じさせないのは神だなと実感した。

最高神の力は「全知全能」。この力はあらゆることに使えるというわけだ。


ゼウスは空中で胡坐を搔きながらあくびをしている。

あは……余裕だな……っしぶっ飛ばす準備をしていかないとな。


『「高速化」、「超高速化」、「思考超加速」、「鈍化無効」、「疾風」、「風の加護」、

「スピードブースト」、「デバフ領域」……』


「そんなに、バフをかけたところで何も変わんないと思うけどね~」


『うるせぇ。そんなことやっても最高神のお前には遠く及ばないだろ?』


「まぁ……バフの効果をなくすくらいお茶の子さいさい——」


俺はその言葉を言い終わらせる前に空中に飛び、その胴体を触りに行こうとした。

しかし、手を伸ばしたその先は虚空だった。


『またか……』


「そんな簡単に捕まるつもりはないってね?」


その声は耳元から聞こえた。

俺は即座に後ろを振り向こうとする前に手を伸ばした。

しかし、また手は空振りして、振り向いたらゼウスは5メートル離れた場所に

立っていた。


この間、約0.1秒以下。こんな単純そうなやり取りが普通に行われている。

おかしい……このやり取りは神位が高位のものでも厳しい。

なのに余裕でこれができる。


『さすがの最高神だな。』


「ふふん!すごいだろ!!」


『ハイは~い……すごいすご~い……あは……あはは……』


「おい!少しは敬え!?」


敬えるかこんな化け物!?!?


さぁ……もう一回トライだ!


『転移!』


「よっと……」


俺はゼウスの背後に転移して、攻撃を仕掛けたが、向こうもそれはそれで転移。

避けられた……まぁ知ってたけど……


「当たらないね?」


『絶対当てる!!』


そして俺たちは3日間鬼ごっこを続けた。


第30話終わり


部活行ってきます!!


……だるい!

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