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噂の姫君  作者: まんが
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私って要る?



ご指摘頂いた所を直しました。

何時も見て頂いて有難う御座います(>_<)


ざわざわと王城の豪勢な庭で、これ、何十人いるの?私、要らなく無い?

と、凄く頭の中で思っていた。

会場には57人の美女貴族さんが集められており、とても可愛らしく豪華なドレスを身に纏っていた。

ねぇ、本当に私って要るわけ?

そんな思いは虚しく、誰1人としてレイアの思いに気付く人はいなかった。


ざわざわと煩い会場の壇上にある人…多分陛下…が現れ、場の空気が静まった。

私は陛下の方に目を向ける。私にとっての陛下の第一印象はなんて言うか…無表情な人だな。なんか、疲れてる?

だった。


「今日は我が妃を選ぶための側妃候補7人に絞ろうと思う。右の扉を1人ずつ通ってくれ、全部で3つの試験を用意している。」

それだけを言い残し陛下…らしき人…はさっさと消えた。


「では、1人ずつお通り下さい。」


この王城の執事みたいな人が大きな扉を示す。


「私から行かせてもらいますわ。」


最初に名乗りを上げたのは、確か…ルート公爵家の令嬢。つり目で赤いドレスが目に付く。

ルート公爵家の令嬢はズカズカと歩いていき、戻っては来なかった。

次々に1人ずつ通され、とうとう私の番になった。


「レイア・フルバスタ様ですね。どうぞ此方へ。」


執事みたいな人にお辞儀をして扉を開いて中に入る。

扉の中は一本の通路。

普通に通ればいいだけなのかなぁ?と首を傾げていると、真横から下っ端らしきメイドが説明してくれた。


「この通路を通ってくれれば宜しいです。行ってらっしゃいませ。」


綺麗なお辞儀をされて私もありがとう…とお辞儀をしていざ、この何の変哲もない通路を歩いて行く。


ん?全然、何も起きませんでしたよ?

最後まで通っても、メイドさんが待ち構えているだけで『明日、結果をお知らせいたします。お気をつけてお帰り下さいませ。』と、流れるように王城を出られた。

うん、凄かった。あの人は多分プロだ…。


あの場の流れで馬車に乗り、家に帰ると


「おーかーえーりー!!!!!!!」


両腕を広げて大声で言って此方に全速力で走ってくるアイザック兄様が私を大きな腕で体で抱きしめた。


「大丈夫だったか?その様子だと帽子は脱がずに済んだみたいだが…」


アイザック兄様が頬ずりしてくる。兄様…痛いです。今日、ちゃんと髭を剃りました?



レイアはうーと言う表情をするが嫌ではないので拒否はしない。

アイザック兄様は暖かい人…

私がそう思っているとアイザック兄様が横にどーんっという効果音をたてて飛んだ。


私は状況を読めずに呆然とし、頭に疑問符を浮かべる。


「レイア」


多分アイザック兄様を吹っ飛ばしたと思われるユリア姉様…だって両手がさっき吹っ飛んだアイザック兄様の方に向いているんですもの。

ユリア姉様はその自らアイザック兄様を吹っ飛ばしたか弱く細い腕で優しく私を包んでくれた。ユリア姉様…周りがドン引きしてますよ。可愛らしいお顔をしてその怪力を外で使うのはやめて下さい。

重たいアイザック兄様から煙が出ていて、周りの人達の顎が地面につきそうです。

あっ、アイザック兄様が起き上がりました。


「いたた…おい、ユリア何も吹っ飛ばすことはないだろ」

「アイザック兄様が早く退けてくれないからですわ」


ユリア姉様は私の肩に顎を乗っけてアイザック兄様に反論する。


「それで、王城はどうでしたの?」


ユリア姉様が私に向き直って聞いてくる。


「それが、歩いただけでした。」


改めて思い、行った意味なんてあるのか?と首を傾げる。


「まぁ、レイアが嫌な気持ちにならないだけ良かったよ。

さて、俺お腹空いちゃったよ」


アイザック兄様のお腹の音がなる。

その豪快な音に頬が緩む。


「では、何か作りましょうかね」


レイアの言った言葉にアイザック兄様とユリア姉様が子供みたいにはしゃぐ。


「待ってましたー!もうレイア、俺の嫁に来ないか?」


アイザック兄様のお茶らけた発言を軽く受け流して、今日のおやつを決める。


「シュークリームでも作りますか」


レイアは今日のおやつを決めて、純白のエプロンを身につけた。

後ろでアイザック兄様が良いお嫁さんになるなとか漏らしてるけど、何処にもお嫁に行く気はさらさら無かった。


「良い匂いが家の外まで香ってきたぞ」


レオン兄様が帰ってきた。


「レオン兄様、職務お疲れ様です。お帰りなさい」


シュークリームの生地をトースターから取り出し、帰ってきたレオン兄様に抱きつかれた。


「レイアは良い香りがしますね…」


レオン兄様が私の黒髪をさらりと撫でる。最近知ったがレオン兄様は髪を撫でるのが癖らしい。前世の世界で言う…髪フェチ?なんか目が怖いです。


シュークリームの生地にクリームを盛り付ける。


「完成ですよ~」


完成したシュークリームを机に置く。


「やっぱりレイアは凄いな!毎日、この時間が楽しみで仕方ない」

「褒めて頂きありがとう御座います。」


ニコッと笑顔をし、お辞儀をする。

今日はそんな穏やかな時間を楽しく過ごした。





夜…今日も屋敷のベランダから歌声が聴こえる。

綺麗な声色…儚く暖かい…



この謎の歌姫は一体…誰?



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