楽しかったよ?
こんにちは!!
りるくです。
今回の小説楽しんでいってください!
「ふ、ふぅ……楽しかったな……」
「そうは見えないよ?」
ハルは俺の背中をさすってくれている。
そう、あの後結局トイレで戻してしまったのだ。
情けない……
感度が思ったより高かったんだな……
俺はちょっとジェットコースターに苦手意識がつくようになった。
「は、はぁ……ヘラクレスは俺たちを楽しませようとしてくれたからな……怒れないんだよな……」
「う、うん……」
『いや……まじでそれはスマソ』
……おい、まさか調整を間違えたなんて言わないだろうなぁ……??
『おっしゃる通りです……申し開きもございません……』
俺はもう怒る気力する無くなっていて、ムカつくので帰ってもらった。
最後は観覧車にでも乗って締めるか~~
「ハル?あの大きい円形のアトラクション分かる?」
「たしか……「観覧車」……?」
「そう!みんな最後はあれに乗って帰るんだって。」
現座の時刻は、園内にある時計では4時を指している。
速めに帰りたいのもあるし、いい時間だ。
「よるまで遊ぶならいいけど……ちょっと気持ち悪いんだ……」
「あ、そっか……うん!じゃあ最後あれ乗って帰ろうね!」
「ああ、」
俺らは観覧車の方に向かった。
~~~~
「すご~い!回ってる!!!」
「俺もこれがどういう原理で持ち上げてんのかよくわからないしな……」
「これ……ある人にとっては怖そうだね……」
「ああ……高所恐怖症っていうやつもあるくらいだからな。」
「へ~そうなんだ~!」
俺たちはてっぺんに上るまでに談笑で楽しんでいた。
そして……
「すごい!!遊園地を全部見渡せる高さだ!!!!」
「お~この景色は絶景だな!!」
俺たち二人も盛り上がる。
「ね、ねぇ?お兄ちゃん……?」
「ん?どうした?」
「今日楽しかった?」
「何言ってんだよ。当たり前だろ?お前と一緒なんだから。」
「っ!!ありがとう!お兄ちゃん……!」
ハルは目に涙を浮かべながらこっちを見ている。
……分かるのだ。
誰にも愛されない。愛されてない。
嫌われていると、そう思い込んでしまう自分がいる。
俺は愛されていたが、ハルの場合は本当に愛されているのかはわからない。
ただ、ラファエルにこき使われるあの状況が、人格を発現したばかりの彼女にとってどれだけ辛い出来事だったのだろうか、と。
俺だったら、こんなふうに言葉をかけてほしい。
さっきハルに言った「存在価値」を教えてくれるあの言葉のように。
第170話 終わり
実際に僕が体験したものの一部ですが、本当に独りだと考え込んでしまうんですね人って。
もちろんそうでない人もいます。
しかし、責任感の強い人や、正義感が強い人は、いままで「盾」として振っていたものが「剣」となり自分の行いをすべて否定し心で葛藤してしまう。
ハルには幸せになってほしい……というかさせたいッ




