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ミサちゃん

2017.10.29

星野ほしの 龍子りゅうこの高校時代のあだ名を「りゅーちゃん」から「たっちゃん」に変更しました。

「そろそろ、天川あまかわ君もペア制に入ってもらう」

課長から呼ばれた僕はそんな指示を受けた。

僕の所属する営業5課は、課長、課長代理、主任の総合職3人と、綾乃先輩と僕の一般職の2人の小さい課だ。

課長代理と綾乃先輩のペアと、たっちゃん、いえ、星野主任と僕とでペアを組むことになった。

星野主任の契約管理やデータ入力は、僕が専門に行なうってことらしい。

ようやく、僕も一人前扱いされたってことだろう。

ちょっと誇らしくて嬉しい。


「ミサちゃん、これコピー」

「はい、主任」

僕は素直に応じる。

年下の女に、それも元後輩に命令されるのって、屈辱感が無いって言えば嘘になるけど、これから彼女は僕の直接の上司なんだ。

それに、こないだ酔いつぶれて大迷惑をかけたっていう負い目もある。

僕は、必死に自分を納得させる。


「ミサちゃん?」

綾乃先輩が、目聡く聞きつけた。

「あっ、御免なさい。天川さん、これコピーお願い」

星野主任はうまく誤魔化した。

あの日以来、彼女はプライベートでは僕をミサちゃんって呼ぶようになった。

うっかり、職場でもその呼び方をしてしまったのだろう。

実は、彼女と僕は時々プライベートでも会うようになった。

まだ、きちんとしたデートはしてないけど、彼女の仕事が終わるのを待って、居酒屋で飲む程度だけど。


「ミサちゃん、応接にお茶3つ」

次の日から、課の全員が僕のことをミサちゃんって呼ぶようになった。

もう、恥ずかしくて仕方ない。

彼女だけにそう呼んでもらうから嬉しかったのに・・・

     挿絵(By みてみん)


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