特集 ♥♥♥イケメン一般職♥♥♥
『特集 ♥♥♥イケメン一般職♥♥♥』
雇用機会均等法の再改正で、一般職男子が増えてきたっていうが、まだ世間では珍しいらしい。
僕は広報部に呼ばれて、雑誌社の取材を受けることになった。
どうせベタ記事だろうって高を括っていたけど、出来上がった雑誌はグラビアアイドルなみに僕を大写しに扱っている。
アイヤー、これじゃ学生時代の友人達にバレるのも時間の問題だな。
まあ、もう滅多に会わないし今更構わないか。
雑誌だけじゃない、次は社内報で社内の一般職男子を特集された。
今まで社内でも、どこか腫れ物扱いだった一般職男子だけど、まるで一躍スターになったみたいだ。
テレビにも出演した。ちょっとしたインタビュー程度だけど、気分は有名人だ。
最近は、退社時に女子中高生たちに待ち伏せされたりもする。
まあ、一過性のブームだろうけど、悪い気はしない。
僕だって、やっぱり一般職って、どこか後ろめたかったんだ。
これからは堂々と一般職ですって言える雰囲気になっていくかも。
もっとも、僕は来年には総合職になるつもりだけどね。もちろん出来れば、今年の試験で狙いたいけど、いきなり一年目では無理だろう。
お昼は、いつもどおり同期の一般職の大城麻里とお弁当を食べる。
「ミサちゃん、すごい人気だね」
今では、彼女まで僕事をミサちゃんって呼ぶようになってしまった。
まあ、もうどうでもいいんだけどね。
「でも、雑誌の女装は本物の女の子かと思った。ミサちゃんって、本当は女の子なんじゃない?」
もう、麻里ちゃんまでそんなことを言うなんて。恥ずかしくてたまらない。
雑誌社の中には、一般職男子達に女装をさせる企画があって、僕も女装させられたんだ。会社の許可を取ってあるとかで、僕も拒否できない状況だったんだ。
でも・・・確かに女装した僕ってかわいいかったかも、あの雑誌の一般職男子の中で多分一番、いや、同時に載ってたグラビアアイドルよりもずっと・・・・




