在りし日の主人公②
殺す……そんなことを思ったことはありますか?
俺はその日から1週間家にこもった。
いや、自分の部屋にこもった。
家族には滅茶苦茶心配されたが、まぁ、親からしたら心配だろうな……
俺はその時、正気じゃなかった。
そりゃそうだ。人にバッドぶんぶん振り回す居たらやばいやつだしな。
だが……自業自得だ!
はは……あははは……あははははははは
〈ざまぁ~大槻!お前は……こうなって当然なんだ。〉
俺はその日からいろいろ考えるようになった。
部屋からは出てくるものの、ぼーっとしたり、
ず~っと寝てたり、まぁ……寝てるは考えてないんだろうけど……
いやまて!?夢には「明晰夢」というものもあるくらいだ……
俺も知らず知らずのうちにそんなことをやっていたり……しないか……
自己犠牲ね……そりゃ~俺だけで済むならいいが……
自己犠牲はもうやめたほうが良いな。
偽善者になんて……なりたくねぇしな。
と、そのときに思った。
その後の2週間は机に向かってぼーっとする日が続いた。
先生は、うちの親に俺に事情を聴きだすように言われたらしいが、
母さんは俺が自分で話してくれるまで無理に聞き出すつもりはないらしい。
父さんは困惑こそしているものの、俺を完全に悪いと決めつけているわけでもないらしい。
弟は状況が呑み込めていないようだ。
しかし、俺の方を見て、「大丈夫?」と純粋無垢な表情で聞いてくる。
答えづらいな~(汗)
俺は、この二週間で家族がいかに大切か分かった。
親が普通に怒っていたら、俺のメンタルはズタズタになっていただろう。
自己嫌悪と罪悪感、劣等感で押しつぶされていたはずだ。
今、俺の感情はそういったものはない。
いや、正確にはあるのだが、家族の対応のおかげで最小限に抑えられた。
俺はいじめのことを話そうと思う。
そして、話して解放されよう。
~~~~~
次の日
俺は親にいじめのことを話した。
今まで帰りが遅くなっていたのは、大槻達に殴られていたこと。
教科書が汚いのは、あいつらに隠されたり、
上履きをなくしたのも、正確にはあいつらがゴミ箱に捨てていたり、
母は、絶句して聞いていた。
目から涙を流しながら、「どうして言ってくれなかったの」とつぶやいている。
父はこめかみにしわを寄せて、「あいつら……ぶっ殺してやる!」と
つぶやいていた。
そして、このことを学校側に伝えたらしい。
しかし、「大槻君はそんなことしませんよ!とっさの嘘が見え見えですよ(失笑)」
と相手にされなかったらしく、父は、警察に行くとか言っていたな~
俺は家族になにも言わなくていいと言った。
そして、停学期間が終わり、学校に行くと案の定大槻がいた。
〈おい!?お前!絶対一発殴ってやる!!〉
頬にはシップが貼られていて、全身ゆでだこのように
真っ赤にさせながらこちらを怒鳴りつけてきた。
その時にこう思った。
こいつの顔を顔面つぶれるまで殴ったらどうなるんだろう??
その時だった。すべての始まりは。
何かが変わってしまった。
〈おい大槻?悔しいか?にくいか??〉
〈はぁ??あたりめぇだろうがよ??〉
〈そうか……その程度か。〉
〈?〉
〈俺は、お前を、絶対に……許さない。〉
その言葉を放った瞬間。空気が凍ったように教室の全員が止まった。
みんな顔をゆがませて笑おうとしているのか?
しかし、大槻は少し目が震えている。
焦点があっていない。
そして……俺の最期の言葉を言う。
〈お前を必ず殺す。いつどんな時でもお前のことを殺すつもりで動く。
お前を殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。〉
〈おい……らん……ば……?〉
〈あはははははははははははははははははははは〉
この瞬間から完全に暮らすから受け入れられないと全員が感じた。
こいつはやばいと。
だが、俺の決意は変わらない。
殺すまで機会をうかがい……必ず……しとめる。
第29話終わり
その殺意を勉強に向けるとはかどるぞ☆
(こんなやつでも中学受験して県一の中学校入ってます)




