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謝罪じゃなく感謝を

「そ、それは……一体どういう……ッ?」


「私は……他世界の人を殺し……その魂からエネルギーを取ってしまった……私は……やってはならないことをしてしまったのだ……」


「……そ、それは……我らのためですか……?」


「私は生きるのに多大なエネルギーが必要だ。そのエネルギーを補充するため。そして、お前たちのためだ。」


「……」


「本当にすまなかった……」


「私には……あなたを裁いたり責めたりする権利はございません……ですがこれだけは言わせてください……本当にすみませんでした……」


民たちは床に膝をつき頭を下げファルティアに平伏する。

やはり彼女は責められると思っていたんだろう。

そして彼女は動揺している。

なんなら責められた方がよかったのだろう。

自分にけりをつけるためにここに来たのに逆に罪悪感を植え付ける形になってしまった。


「……おい……」


「……?」


「ファルティアが欲しているのはそうじゃねぇよ……」


「な……ッ!」


「お前らがすべきことは他にあるだろうがぁッ!!!」


「なんだとッ!」


「……ッ!」


「ファルティアは謝ってほしいわけじゃねぇんだよ。」


「……」


「お前らは謝罪は罪悪感を与えるだけだとわからなかったのか?自分がその立場だったらどうなんだよ……なぁ……」


「た、確かに……」


「じゃあなにが必要だ?責めることか?自分のおかげで生きながらえていたやつに責められるなんておかしいよなぁ?じゃあなんだ?感謝だろ?違うか?」


「は、はい……」


「……俺からはそれだけだ。」


「蘭葉……」


俺は罪悪感が嫌いだ。

ずっと纏わりついてくる。


それを断ち切る方法は罪悪感を与えるそいつから「許し」がもらえることだ。


まぁ、それがファルティアにとって「感謝」だと思うんだがな……


第185終わり



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