8話 元ダンジョン暮らしの少年と、団らん。
すでに応援いただいた方、本当にありがとうございます! 特に、高評価いただいた方、本当にありがとうございました! まさかローファンのランキングに入れるとは思わなかったので、うれしいです!
では、本日もよろしくお願いいたします!
「う、美っ味えぇ!?」
そのカレーを口に入れた瞬間、思わず俺は叫んでいた。
「うふふ。そんなによろこんでもらえたら、こっちまでうれしくなっちゃうわ。ユーリくん。いっぱいつくったから、たっぷりおかわりしてね」
「もぐっ、がふっ! あ、ああ! もぐっ、まぐっ! がふっ、がふっ!」
返事もそこそこに次々とスプーンを運び、口の、腹の中へとかき込む。
3年ものあいだ主食、魔素――無味乾燥な霞も同然のそれと、たまに焼いただけの肉、なんていう貧しさ極まる食生活を送っていた俺にとって、それはまさに天にも昇る幸せの味だった。
……いや、それだけじゃなくて。
もうだれもいない俺の家族以来のあたたかい手料理。それを俺は、辛さに少しだけ目に涙をにじませながら、一心不乱にかきこむ。
「い、イチカ! おかわり頼む!」
「は〜い。ちょっと待っててね」
そうして、早々に一杯めを食い終えてしまって、微笑みながらおかわりを用意するイチカをそわそわと待つ。
「ん……! 料理上手なイチカ姉さんのカレーは、もちろんいつも美味しいですけど、今日はまた一段と美味しいです……!」
となりに座る、俺の椅子になぜかほぼぴったりに椅子をくっつけたフタバが上品に口もとに運びながら感嘆の息をもらした。
「うふふ。フタバちゃんにもそう言ってもらえて、とってもうれしいわ。はい。ユーリくん。おかわりをどうぞ。ふふ。これもユーリくんがわたしに使っていいってくれた、ミノ……タウロス? のお肉のおかげかしら?」
「えっ!? ミノ……タウロスっ!? ゆゆ、ユーリくんっ!? い、いいんですかっ!? そんな高級な魔物肉をっ!? 美味しさはもちろん、お値段だってさ、最高級国産和牛の30倍くらいが相場だって、わたし、聞いたことがありますよっ!?」
「むぐむぐ……なに言ってんだ、フタバ? こんな美味いカレーをタダで食わせてもらってんだ。いいに決まってんだろ? なんなら、またとってきてイチカに料理してほしいくらいだ!」
「うふふ。なら、今度はステーキにしてみましょうか。特製の手づくりソースをた〜っぷりかけて」
「むぐむぐ……ホントか! 約束だからな! イチカ!」
「ええ。もちろん。はい。いま次のおかわりよそってあげるわね」
こうして、3年ぶり――いや、もうほとんど忘れてしまったくらいの昔以来のあたたかい、人間らしい食事を俺は心の底から堪能したのだった。……具体的には、10皿ほど。
「ふぁ〜! 食ったぁ〜!」
「うふふ。すごい食べっぷり。まさか、いっぱい炊いたごはんとつくったカレー、ぜんぶ食べきれちゃうなんて思わなかったわ。本当にカレーが好きなのね。ユーリくん」
「ふふ。姉さんのカレーは絶品ですから、しかたありません。ねー? ユーリくん」
広いリビングの中ゆったりとしたソファで、いまやあたりまえのようにうしろから俺を抱きかかえるフタバと、少しだけ離れて座るイチカといっしょにそんな食後の団らんの時間をまったりと過ごす。
「うふふ。こんなににぎやかなのはひさしぶり。そうだわ。冷凍庫にアイスがあるの。いま持ってくるわね。そうそう。ユーリくん。もう夜遅いから、遠慮しないで今日は泊まっていくといいわ」
……………え?
その瞬間、フタバは俺から手を離すと、やわらかなソファから降りた。そして、固いフローリングの床の上にぴしりと足をそろえて正座する。
「あの、イチカ姉さん。お話があります……!」
「あら? なにかしら? フタバちゃん。そんなふうにあらたまって。うふふ。まるで昔、隠してたいたずらがばれちゃって白状しちゃったときみたいよ?」
その瞬間、やさしげに細められていたイチカの目が見開かれた――決意を秘めた瞳で、まっすぐに見返すフタバに向かって。
ということで、主人公ユーリ少年とフタバ、イチカ姉妹の和気あいあいとした団らんでした!
今回もナチュラルにヤバいフタバが、次回は決意を見せます……! それに対するイチカお姉ちゃんの返答は、いかに!
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では、また次回「元ダンジョン暮らしの少年と、〝家族〟」にて。
がんばって日付過ぎたけど書き上げました! 6日中に更新します!
これからもよろしくお願いいたします!




