神の試練②
はいはい
第17話 「神の試練②」
「なぜここに子供が……?」
いや……幻覚か?その考えも考慮して一応防御は解かないように……っと。
話しかけてみるか?
そして俺はその子に話しかけてみた。ちなみに、マリハは放置である。
「君。どこから来たの?」
俺はその子に話しかけてみた。しかし、応答はなかった。
うつむいたまま、顔が見えない……ただ、何かぶつぶつとつぶやいている気がした。
「なんて言っているの?」
「……んで。」
「?もうちょっと大きい声で言ってくれないかな——」
「死ね。」
その瞬間俺の周りに氷のつららのようなものがいくつも出てきて、
俺の周りを取り囲むように配置された。
殺傷性はあるが俺には効かない。
『パリンッ』
防御結界に触れた瞬間、その氷は塵となって地面に落ちた。
その子は苦虫を踏み潰したような顔をした。
それでもあきらめずに術式の構築をしているようだ。
「死ね!!」
当然破れるわけもなく。
何度も何度も挑戦したが、結局一枚も割れなかった。
最初に俺に術式の構築を悟らせなかったのはすごいが……それ以外は弱いな。
「お前、何者なんだ?」
「うるさい……うるさいうるさいうるさい!!」
その子は必至そうに声を荒げて言った。
「あなたを殺さないと……ラファエル様に見捨てられちゃうの!」
?なにか事情がありそうだな……マリハよりかわいいから説明次第で対応が変わるな。
[え?可愛さで判断するの?]って声が聞こえた気が……気のせいか!
「聞かせてくれないか……?」
「……実は——」
そこでこの子の事情を聴いた。
どうやら、この子はラファエルに作り出された子らしい……って作り出せるものなの!?
『僕はできるよ~』
お前に聞いてない……ってそれどころじゃない(←なんだって?(ヘラちゃん))。
この子はラファエルの奴隷のようなものらしい。感情はなかったんだが、
いつの間にか感情が芽生えてきたらしい。すごいなこの子……いや、「ハル」ちゃん。
この子は「ハル」という名前らしい。
話してみると案外かわいい子だった……マリハとは大違いだ。
ずっとラファエルに無理難題を押し付けられていたらしい。
可哀そうだ……俺はこの子に協力してあげたいと思った。
「俺なら奴隷紋を強制的に解除させることができるが……」
「本当ですか!?」
う~んでもこの子放り出したら危なそうだな~
俺は大丈夫だが……あの氷魔法当たったら普通の人は致命傷だろう。
「条件を設けていいか?」
「ッッ!な、なんで、しょう……あの……性奴隷だけは……」
「いや、なんで奴隷前提なんだよ!」
この子は男がすべて性欲の獣だと思っているのか?
その偏見は今すぐに捨ててしまえ。
「そうじゃなくて……俺の家で暮らさないかい?」
「!?いいんですか?」
「野放しにして暴れられるより俺の監視下に置いて平和に暮らしてもらった方がいいしね!」
その言葉を聞いたハルは、目を見開いて驚いていた。
「あ、あの、いいんでしょうか……?あなたにとってのメリットが……」
「いいんだよ。こんなかわいい子毎日見れるだけで幸福だよ。」
「……………………ロリコン!?」
「ちっが~う、なんかゆるキャラ的存在としてだよ……!」
そんな目で見ないで……興奮するでしょ?
……自分で言っててなんかきもいわ。
「とりあえず、俺の家で預かるよ。それが飲めるなら解放してあげるよ!」
「でも……」
「とりあえず、解除だけしちゃうね。」
え~と……スキルは~「解呪LV100(MAX)」これでいいかな?
「スキル発動。「解呪」。」
俺の指先から光が出てきてその光はハルの手の甲にある「奴隷紋(神級)」を
消していった。
「奴隷紋が……!消えていく!」
これ……結構MP食うな……(神級)だからか……
「この奴隷紋はラファエル様直々につけたものなのに……」
ふふふ……ラファエルだかなんだか知らねぇが……「推定神位「5位」」をなめるなよ……
「俺にかかれば余裕だよこんなの……ってどうした!?」
ハルは泣いていた。しかも号泣……そりゃそうか……奴隷だったんだもん。
「あの、本当にありがとうございました!これからよろしくお願いします!!」
「ああ、よろしく——」
その瞬間、後ろからものすごい「殺気」を感じた。
俺は即座にハルに防御結界を張って、「自動追撃」でそいつを攻撃した。
しかし、殺気はやまない……後ろを見ると頭に輪っかを付けた女性、
まさに「天使」という人が立っていた。
「おまえ……まさか……!?」
〈天使「ラファエル」の討伐の試練が開始します。〉
「あなた……やってくれましたね……!」
んじゃ……ちょいと頑張るか!
第17話終わり
お疲れの様ね!




