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噂の姫君  作者: まんが
16/29

王城

お久しぶりです(*^^*)

サブタイトルをどうしようかと悩んだ結果…レイアの居るところが、王城なので、シンプルに王城にさせて頂きました。


鳥の囀りが聞こえる。

ここは…ーーーー!

「っっっ!」


ガバッと目が覚めた。

見慣れない部屋に天井。

そうだ…あのまま疲れてそのまま寝たんだった。

むくりと起き上がって、カーテンを開けると、陽が上がり始めていた。


「結構寝ちゃってたな…」


んーっと、背筋を伸ばして欠伸をする。

丁度その時、部屋のドアを叩く音が聞こえた。


「…?、はい。」


誰だろうかと返事をすると、失礼します。と言う声と共に入ってきたのは小さい赤毛の女の子。


「初めましてっ!お早いですねっ。私、レイア様の侍女で御座います!メイラですっ…きゃあーーー」

メイラと名乗る侍女が思いっきりレイアに向かってお辞儀をすると、テーブルに額をぶつけ、テーブルクロスを咄嗟に掴み、乗せてあった薔薇の入った花瓶がメイラの頭に掛かった。

無論、メイラは水浸しで床に倒れている。


「えっ?だ、大丈夫ですか?」


急ぎ足でメイラの方へ行き、持っていた手巾でメイラの濡れた髪と顔を拭く。


「怪我は無い?」

「は、はい…ありがとうございまっ、ぶぁっくっしょーいっ!!」

「鼻水鼻水、はい。ちーん」

「ぶーーーーーーーっ!」


ちーんっと可愛らしいものじゃ収まらない。途轍もない騒音が響いた。

例えるなら地響き?

愛らしい顔をしてえらい男勝りの様だ。


「申し訳ありませんっ、私、見ての通りドジでして…」


しゅーんと縮こまるメイラ。


「ううん、とっても可愛らしいわ」


レイアは何だか妹が出来たみたいで嬉しく思った。


「何時からこの王城に仕えているの?」

「は、はい。私が15の時からで御座いますっ!もう15年近く仕えておりますっ!」


何となく聞いた一言。


………………えーーーーっと…今の私の歳が18歳で、もうその時には王城に仕えて早、15年と言うメイラ、さん。


「えっ?、あの…失礼ながらお年は…」

「はいっ、今年で30となります!」


人は見かけによらない。レイアはそれを体験して学んだ。

こんなぱっちり目でふわふわな赤毛のメイラ、さんが30歳だなんて!

まだ12歳と言われた方が驚かなかった!


「あの、レイア様?」

「はっ!」


危ない、余りの奇怪な姿にトリップしてしまった。


「と、ところでメイラさんは、こんな朝早くにどうしてこの部屋へ?」

「メイラで宜しいです。はい、私はレイア様の挨拶に来ました。そろそろ起きられる頃ではないかと思いまして…まぁ、長年の勘…で御座いますけど。」

「そうなんですか。」

「ーーー良かったです。」

「え?」

「陛下が選んだ方が貴方の様な方で。」


歳を重ねた重みのある笑みを向けられた。


「陛下は顔も財力もあり、女性に困ったことなど一度たりとも無かったのですが、どうも、運命の相手に会えず、寄ってくる女性は陛下の外見と財力にしか目の無い女性ばかり…陛下の心をみようとしたことがなかったのです。私めまでに手巾を手渡してくれる優しさは本物だと感じました。だから陛下が初めて恋をした方が貴方で良かったです。どうか、陛下の心を見てください。」


真っ直ぐに言われた言葉は先程の元気な声色ではなく、落ち着いた心地の良い声色だった。

レイアはメイラの気持ちに応えるべく、陛下を思い返した。


「陛下は…民を思う気持ちが強くて、優しい方です。

実は、私も恋をしたことが有りません。陛下に対しての想いも、恋ではなく尊敬の意味を持っています。」


このお方はもう、陛下の心を見ておられるのか。メイラはホッと安堵の息を零した。


メイラはレイアの言葉が聞けて嬉しく思い、部屋を退出した。



*****



「もしも同じような御令嬢だったらあらゆる手段を使ってでも王城から追い出そうと思ったんだが…陛下の乳母をさせて頂き、小さい頃から陛下を見て来た私にでもたまにしか見せない素の陛下を知っている辺り、嬉しい事か…やれやれ、坊ちゃん。婆のお節介、許して下さいよ。」


ドジっ子の真似をしてレイアを騙していたことを…

メイラの本当の年齢は60歳だと知るのはそう遠くない話。

陛下の乳母はメイラ。今年60歳。外見はとても若く見える。

ドジっ子をしたのは素のレイアがどのような方なのかを見抜くため!

メイラがわざと転けた時に「まぁ、床が汚れてしまったじゃない。私は陛下の寵妃なのよ?いずれは妃になるのだから、何してるの!早く拭いて頂戴っ!」ってなったら、レイアはメイラによって陛下に嫌われる様に仕向けられ、王城を出て行くしかないようにしたでしょうね。

いや、レイアはここでその言葉を発していたらお家に帰れたのかもしれないのに…まぁ、素が優しいレイアだからこそ仕方ない運命なのですがね。

本当の侍女はまだ起きてません。

今回はメイラのちょっとした陛下へのお節介でした。

我が子のように見てきた陛下もとい坊ちゃんには幸せになってもらいたいメイラの想いです。分かりづらかったかもしれません…

メイラから聞かされた、陛下の恋経験。

まぁ、レイアは深く思ってないのですが…


すみません、長くなりました。

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