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ハルのスキル

こんにちは!!

りるくです。

今回の小説楽しんでいってください!

「ねぇ!みてお兄ちゃん!あそこ!何かやってるよ……?」


ハルが指をさした方向には一つの集団が出来上がっていた。

赤いハッピを着ていてまるで応援団——って応援団か!?


『進め!!!』


団長らしき人の号令に従い、その集団はグラウンドの真ん中に向かって動き出す。

おそらく、これから応援団の応援が始まるんだろう。


ちなみにうちの学校には競争などの概念がないため、応援団に赤や白があって分けられたりなどはしていない。


そのため、学校全体への応援になりそうだ。


「おかしいな……応援団がやる時間なんてあったかな……」


「そういうものを確認するために!この僕がいるんですよ?」


そう言うと、マリハは自慢げに体育祭のプログラムを俺に差し出した。

ったく……こういう自慢げなところとかないと素直にほめてやるのに……


まぁ感謝しておこう。


「おう、サンキュー!」


「ありがとう!マリハさん!」


「ほっ……よかったっす!」


なんだかんだでこいつも素直だな……


俺はそのことをいったん考えるのをやめて、プログラムを開く。


見開きになっていて1ページ目には午前の部が、

そして2ページ目に午後の部について記載してあった。


俺は2ページ目の上から探していく。

するとその項目はすぐに見つかった。


「なになに……昼食(応援団のパフォーマンスあり)???」



なるほど……だからここに入ってきているのか……


しかし近くにある時計がついている街灯を見ると、俺が集合する時間の5分前を指していた。


そんな短時間で終わるパフォーマンスなのかと疑問を感じる。

しかし、そんなことを言っているうちに刻一刻と時間は過ぎていき、集合時間になってしまった。


「っとやべっ!?じゃあ俺行くわ!!」


「はい!行ってらっしゃい!見てるからね!」


「いってらっしゃいっす!」


「おう!」


俺はそういうと人目のつかないところを索敵して探し、転移して集合場所に向かった。


~~~~

「お!始まるみたいっすよ!」


「お兄ちゃんもいっしょに見たかったなぁ……」


「そう落ち込まないでください!ほら!これお茶です!」


マリハは慰めの言葉をハルにかけてハルの水筒を手渡す。


「うん!そうだよね!それにちゃんと見ないと失礼だもん……そ、そうだよね?」


「はい!しっかり見てあげましょう!」


マリハは内心驚く。こんな小さな子が自分よりも配慮に足りている存在であることに若干の焦りを感じる。


約一か月でここまで日本の生活や文化に慣れ、礼儀作法を学ぶとは蘭葉も想定していなかったのだろう。


しかしこれには意外な裏がある。


なんとハル。

ステータスを閲覧すると「早期成長」というスキルが追加されているのだ。


これは「ギフト」である。

ハルが地球に来るときヘラクレスがこっそり与えたギフトである。

このスキルのおかげもあり、ハルは色々なことを学ぶことができたのである。


しかし、このスキルには大きな欠点が存在する。

少なくともその分野に数時間(対応する時間)修行または勉強をしなければならないのだ。


集中力が低いものや意欲が低いものにこのスキルを持たせても意味がないのだ。


しかし、ハルは違う。

いつもどんなことにも熱心な彼女にとってそのようなことはたやすいことだ。


つまり、ありえないほど相性がいいのだ。


恐ろしい子だ……


~~~~~~

第142話終わり


よし!ハルをチート認定!あいつを警戒対象に——なに?もっと強いやつがいるって?しかもチート使い!?!?いったい誰……ああ、蘭葉か(呆れ)

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