神の試練①
一気に3話投稿でっす
「はめられたぁぁぁぁぁ!!」
なんだこの黒い渦は……!?
絶対ヘラクレスの仕業だ……!
「あいつ……今とは言ってないぞ……」
「んぅ……ランバさん……ここ……は?」
ああ~どうしよう~せつめいが~だるすぎる~
しかもここもうブラックホールみたいなやつの中なんだよなぁ~
周りは黒一色で無重力のような空間だった。
上も下も分からない……が、動いていることだけは分かる。
どこかへ導かれているような……そんな気がする。
ちなみに俺の意思で動いているわけではない。
なんか勝手に動いているのだ……自分で言っててわけわからんな……
俺の隣にはマリハがいる。なんか一緒に来た……
正直こいつは足手まといだ……戦力外だな。俺を応援する班だ。
「よし、とりあえずお前は何もしなくていい。俺についてくるだけでいい。
そして今からすることの説明は後でするから……今は黙っててくれ……」
「えぇ!?いやいや……いきなりこんな真っ暗なところ連れてこられて
説明ないとか——」
「黙ってろって言ったよな???」
俺は言葉に少し圧をかけて返した。
こいつはなんかいろんなことに口ツッコむタイプだからな……
圧でもかけてだまらせときゃ大丈夫……たぶん……
「す……すいません……」
「まぁ……後で説明してやるから……たぶん……」
「「たぶん」!?確証ないんかい!」
コントか!いや……コントだ……!
『何言ってんだ?』
あ!この状況を作った元凶がようやく登場した……!
おい、お前……なんですぐなんだよ!?早とちりしすぎだ!!
『あはは~そこはご愛敬ってことで——』
な~にがご愛敬だ……愛嬌もくそもねぇよこの野郎!!
『すんません……その代わりと言ってはなんだが……試練をクリアしたら、外で経過した時間を元に戻して、君が「地獄牢獄」を作った時間に戻してあげるよ。』
あ、それは助かる。
あ!だからって許さねぇぞ?
『だから、悪かったって。そうだ!これから君が挑むのは最高天使の一人「ラファエル」の試練だ。まぁ……多分余裕でしょ?』
ラファエル……たしかキリスト教での三大天使の一人だっけ?
『そう、神位「100」の神と同等の力を持つ天使だ。まぁ余裕だろ?』
見てからじゃねぇと分からないがな……あの雑魚はどこの試練を受けたんだ?
『ああ、まさにその「ラファエル」の試練だよ。』
うし、余裕だな。さっさと試練突破して「ラファエル」ぶっ殺して家帰って
母さんのうまい飯食うか!
『……いってらっしゃい……』
その言葉が脳裏に響くと、視界に光が見えてきた。
その光は俺たちが進んでいる進行方向の先にあった。
「ランバさん!あの光……なんでしょう?」
たぶん、この先が「ラファエル」の試練の場所、つまり「神界」だと思う。
はぁ~めんどくさいが行くか!
「この先は「神界」だ。そしてある「試練」を突破しに行く、追いていかれるなよ?」
「はぁぁぁ!?「神界」って行けるものじゃない——」
「行くぞ!」
そして俺はマリハの首根っこを掴みその光へ飛び込んだ。
「ぎゃあああああぁぁ!!」
すまん……マリハ……こればっかりは俺のせい……いや、俺のせいではないか……
怒るならヘラちゃん(←ヘラクレスの愛称)に怒ってね?
そして、その光はだんだん大きく……いや俺たちが近づいたことでそう見えるだけなのかもしれない……そして俺の視界は白く塗りつぶされた。
~~~~~~~
そして、気が付くと俺は仰向けになって倒れていた。
起き上がると隣には間抜けずらのマリハがいた……写真撮って後で見せてやりたいほどの顔だ……笑笑
周りはヘラクレスと会ったあの「神の儀式間」のような何もない白い空間ではなく、
異世界で見た街並みのような家が並んでいた。
……ここ本当に神界か?
だが、不思議な点はいくつかある。
まず、空が真っ白なこと。きっと昼や夜とかの概念がないのだろう……
二つ目は人……いやここの住人は「神」か……そいつらが全くいないことだ。
ここの外はどうなっているんだろう……って壁!?
……もしかして試練の中か?
『大正解~!ここは「ラファエル」の試練の中~』
……もう怒るとかそうゆうの通り越して呆れよ、あ、き、れ?
「なんで直なの?なんかあるでしょ?「試練に挑戦しますか?」とかのノリ……
そういうのすっ飛ばしてなんで「直」!?空気が読めないとはこのことだよ……」
『いやいや……速く帰りたいんでしょ?』
それは……そうだけど……雰囲気って大切じゃん?
『今!?それ今言う!?』
「はぁ……これだから空気が読めない奴は——」
〈シュンッ〉
その瞬間、俺の顔すれすれにレーザーみたいなものが来た……
やばいと思った俺はスキルの「自動追撃」を使用して
さらに「防御結界」を3重に張った。
(一応マリハにも張ってやった。)
そして、「索敵」を発動しながら「強化魔法」を10個自分にかけた。
『お!さすがの対応だね!』
「どういうことだヘラクレス!?」
『どうもこうもないよ!ここは試練をする場所だ。レーザーが来てもおかしくない——』
「おかしいわ!レーザー飛んでくるとか……ってやば!?」
さっきまで閑散としていたこの場所が真っ赤に染まっていた。
でも……俺の防御結界はびくともしていない……レーザー弱すぎん?
『な?余裕だろ?』
「ああ、正直言って拍子抜けやな……」
別に強くねぇしな……普通の人が当たったら即死だろうけど……俺は無傷だろうな。
……索敵に引っかかった!これどこから出て……って銃!?しかも何個あんだよ!?
「取り合えず……無力化しておくか……」
俺は「武器無力化」で銃を解体させた。
驚いた……まさか「レールガン」があるとは……
「これ誰が動かして——」
その時、索敵に一人が引っ掛かった。
俺は驚いた……なぜなら、一人の女の子が索敵に引っ掛かったからである。
第16話終わり
疲れんぼエンヴィー




