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神都見学③

遅れてごめん

「!?……あなたが……あの!?」


なに!?俺もしかして有名人!?いや~そうか~やっぱ俺のカリスマ性は隠せない——


「あの何人もの神々の「神力」を失わせたと有名な……!」


そっちかぁ~そっちに行っちゃったかぁ~

多分賭けのことを言ってるんだよな……

勝手にやったのは「神」の方なのに!!


「あと、備考ね。こいつ、俺が直属で呼び出した「転移者」だから。よろしく。」


「!?それは失礼いたしました。私はヘラクレス様直属の「ゴッズハルクレス」

が一人、団長の「バルス」と申します。」


んんん!?なんかすごい聞いたことある……どうしてだろ?


「この子すごいんだよ~天魔対戦っていう戦争があったんだよ。俺たち神が魔神と堕天使どもを滅ぼすための、」


「!?すっげぇ名前!?それほどすごい戦いが繰り広げられたのか?」


天魔対戦とは……大層な名前だけあってすごい戦いだったんだろうな——


「いや?別に苦労しなかったけど……」


「しなかったんかい!!」


「私はその魔神の城。天空城だったんですけどね?そこを壊滅させました。」


……ちょっと待ってちょっと待ってなんか似てる物語見たことある気がする……

……あれ?なんか「バ〇ス」とか言って天空の城を滅ぼしたっていう……

ねぇ……もう絶対にその物語モチーフやろがい!!


「俺……すっげぇ聞いたことある。」


「うっそマジ?情報は隠蔽しているはずなんだけど……」


「そんなことあるんですか?どこでその知識を……?」


「日本では有名な創作物だよ!!因果はめぐるってな!

……ちなみに……その天空城の名前って……?」


「たしか……「ラピュ——」


「ああ、大丈夫。もう言わなくてもいいよ。分かったから……」


パクリ!?いやしかし……これ書いた人……もしかして魔神の生まれ変わり説。

あるよね?あるだろ。というかあるだろ!!

こんな偶然あってたまるか!!


「本当に情報が……?」


「ランバ様……情報源を教えてもらっていいですか?」


「……………………情報規制がかかるので言いたくない!」


「「??」」


マジで……?いや、この話題からそらさないと……

なにかが終わる……


「そんで?あなたは何をしに来たんですか?バルスさん。」


「あ!そうですよ!「ラファエル」の反応が消えたんですが……どういうことか

調査に来たんです。」


「あ、それ殺しちゃったよ。ヘラクレスからの依頼で、」


「そうそう、邪魔だったから殺しちゃった。」


その事実を伝えると、バルスは青ざめた顔をしてなんか言ってる。


「!?そ、そんな……パワーバランスが……せっかく「三大天使」の勢力は

拮抗してちょうどよかったのに……

「ガブリエル」と「ミカエル」の勢力の増長がすごいことに……

仕えていた天使の職も失い……ああ……」


「おっと……」


バルスが倒れかけていたので俺がキャッチ。

……ねぇ……なんかヘラクレス「ひゅぅ~ひゅぅ~お熱いねぇ~」

とか言って冷やかしてくるんだが……やっぱ正座5時間にしようかな?


「そ、それは勘弁……」


「反省しないなぁ~」


「ところで……その子、人間界に持っていくの?」


「ああ。お持ち帰りしてロリを堪能……ってちがわい!

とりあえず保護という形式で監視するつもりだ。

そんな力で暴れられたら被害も怖いからな。」


「ふ~ん、で?人間界に天使を連れて行くのは……無理よ?」


「なんだって!?」


「だって~——」


話によると、天使は基本「神界」でしか暮らさないので人間界には降りれないらしい。

これは神同様だが……それで、降りるためには「奴隷紋」か「従者紋」を天使に

付ける必要があるらしい。また、その天使を作った神に許可を取る必要があるらしいが、

その作った天使様は殺しちゃったからな~多分大丈夫。


てなわけで俺は「従者紋」を付けることにした。


「すまない、人間界に降りるためには必要なんだ。」


この「奴隷紋」や「従者紋」にも強制力を決めることができる。

「奴隷紋」は強制力が強いため奴隷が心身ともに疲弊しやすい。

「従者紋」は強制力は低い。しかし、一応緊急の時は主人の盾となり

身代わりになるなどの「制約」があるらしい。

この強制力の強さは簡単に変えられるものではない。


世界への干渉力が必要になる。

正確にはその「権限」だ。この権限は「神」しか持っていないものであるが、

神に届く実力のあるものなら獲得できるものだ。

ちなみに「ヘラクレス」はこの権限を「すべて」持っている。

そして、この強制力の強さを変化させるには最小の「ステージ1」の権限が

必要になる。

俺は「ステージ15」のため、余裕で行えるのである。

「ステージ15」の権限の力は危険すぎるためあまり口外できないが、

一つの国の「言語」、「常識」や「精神」に干渉できる。

つまり、アメリカの「言語」を「日本語」に変えたり、

人々の一般、つまり、「手から炎が出せても不思議じゃないよね!」っといった風に変えることができたりする。


俺がハルにかけようとしているのは「従者紋」の「強制力(微弱)」だ。

ちなみに強制力は皆無だ。身代わりになって死ぬこともほぼない。

まぁ、そんな状況は作り出させないけどな……


「だ……大丈夫です!」


「よし!じゃあつけるぞ。「従者紋」構成。」


普通は専用の魔道具を使わないといけないが……

多分大丈夫だ。

そして……え~っと、ここの術式を改変して……最小……あとはこことここの術式は

破棄してっと……これでいいかな!


すると、ハルの左手の甲に「従者紋」が付けられた。

強制力はその紋の「色の濃さ」で見分けることができる。

ハルの左手の甲につけられた紋は肉眼でもよく凝らさないと見えないレベルである。

たぶん、そこまでトラウマとかはないだろう。見えないからな。


「これで……人間界に行けるのですか?」


「ああ、大丈夫そうだ。ヘラクレス!元の日時に戻せるか?」


「おっけ~……この公園の3時56分36秒に戻せばいいのね?」


「いや、10秒くらい時間を空けといてくれ、タイムパラドックスが起きる可能性があるからな。」


タイムパラドックス。それは、別の時間軸から来た自分と今の時間軸の自分が

出会うことで起きる矛盾による爆発のことである。

分かりやすく言うと、今の俺が一日前の俺と出会うことによって起きる現象を

タイムパラドックスという。

これが起きると最悪世界……いや、並行世界が数十個消し飛ぶからな。


「それで?帰るのかい?」


「ああ、いつまでもここにいられないからな。じゃあ。」


「ああ、また後で。スキルで会いに来てね~」


「待っております!ランバ様!」


「バイバ~い最高神様~」


「ちょ待って……ランバさん待って……」


「あ、忘れてた。」


「ちょっひどくね?」


こいつの、マリハの存在を完全に忘れていた。


「まぁいいや。ヘラクレス。ゲートを。」


「あいよ。ほらよっと!」


すると、ヘラクレスの手から黒い渦が出てきて、俺たちを飲み込んでいった。


俺は、そのまま「神界」に別れを告げた。

しかし、一つ違和感、いや勘違いかもしれないが……


「あの「神都」……()()()()()()()ような感覚だったな。」


俺はわだかまりをのこしたまま……人間界の俺たちの町に帰っていった。


~~~~~~

ヘラクレス


「そうか……やっぱりお前はすごいよ。

魂が覚えているとは……さすがだな……しかし……


魂の()()を成し遂げるとは……


いよいよ化け物だぜお前も……」


第21話 終わり


いつも見てくれてありがとうね!

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