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障害物競争③

こんにちは!!

りるくです。

今回の小説楽しんでいってください!

もう……借り物競争だろ……これ……


俺の前にある机に置かれている紙はお題が書いてある。

そのお題に従い、お題の沿ったものを持ってくると(または連れてくると)障害物競争クリアできる。


できれば……簡単なお題であってほしい……


俺は他の選手の状況を確認する。

さっきの平均台で差をつけたおかげか差はかなり開いている。


俺は借り物競争で時間を食うと思い、さっそく目の前にある伏せられた紙を表にする。


書いてあったお題は……


「『好きな人♡』……だと……!?」


おい……出題者だれだ……ぶっとば——っといけねぇ本音が……


……ど、どうしよう——ああ……いたわ……


「ハル!!!!!来てくれ!!!!」


俺はグラウンドに大声で叫ぶ。


それを見た運営側は「ああ……あのお題を引いたんだな(笑)」と笑っている。

もちろん他の人からは異端の目で見られる。


「さて……待つか——」


「来たよ?」


すると俺が独り言をしゃべった瞬間移動してきたハルが横にはいた。


そう、こういう時のための装置だ。

俺はこの体育祭で様々な想定をしていた。

もしあの「亀裂」を入れてきたやつがいつどんなときに地球に攻めてくるかわからない。


俺は最近魔法を遅延させて発生させる魔法を開発したのだ。

それを利用してなにかあったときには装置を利用して転移させるというものを開発したのだ。


まさか……それを借り物競争に使うことになるとは……


俺はここに急にハルが現れたように思っている人に記憶操作してそのことを不思議に思わないように変えた。


まぁ……こんなことの順位のために使うのもあまり忍びないが……


せっかくの体育祭。思い出に刻みたいからな。


「二人でゴールした。」という記録が欲しいのだ。


「よし!じゃあ行くぞ!」


俺はハルの手をつないでゴールに向かう。

周りの選手に見ると……


「なんだこれ……体育の先生を連れて来いって!?うちのクラスは怖い先生なんだけど!?!?!?無理に決まってんだろ……」


「恋人……恋人!?!?!中学生に何を求めてる!?!?!?」


「マスカラ……マスカラもってますから……なんちって……はい面白くないか……」


おお……阿鼻叫喚の嵐だなこりゃ……


まだいい方だったのか……?いや運営がやばいな……


俺らはそのままゴールテープに触れてクリアすることができた。


「やったね!お兄ちゃん!」


満面の笑みを浮かべる。

その笑みをみて俺の顔のこわばりも緩まる。


「ああ、そうだな。」


こうして、自分のクラスから歓声が大きくなりながら俺たちは帰ることとなった。


ちなみに俺の反応からお題を察してくれたのか、運営側は何も言わなかった。

お題を確認することもなく、俺たちを解放してくれた。


「おお!蘭葉!お前すごかったよ!」


クラスメイト達が群がってくるなか明人も入ってくる。


「ああ……お題は秘密な?」


「ああ!分かったよ!まぁ家族とかだろ?」


「まぁそんなところだ!」


「ねぇねぇ!その子って蘭葉くんの妹!?」


「かわいいぃぃぃ!!!!」


「ねぇ頭撫でていい??」


「こんにちは!君名前は?」


ハルにたくさんの質問が飛び交う。

そのせいでハルは少し混乱状態だ。


「ごめん!みんな……この子……少し人見知りなんだ……」


「ああ……そうなんだ……ごめんね!」


「ああ悪かった!」


「うん……ごめん……」


「あ……うん……」


ハルは小さく応じる。

なかなか俺以外の人間と話していないからこの機会に……慣れてくれると嬉しいな……


第139話終わり


ハル……お前は幸せになれよ……あ、蘭葉は別です。お前ハーレム許さん(←作者)

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