web拍手お礼画面まとめ(ルイーゼVer)+おまけ小話
旧 web拍手ルイーゼVer のまとめ。その42~その53までの期間使っていたものです。
おまけとして、50万PV&10万ユニ&3000pt達成念記に活動報告に載せた小話「或る騎士達の日常」と「或る公爵家の日常」をお付けします。
プライベートの事情で申し訳ありませんが、今日は1本だけの更新になります。
◆1ページ目◆
あら、みなさまごきげんよう。
ルイーゼと申しますわ。いつも、作品を読んでくださって、ありがとうございます。
そのうえ、web拍手まで頂きまして、大変感謝致しますわ。
おや、どうかしましたか?
なんだか、とても物欲しそうな表情をされていますわね。
そんな顔をされてしまうと、わたくし、ついつい――。
≪お仕置きされますか?≫
◆2ページ目◆
ベシィンッ!
――ハッ! やってしまいましたわ!
物欲しそうな顔をしていらっしゃったから、ついつい読者様を鞭打ってしまいました。
大変ですわ。どうしましょう。なんとか、誤魔化さないと!
キャピッ☆ごめんなさいですぅ。
ルイーゼ、ついついやっちゃったんですぅ~。悪気はなかったんですぅ~。
キャピッ☆キャピキャッピーン♪
≪お仕置きしてあげますか?≫
◆3ページ目◆
ベシベシィンッ!
今、あなた「こいつ気持ち悪い」って顔をしましたわね?
わたくしのブリッ子が通じないなど、ありえませんわ!
調教が必要のようですわね。
さあ、そこに跪きなさい。
≪お仕置きしてあげますか?≫
◆4ページ目◆
ベシィンッ! バシィンッ!
おーほっほっほっほっほっ!
やはり、お仕置きは楽しいですわ!
見る目がない残念な方を少し調教しているだけですわ。
健全な行為ですもの。
遠慮する必要、ありませんわよね?
≪お仕置きしてあげますか?≫
◆5ページ目◆
バッシーーーーィンッ!
なんですって?
わたくしが、ドS? なんのお話かしら。
わたくしは、普段から健全な行為しかしていなくてよ?
品行方正、深窓の令嬢ルイーゼ・ジャンヌ・ド・シャリエとは、わたくしのことでしてよ?
≪お仕置きしてあげますか?≫
◆6ページ目◆
ベシィーンッ!!
あら、そろそろ鞭にも飽きた頃合いですか?
では、良いことを致しましょう。
ふふふ、いいのですわ。
遠慮せず、大人しく縛られてくださいませ。
≪お仕置きしてあげますか?≫
◆7ページ目◆
シュルシュルッ
キュッキュ
出来ましたわ。
渾身の出来栄えですわね。
後ろ手縛り、いかがですか?
まだジャンにも試したことがなくてよ。
≪お仕置きしてあげますか?≫
◆8ページ目◆
あら、縛られただけでは足りないと仰るのかしら?
仕方がありませんわね。
これでよろしくて?
わたくしに顔を踏まれていることを誇るのですわね。
ふふふふふ!
≪お仕置きしてあげますか?≫
◆9ページ目◆
あなた、執事の素質がありますわね。
よろしくてよ。
これからもお仕置きして差し上げますから、いつでもいらっしゃいな。
たっぷりみっちり、存分に鞭の味を教えて差し上げますわ。
ほほほほほほほほほ!
≪お仕置きしてあげますか?≫
◆10ページ目◆
ふふ、今日は良いストレス発散になりましたわ。
またお相手して差し上げますわよ?
ここまで拍手頂きまして、ありがとうございました。
引き続き、「前世悪役だった令嬢が、引き籠りの調教を任されてしまいました」を
ご愛顧頂けますよう、何卒、よろしくお願いします。
■□おまけ1 『或る騎士達の日常』□■
50万PV&10万ユニ&3000pt達成念記の際に書いた小話です。
クロード・オーバンとエリック・ド・カゾーランの、余話にも本編にも入らなかった些細な日常2本です。
◆その1◆
(アンリ視点。その40の空中微塵切りのくだりを、夫婦でニヤニヤ眺めるの図)
※アンリ20歳、セシリア&クロード18歳、カゾーラン21歳。
国王アンリ三世が即位して三年。
フランセールの継承戦争は続き、自粛の空気が漂っている。しかし、建国祭のみは、この年も恙無く執り行われた。戦時中であっても、これだけは外してはならないと王妃の強い希望であった。
年に一度の無礼講。市民たちも楽しみにしている行事だ。このときばかりは、嫌なことを忘れてもいいだろう。
「ふふ、今年も楽しめそうですわね」
パレードの馬車に乗り込み、セシリアが笑う。隣に座った妻の顔を見て、アンリは表情を綻ばせた。彼女が嫁いで二年になるだろうか。月日の流れは早いと思った。
「しかし、あの者たちは……揃ったら揃ったで、どうして静かに出来ないのだろうな」
馬車の下で揉めているのは、≪双剣≫の地位にあるカゾーランとクロードだ。パレードで披露する芸の内容らしい。直前だと言うのに、慌ただしい。
カゾーランは生まれたばかりの自分の子を連れて騎乗したいと主張し、クロードは絶対に空中微塵切りは嫌だと主張している。
「俺は今朝、王都に帰って来たんだぞ。いきなり、食材切り刻めだと?」
「悪いな、クロードよ。もう料理長と話をつけてあるのだ。おぬしが帰ってくるのに合わせて、考えた特別メニューぞ」
「お前がやればよかろう」
「断る。このカゾーラン、我が子と騎乗して手を振ると妻に約束しておる。悔しかったら、おぬしも結婚せい」
「またその話か。リア充爆発しろ!」
「りあじゅー?」
りあじゅーがなにかは知らないが、爆発とは穏やかではない単語も飛んでいる。まだ斬り合いをはじめないだけ、いつもよりマシか。
セシリアを見ると、楽しそうに笑っていた。
「そろそろ黙らせるか」
「別によろしくてよ。二人とも楽しそうにジャレているではありませんか」
「あれは……ジャレておるのか?」
「ふふ、もう少し遊ばせておきましょう」
アンリの提案をサラリと退けて、セシリアは微笑する。まるで、悪ガキを見守る母親みたいだと思って、アンリも笑う。
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◆その2◆
(カゾーラン視点。クロード、チビユーグと戯れる)
※カゾーラン26歳、クロード23歳、ユーグ5歳。
好奇心旺盛な子供は、少し目を離すとすぐにチョロチョロ歩きだす。
ユーグの場合も例に漏れず、気がついたときには父であるカゾーランの視界から消えていた。
まだ五歳の息子の身を案じて、カゾーランは視界を巡らせる。
「ねぇ~。あそんで~!」
ふと、後方から元気の良い幼い声がする。見ると、自分とそっくりの赤毛を持った幼子の姿があった。カゾーランは、ホッと肩を撫でおろす。
「ユーグ、ここにおったのか」
声をかけると、ユーグがパッと振り返る。ぷくっと膨れた丸い頬を桃に染めて、とても楽しそうだ。カゾーランによく似た若草色の瞳には、キラキラと輝くような笑みが描かれている。
天使である。思わず、口元が緩んでしまった。
「腑抜けた女々しい顔だな、おい」
癒しの時間を邪魔するように投げられたのは、不機嫌な声。見ると、クロードが腕を組んで心底嫌そうな表情を浮かべていた。足元では、ユーグが「あそんで、あそんで~」と跳ね回っている。
「このチビは、もう五つだろう。人の顔を見て遊べ遊べと突然迫ってきて、何事だ? お前の家では、礼儀も教えてないのか」
「ユーグは、いつも人見知りして喋りもせぬ。余程、お前のことが好きなのだろうよ。名付け親」
「知るか。俺にショタの趣味はない!」
「しょた?」
そう言いながらも、クロードはブスッとした表情でユーグを抱えて自分の肩にヒョイと乗せている。なんだかんだ言って、満更でもないときの反応だ。巷では首狩り騎士と恐れられているが、カゾーランにとっては少し素直じゃない友人に過ぎない。
ユーグは嬉しそうにはしゃぎ、クロードの黒髪を珍しそうに摘まんでいた。あそこまで純粋な黒髪は、フランセールではあまり見ない。
「とにかく、お前は息子を甘やかしすぎだ。そのうち、後悔するぞ」
「大丈夫、ちゃんと鍛えておる」
「そういう問題ではなくてだな……」
「ねぇーねぇー。父上とオジチャン、どっちが強いの!?」
不毛な遣り取りをする二人の会話に、ユーグが割って入る。
その言葉を聞いて、カゾーランもクロードも瞬時に真顔に戻った。
「俺だ」
「このカゾーランである」
ほぼ同時に言い放ち、睨み合う。互いに、「はあ?」と唇の端を吊り上げた。
二人とも自然な動作で、自分の得物に手を伸ばす。クロードの肩から降りたユーグが、キラキラと目を輝かせている。
「はんッ、息子の前で負けるわけにはいかぬ! ユーグ、下がっておれ!」
「虚勢を張るな。お前が俺に勝てたことが、あるのか? あと、ユーグ。俺はお兄ちゃんだ」
カゾーランが長槍を構え、クロードが片刃の長剣を抜く。
少し離れたところで、ユーグが「かっこいいー! これが、父上の言う漢なの!?」と、興奮している。
結果はいつも通り、カゾーランの敗北。その後、邸宅の庭で息子を頭に乗せたまま、「やはり、筋肉が足りぬのかぁぁぁぁああ!」と叫びながら筋トレに励むカゾーランの姿が目撃されたのだった。
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■□おまけ2 『或る公爵家の日常』□■
50万PV&10万ユニ&3000pt達成念記の際に書いた小話です。
ルイーゼとジャンの、余話にも本編にも入らなかった些細な日常2本。
◆その1◆
(ただジャンを殴るだけ)
その日の午後も穏やかな時間が流れていた。
ルイーゼは優雅に紅茶を啜って、木漏れ日にひと心地つく。シャリエ公爵邸のバルコニーは、ルイーゼのお気に入りスポットである。この平穏を乱す者は誰一人いない。むしろ、許さない。
「お嬢さま、本日のケーキにございます」
優雅な時間を過ごしていると、ジャンが傍らに立つ。
「ありがとうございます。今日はどこのケーキかしら?」
「巷で流行りのパティスリーのメープルケーキでございます」
穏やかな日常に相応しい逸品だ。
美味しそうな粉砂糖を纏ったメープルケーキを前にして、ルイーゼは思わず頬を緩めた。フォークで切り分けて一口頬張ると、程よい甘みと、なんとも言えないふわふわの食感が心まで満たしていく。メープルの風味も非常にいい。
このケーキを作った話題のパティシエには、一度会ってみたいものだ。公爵家で召し抱えたい。今度、お父様に相談してみようかしら?
そんなことを考えていると、ジャンが物欲しそうにこちらを見ていた。
「なにかしら?」
何気なく問うと、ジャンが少し残念そうに視線を伏せた。
「いえ……お嬢さまが非常に満足そうなので、ジャンは寂しゅうございます」
「はあ……?」
主の満足が不服な従者があってなるものか。
相変わらず、ブレているのか、ブレていないのか、この執事はよくわからない。ルイーゼは溜息をつきながら、傍らに置いてあった鞭を手にする。
「仕方ありませんわね……いつもよく尽くしてくださるので、ご褒美ですわ。跪きなさいな」
そう言うなり、ジャンは拾われた犬のように興奮しながら片膝をつく。変態なのか、純粋なのか、よくわからない表情である。いや、普通にドMの変態だと思うが。
ベシィンッ! バシィンッ!
「よろしゅうございます! お嬢さま、ありがとうございます!」
容赦なく鞭打つと、ジャンは仰け反りながらも、嬉しそうに叫ぶ。
「はあ……はぁ! お嬢さま、もっとでございます!」
ジャンは蹴られることも厭わず、ルイーゼの靴に口づける。そのまま、ペロペロ舐めはじめる勢いだ。とてもドMっぽい行動ではあるが、靴をヨダレで汚されるのは気に食わない。
ルイーゼはすかさずジャンの頬を鞭で往復ビンタした。それでも向かってきたので、後頭部をグリグリ踏みつけて、顔面をガンッと叩きつけてやる。
「ジャンへのご褒美、大変満足でございますぅぅぅううう!!」
「はあ……まったく」
せっかくの、午後の優雅なひとときだったというのに。
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◆その2◆
(シャリエ公爵、参戦!)
若干崩されてしまったが、それでも、ルイーゼは概ね満足したひとときを過ごしていた。
紅茶が美味しい。ケーキも美味しい。
恍惚の表情で「よろしゅうございますぅ」と、足元に転がるジャンを爪先で蹴りながら、続きを堪能することにする。
気分が良い。やはり、貴族的な暮らしは、こうでなくては。
そういえば、七回も転生して、貴族に生まれたのは初めてだ。満喫しないという選択肢はない。悪人落ちなど、論外だ。
「ルイーゼちゃ~ん。わしの可愛い天使!」
どこからか、気持ちの悪い猫撫で声が聞こえる。嫌な予感がしつつも、ルイーゼは無視して紅茶を啜った。
だが、やがて、声の主が近くなる。
「ルイーゼ。どうして、わしを無視するのだ! 寂しいのう!」
またうるさいのが来ましたわ。ルイーゼはあからさまに不機嫌になり、声の主である父シャリエ公爵を睨んだ。
「お父様。わたくし、今とても寛いでいるのですわ。邪魔しないでくださいませ」
「良いではないかっ! ルイーゼと戯れたいのだ! わしも鞭打たれたり、寝技をかけられたり、眼潰しされたり、ルイーゼと戯れたい年頃なのだ!」
シャリエ公爵はドヤッと胸を張りながら、ルイーゼの隣に腰を下ろす。すると、連鎖反応なのか、ジャンも元気を取り戻して、「ジャンも大丈夫にございます!」と叫んだ。
ルイーゼは苦笑いしていたが、やがて、表情が徐々に消し飛んでいく。
なんだか、とても面倒くさい。ええ、とても面倒くさいですわ。
「良いではないか! さあ、ルイーゼ。わしとも遊ぶのだ!」
「よろしゅうございますよ、お嬢さま! このジャン、まだまだ殴って欲しゅうございます!」
「わたくしの午後のひとときを……なんだとお考えなのですか?」
流石にうるさくなり、ルイーゼは握り拳をプルプル震わせた。
午後のひとときを邪魔する輩、許すまじ。
数分後。
「よろしゅうございます! よろしゅうございますよ、お嬢さま!」
「これも、娘の愛か。ふはははは! 良いではないか! 良いぞ、ルイーゼ!」
優雅な午後のひととき。
バルコニーには、木漏れ日が柔らかく射し込んでいる。
庭の木に亀甲縛りと仰向け吊りにされた執事と父親を眺めながら、ルイーゼは、うっとりとケーキに舌鼓を打つのだった。
拍手ネタや「こんな小話も読みたい!」というご意見がありましたら、是非是非♪
次回更新の余話は、少年期のユーグ成長記(前後編)です!




