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王様は怖いのだ

「私は……やはりとても大きな過ちをしてしまったのだろうか……」


「まぁそうだな。」


「……」


「でも謝れば……というか誠意を見せれば民たちもなんとかなるんじゃない?」


「いやでも……」


「まぁ大丈夫だって。今まで助けてもらってたしさ。今だって実害はないだろ?民たちに。」


「まぁそうだな!……はぁ……」


「……」


俺らは重い空気の中、街中へ急ぐ。


道行く人からは「ファルティア様!」と声をかけられ俺には疑惑のまなざしが。


よほど民たちから信頼されているんだろう。

横にいるだけで俺がこんなに睨まれるとは……


「お前民たちから信頼されてるんだな……」


「そ、それほどでも……あるな!」


「ッたく……その言葉が演説後でも言えたらお前はすげぇよ……」


俺たちは町の中心にあるという噴水に向かう。


「……」


「……」


「まぁ……なんだ……?その……」


「?」


「俺がいるしなんとかなるさ!」


「ッ!……そうだな……ッ」


彼女はにこっと笑う。

その笑顔がとてもまぶしかった。


俺には、この先の展開が良い方向に行くことを願うしかなかった。


~~~~~

私はいつも臆病だった。

強いからって天使たちに怖がられるし神たちが私を忌み嫌う。


なんで?

私が強いから?それとも醜いから……?


私は客観視に見れば普通かそれくらいだと思うんだけど……


「私はあなたの味方ですから。」


当時冥界の使者として来ていた執事は私のお世話をしてくれた。

まだ「誕生」したばかりの私を、執事はなんでも教えてくれた。


そして執事は言ったのだ。


「私だけでは冥界の統治などできません。どうか、あなた様にその役を担っていただきたい……」


「わ、わたしでいいの?」


「はい、あなた様のためではなく、「冥界」のためです。」


顔色変えず執事は淡々と答える。

しかしそれでもわかった。


私のために言ってるんだと。


私はその晩たくさん泣いた。

きっと、逃げれることがうれしかったんだろうな……


「大丈夫です。これからは、私がいますから……」


普段めったに笑わないその執事の笑った顔にまた泣いてしまうのだ。

自分が情けない……強くなりたい……

そんなことを思うようになったのはこの頃だった、


「わかった……ファルティアの冥界滞在許可を出そう」


「ッ!」


「その代わり……15年後には帰ってくること。それまでには立派な神に成長するのだ。」


「はい!」


当時まだ神位が1位だった「ゼウス」が私に滞在許可をくれたのだ。


「よかったですね……ファルティア様……」


「うん!本当によかった……」


それから私は……いや妾は冥界に渡った。

言葉遣いも威厳があるように執事に言われたのでそう言うことにした。


「ファルティア様!今日もいい天気ですね!」


「ああ……外は暗いがな?」


「いえいえここ冥界ではよい天気なんですよファルティア様!」


「そ、そうか……」


部下の一人は元気だ。

妾も少しそのテンションについていけない……


でも冥界は楽しいところだ。

妾を嫌ったりする人はいない。


「妾は……神界に帰らなねばいけないのだな……」


「そうでございます……」


「……」


その時からだったか……引きこもりになったのは


第183話終わり

遅くなってすまん

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