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合わない
レイアが驚きで足を止めていると、黒髪の男は苛立ちを隠せないように振り向いた。
「おい、何止まって…」
「日本」
言い切ったようなレイアの発言に男の切れ長の瞳が揺れる。
手枷に繋がれた鎖が強く引かれた気がした。
「同じか?同じなのか!」
何が同じなのかは分からないが、男の瞳とレイアはかち合うと2人同時に口を開く。
「転生者…?」
「召喚されたのか!?」
その後、沈黙があったのは言うまでもない。
男はレイアの手枷を外すと、暗い地面に腰を落とした。
仲間らしい黒づくめの人は止めようとしているがお構いなしのよう。
「ハヤト様!そのような場所に座られるなど…」
「勝手だろう」
一刀両断したのは黒髪の男、どうやらハヤトと言うらしい。
レイアも少し気にはなったが、座ることにした。ハヤトがぽんぽんと地面を叩いているからだ。




