最強の神
遅くなって……
つまり……ここは過去なのか?
いや、俺の声が聞こえない。そして、自分の体が透けていることを考えると、
幽体化していると推測される……
じゃあなぜ俺はここにいるのだろう……
気を失ってからの記憶がない。
たぶん俺は気を失ったままで、意識だけがここにたどり着いたと考えるのが
妥当だろう。
しかし……ここはどこなんだ?
時間がたてば意識は戻るはず……
とりあえずこの二人の会話を聞いていよう。
知ることも大切だしな。
「で?計画って何なんですか?」
「ああ、それはね……自由だよ。」
自由?奴隷のことか……だが、人間界への干渉の制限は……自由の真逆じゃないか?
「ですが……」
「ああ。人間界への制限かい?」
「それは……自由ではないのでは?」
「いや、自由さ。人間たちにとっては自由なのだから。」
「そうか……場合によってはそう考えられるのか……」
?神が俺たちの世界に干渉していたのか?
それとも異世界の方か……?
どちらなのかわからない。
『さて……こいつは一見いいことをしているように見えるが……』
「それでも、それを快く思わないものもいるんです。」
「え~!そんなやつぶっ飛ばせばいいじゃん……」
「その考えがダメなんですよ!」
『そりゃ~ダメだよ!ゼウスさん……』
この考えは自己中心的な考えすぎて迷惑かけちゃうよ……
でも……俺らとしたら奴隷もなくなるし神の干渉もなくなるならいいけど…
「それに……もうあなたの居場所はないですよ。だってもう決まっちゃいましたもん」
「ベッツに~俺は平和にトップでいるよ。」
「だから……はぁ……もう無理ですって……」
いやそりゃ~ね?力的にはゼウスさんが一番でしょうが……
「そりゃ、神界の全員の神と天使であなたに挑んでも負けますけど……」
『負けるんかい!!どんだけ……!?』
予想以上だ……多分敵に回したら殺される奴だな……
「じゃあ……ヘラクレスはどうしたいの?」
「僕ですか?」
え~!?ヘラちゃんが「僕」っていう一人称!なんか……( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
「僕は正直トップになりたいですね……でも、無理強いするつもりはないです。」
「あ、そうなんだ……俺はてっきり怨んでいるのかと……」
「別に……ですが!もう少し限度をですね……」
『お前がいうか!お・ま・え・が!!』
こいつ……未来でやったことを聞かせたらどんな反応するんだろうか……
「じゃあ……また明日きます。その時に話をもう一度伺います。」
「ハイは~い。おけおけ~じゃね~」
「……………………」
そう言いながらヘラクレスは去っていった。
一瞬で姿を消して。
俺はそこに残った一人の男を見ていた。
いや、その男がこちらを見ていたのだ。
しっかりと。視認していたのだ。
衝撃が走った。
ここは過去だ。
なぜここにいることが分かったのか……
俺は絶句することしかできなかった。
「さてさて……邪魔はなくなったし……そこの聞いている君に話しておこうかな?」
この男は俺が来ることを知っていたのだろうか?
そのレベルで俺の目をしっかり見ていた。
何の迷いもなく。
『あなたは……なぜ?』
「多分君は困惑しているだろうから、説明しないとね……俺は自殺する。」
『!?!?』
「後世には俺が「殺された」として受け継がれていくはずだけどね。」
なぜ……?
「僕は「殺せない」。この存在が反則みたいなもんだからね……」
それは本当にそうだ。
「だから、教えておきたいんだ。メンタルの極意を……」
『!?!?!?!?』
第25話 終わり
ごめんなサイドステップ……
「(ヘラちゃん)ヘラクレスパ~んち!!」
「(作者)ブフォ!?!?」
「(ヘラちゃん)反省しろ!!」
というわけでごめんなさいどステっpブフォ!!




