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流浪荘の管理人  作者: 中酸実
第二荘 流浪荘の住民
12/33

第一室 実感する別世界 前編

3日間の休みを頂き、ぼちぼち書いていこうと思います。毎度の事ですが感想を頂けますとモチベーションの向上に繋がります。

 携帯電話が使えないと言う事実が発覚してから翌日。朝、目が覚めてどうしようかと悩む。時刻は9時半、そう言えばスマホの充電もない、充電器は元の世界においてきたのだ。


 事態を打破しようと東屋(あずまや)さんに相談しようにも肝心の電話が通じないのだ。そしてGo〇gleマップで調べようにもインターネットがつながらない・・・これ詰みっぽくないか?

どうしようかと堂々巡りしているが妙案が浮かばない。仕方ないのでこんな朝早くに失礼だが大家さんに相談するしかない。


 すぐさま普段着に着替え、大家さんのいる101号室に向かう。急な階段を下りようとすると、階下で燈色のショートカットの女性が外出していった。誰なんだろう流浪荘の住人なのかな?

 そんなことを思いつつ101号室のチャイムを鳴らす。ごそごそと室内で物音が鳴り、そして玄関のドアが開いく。


「あれまぁ逆水(さかみず)さん、こんなぁ朝早くに何か用かぇ?」


 流石にこんな朝早くにけしかけて申し訳なさを覚えつつ要件を述べる。


「すみません大家さんこんな朝早くに・・・そのですね、携帯電話を買いたいのですが場所が分からなくて」

「わたしゃ、そんなハイカラなもん分からんなぁ。そうやねぇ、大櫻(おおざくら)さんに聞くとええやぁ」

「大櫻さん?」


 急に人物名を出されても困る。


「昨日、わしと一緒にいたぁ女性だよぉ」


 ああ、あの人か。そう言えば名前を聞いてなかったなぁ、大櫻さんて言うのか。


「そうなんですか・・・流石に朝っぱらから、しかも事前連絡なしで若い女性の部屋にノックするのは失礼じゃないですか?」

「何言うとるかねぇ、そんな事をぉなんで気にする必要があるのかねぇ。逆なら気にするけどねぇ」


 この世界だと、そんな認識の違いあるのか・・・


「そうなんですか、では行ってみます」

「あぁ、大櫻さんの部屋はぁ202号室やねぇ」

「ありがとうございます、あと朝早くにすみませんでした」

「良いって事よぉ」


 そう言って大家さんは玄関のドアを閉めた。

 さて、件の大櫻さんの部屋だがどうやら自室の隣の部屋だったようだ。とりあえず部屋に向かってみるか・・・


 202号室前だが、やはり女性の部屋のチャイムを鳴らすのは躊躇してしまう。しかし、だからと言って他の知らない部屋を押すわけにもいかないし、押さなければ事態が好転しない。

 南無三と玄関のチャイムを押す。ピンポーンと音が鳴り少し待つと扉があく。


「はいはい、どちら様ですか~」


 そう言って出てきた大櫻さんは、昨日のイメージとは大分かけ離れていた。昨日はピシッとした雰囲気をまとった女性だったが、今はだぼだぼの薄いピンク色の寝間着に寝癖で乱雑になった髪の毛という昨日とは180度かけ離れた出で立ちだった。

 ・・・流石にこんな朝早くに尋ねたのは間違っていたか。と自分の浅はかさを呪う。


「ええと、203号室の逆水ですけど・・・」

「ふぇ!?」


 こちらの顔を見るなり石のように硬直する大櫻さん・・・と次の瞬間。


「す、すみませんでしたぁ!!!ちょっと待ってくださいぃ!!!」


 そう言うなり彼女はバタンと玄関のドアを閉める。

 一瞬の事でこちらが呆然としていると、部屋の中からゴタゴタと言う物音が聞こえ焦っている様子が手に取るようにわかる。・・・ここまでくるとホントに申し訳ないと言う気持ちが出てくる。

 


 ~5分後~

 そろそろど〇兵衛が出来るころだなぁと思っていると玄関のドアが重々しく開く。


「ハァハァ、ま、待たせて。す、すまないさ」


 余程急いだのだろう、申し訳なさそうに扉から顔を出す。


「いえ大丈夫ですよ。この位、待つ内に入らないですよ」

「本当?怒ってないさ?」


 5分くらいなんて、会社の上司の理不尽な待ち時間と比べたら屁でもない。


「ええ、怒ってないですよ」

「よかったぁ」


 そう言って彼女はドアから出てくる。




 ・・・先ほどのだらしない姿を微塵も感じさせない、さっぱりとした容姿に思わず言葉を失う。

 寝癖だらけだった乱雑な黒髪は短めのサイドテールに纏められ、眠たそうな顔は薄めの化粧が映えるピシッとした顔に、そしてダボダボだった寝間着は薄いピンクのワンピースに変わった。

 変更点はこの三か所だけなのだが、たったそれだけで清潔美人に早変わりだ。

 あまりの変わりように言葉を失っていると彼女から声がかけられる。


「どうしたのさ?何か私の顔についてるのか?」


 その言葉でハッと我に返る。


「い、いや。何でもない」

「そう、ならいいけどさ。そう言えば何で訪ねて来たのさ?」


 そうだ、危うく本題を見失うところだった。


「ええと、スマホを買いたいのですが場所が分からなくて・・・」

「逆水さんスマホ持ってなかったのですか!?」

「え、ええ」


 流石にスマホが繋がらないと言ったら話がややこしくなりそうなので話を合わせる。


「ええと、ちょっと待ってね」

「はい」


 そう言って大櫻さんは部屋の中に引っ込む。


 2分後、出てきた大櫻さんの手にはA4の紙があった。


「待たせたさ、ほい地図」


 そうやって渡してきた紙を見るとプリントアウトした近辺の地図だ。


「ありがとうございます」


 お辞儀をして感謝の意を示す。どうやら、これでスマホを買いに行けるようだ。


「良いって事さ、困ったときはお互いさまさ」


 そう言って部屋の中に戻っていった。

 さて、やっと一歩前進したなって思いながら階段を下りていると。

 急に扉が開く音がして何事かと思い背後を向くと、鞄を持った大櫻さんがいた。


「やっぱ、心配だからついていくさ」


 どうやら彼女は心配性の様だ。

てなわけで第二荘始まりました!この荘では主に住人紹介がメインとなっています。

さてさて、今回の紹介する人は何度も物語に登場していたこの人です。



202号室 大櫻 証音 (オオザクラ アカネ)

年齢・26歳

職業・Tie・Ions会社員

趣味・アニメ、ゲーム(恋愛系)

好物・カップ麺、濃い味付けのもの

家族・母、妹

誕生日・1月30日


 この物語のメインヒロイン(笑)、鉄製品を主に扱う会社Tie・Ionsの社員でアニオタ。

高校の時にトラウマあり、男性不信になっている。最近、不健康がたたってか調子が悪い。

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