不安と家族紹介
7/6
家族紹介を書き直しました。ご不便をおかけ致します。
『私』が生まれてから3年が経った。
この世界の言葉と文字が分からない私は猛烈に勉強をした。
前世でも勉強しかやる事が無かったので、2.3日ぶっ通しで勉強してたら、すぐにマスター出来た。
勉強をしている時に何か視線を感じると思ったら、お母様とお父様が扉から顔をのぞかせて見ていた。
いや、お父様…お母様がやるのは可愛らしく見えますけど、お父様がすると気持ち悪い方にいくのでやめてもらえませんかね…
*私の今世でのお母様はさらさらストレートの白髪にぱっちりとした緑の瞳が愛らしい方です。
今もさらりと長い白髪が床に付きそうですよ、お母様。
*お父様はふわっふわの赤髪に紫の瞳です。豪快な方ですけど、家族思いで優しいお父様です。
一つだけダメだと思うことは、そんな豪快な顔をしていて瞳をうるうるさせるのはやめていただきたい。
だけど、夫婦仲が良いのは何よりです。
「よし、次は地理ですかね」
私は執事さんに地図と歴史書を借りた。
執事さんって本当にいるんだなぁと思いました。執事さんのお名前はセバスティアンだそうです。
おしいっ!いや、実におしい!ちょっと期待してしまったではないですか!
どうやらこの世界は、5つの大きな大陸に分かれているみたいです。
北、東、南、西、中。
なんとも大雑把な分け方ですね…
それぞれの大陸には、伝統や文化もあるみたいです。
例えば北。北は雪国でとても寒い国みたいだ。鉱山が有名で金持ちの国らしい。
西の大陸は私が暮らしている大陸で自然豊かな大陸なんです。作物は育ち、あまり災害なども起きない。一年中暖かく、雨もちゃんと降る。
私はこの大陸で生まれて良かったと思う。
南の大陸は暑い国で砂漠があり、前世ならアラブみたいな感じの国みたいだ。
東の大陸は技術が発展していて前世の日本みたいな所らしい。
一度行ってみたい。
中の大陸はなんと魔法が発展している国らしい…お母様も中の国出身で風の魔法を得意としているらしい。見たことがないけど…
今世での地図と歴史書を見るのはとても楽しくていつか前世では出来なかったいろいろ所に行ってみたいと思った。目をキラキラと輝かせて…
5歳…私は屋敷から出る事を許される年になった。
最初はどんだけ過保護なんだろう…って親を見たけど、にへら~と笑みが返ってくるだけなのでほっといた。
テクテクと街を親と歩く。街は、煉瓦作りの建物が多くて何だか素敵さを醸し出している。
ほわぁ~と感心の瞳で街を見渡していると、ある貴婦人達の話し声が聞こえた。
「あんな色の髪、見た事あります?」
「ないですわ…」
決して嫌味を言われている訳では無いけど、私を見る視線が痛々しかった。
私は前世と同じ髪色だったので気にも止めなかったのだが、お姉様達やお兄様達も決して黒髪では無い。
勿論、お父様とお母様もだ。
いつしか私は外になるべく出ない様にしていた。
外に出る時は、必ずフードを被って出ているのだ。
誰にもこの髪色を見られない様に…
私は怖かったのかもしれない。周りの目が。
前世の時も生まれた時からずっと病室にいて、たまに学校に行けるが私を見る皆の目がどうしても嫌な風に捉えてしまっていて、学校に行くのも嫌になっていた。
また、同じ様になりたくない。私は必死だった。
唯一、家ではフードは被らない。
私を愛しく思ってくれている家族がいるからだ。
私は家の中では楽しく笑えた。
最近はこの世界の料理に興味を持ち、一通り出来る様にまでなった。
「レイア、今日はレイア特製デザートを作ってくれるんだろ?」
一番上のアイザック兄様がニコニコと言って来た。レイラ特製デザートとは、私が前世の時に見た料理本を見よう見まねで作ったデザートだ。
最初は違う世界だから口に合うかドキドキしていたけど、皆が美味しいと好評だったのでたまに作っている。
「楽しみね~」
一番上のライア姉様がアイザック兄様に続いて艶やかな笑みを見せて言う。
「今日はどんなデザートなんだ?」
アイザック兄様の双子の弟でレオン兄様が聞いてくる。
「今日は木苺を使って作った木苺パイです」
私が焼きたての木苺パイを見せると、お姉様達とお兄様達と両親の顔が綻ぶ。
「さすがレイア…天才ね。可愛いわぁ」
ライア姉様と双子の妹のユリア姉様が私を抱き寄せる。
ユリア姉様…大きい胸で私が潰れてしまいます。既に息が出来ません。
私のお姉様達はナイスグラマーな方々です。
*一番上のライア姉様は腰まである、ふわっふわの燃える様な赤髪に、澄んだ緑の綺麗でぱっちり猫目をしています。
ライア姉様に殆ど、この世界の言葉を教えて貰いました。とてつもなく分かりやすかったです。
思ったよりも早く言葉をマスター出来たのはライア姉様のお陰です。
*ライア姉様の双子の妹のユリア姉様は、サラッサラストレートの白髪に、ぱっちりとしている紫の瞳です。全身で何だか、ミステリアスな感じがします。
*一番上のアイザック兄様は赤髪の短髪で、とても気さくで頼りになって、紫の瞳がまた魅力的な方です。
なんとアイザック兄様は実力で、王城の騎士団団長を任されているのです。ほどよい筋肉がついていて、周りの女性が絶対にほっとく訳がありません。
*アイザック兄様の双子の弟のレオン兄様は白髪に澄んだ緑の瞳をしていて無表情が多い方ですがとても優しいお兄様です。
勉強面で人一倍すごい方で陛下の側近を任されています。いやはや、ビックなお兄様達です。
時折、どうしてお兄様達とお姉様達は違う髪色なのに、私だけ黒なんだろう…と思ってしまうことがあるけど、変な不安を押しつぶしてくれるくらい、私を家族皆が愛してくれるのが分かるので、18歳…やっと外で笑顔になれました。
ずっと、この家族と暮らして行けると思っていたのに、私を家族と引き剥がす一通の手紙が届いたのです…。




