48:師弟丼だよクロウくん!
はじめて小説書きました
――悪そうなヤツらをやっつけた後のこと。
俺は、謎の白髪ロリの正体に腰を抜かすことになった……!
「はじめまして、クロウさん。わたくしはエルディア・フォン・レムリア。この国を治める帝王の、母でございます」
「えっ(何言ってんのこの幼女!?)」
おいおいお嬢ちゃん、ジョークがすぎるぜ……。
やれやれという顔でアイリスさんのほうを見ると、彼女は真剣な顔つきで首を横に振った。
……え、もしかして冗談じゃなくて……!?
「信じられないのも無理はないでしょうが、恥ずかしながら事実でして……」
そう言って幼女さんは左手を突き出してきた。
その薬指には、国家の紋章が刻まれた指輪が嵌められていて……!
「というわけで、先王の妻のエルディアでございます」
「そうだったのですか……(ひえ~~~~~~~~~~~!?)」
がががッ、ガチ王族様やんけ~~~~~!!!
王族の中でもトップオブトップにガチな人やんけ~~~~~~!!!
俺、戦闘中にタメ口使っちゃった気がするんですけど!?
「帝王の御母堂……王太后殿下とは知らず、とんだご無礼を……」
「かしこまらないでくださいな。私のことはどうか、エルディアとお呼びください」
「えっ、ではエルディア様……?」
「いえ呼び捨てで結構です。あと敬語はいりませんからね?」
って敬語はいるだろッ!?
え、何この人!? 俺、ハメられてるの!?
言うことを聞かずに敬語=反逆罪。
敬語を使わずタメ口=不敬罪。
って感じでどっちにしろ詰みじゃねーかッ!?
俺、復活してから一秒で荒くれ者どもに襲われて、五分後には謎の罠にかけられてるんですけど!
「――こらこら、エルディア師匠。クロウくんが困ってるでしょう」
と、そこで。
俺の天使であるアイリスさんが彼女のことを諫めてくれた!
師匠と呼んでいることから、アイリスさんはエルディア様の弟子だったらしい。美人師弟っすね~。
「すまないな、クロウくん。師匠は王族だというのに、少々お転婆すぎるところがあってなぁ。悪く思わないでくれ……」
「いや、気にしてないさアイリス。お堅いよりもフランクなほうが、俺的にもありがたいからな」
そう話していると、エルディア様が「あらあらあらあら?」とニヤニヤしながら割り込んできた。
え、なんすか!?
「クロウさんってば、アイリスのことを呼び捨てにしてるのですねぇ。しかもタメ口で!」
「え、あぁ、本人からそうするよう言われたので(そういえばこの人と一緒だな……)」
「あらー--ッ、アイリスってばアプローチの仕方がわたくしと似ちゃってぇッ! つまりそういうことなのね!」
え、アプローチ? なんの??? そういうことってなんスかなんスか???
訳が分からず首を捻る俺をよそに、アイリスさんの横乳をパシパシ叩くエルディア様。
それにアイリスさんは怒るでもなく、顔を真っ赤にしながら「そ、そういうことです……!」とゴニョゴニョ呟いていた。
なんかよくわからんが、師弟仲はだいぶイイらしい。
「あら、放置してしまってごめんなさいね、クロウさん。……でもアイリスに対してラフに接するなら、わたくしも同じ扱いでいいでしょう? ねぇ?」
「いえ、流石に王族相手には……!」
「大丈夫よクロウさん。――先代の王とは、半ば強制的な政略結婚だったから。赤ちゃんも二人育てておっぱいもあげた身ですけど、心はまだまだ乙女のままですから……ッ!」
って何の話してんのこの人ぉー----ッ!?
「これは本気の証です」
そう言ってなぜか薬指の指輪を渡してくるエルディアさん。
い、いらねー……!
え、なにこれ、王族ジョークってやつ? 超絶庶民なクロウくんはもうついていけないんですけど……?
「――師匠、そろそろ真面目な話をしましょう」
そこで、アイリスさんが咳ばらいをしながらエルディアさんを抱っこして脇にどけた(飼い猫みたいな扱いだな)。
「わたくしは真面目なんですけど?」
「黙れロリババア。……さてクロウくん、軽く現状から説明しようか」
凛と語り出すアイリスさん。彼女は俺が眠っている間のことを話してくれた。
まず、俺は一週間も眠り続けていたらしい。
しかも多臓器不全で死亡寸前だったとか。ムラマサの言うとおりだったんだな。
そして、俺を庇ってくれたティアナさんは無事だそうだ。
彼女も酷い怪我を負っていたが、王族のみが所有する効果の高い回復薬『エリクサー』を振る舞われ、致命的な傷は無事完治。その後はお母さんに引き取られていったらしい。
なお俺にも『エリクサー』は振る舞われたが、それでも一週間生かすのが精一杯だったみたいだ。
曰く内臓と骨全部に損傷があったとか。どんだけボコボコにされたねん俺。
それから――。
「例の黒龍……『天滅のニーズホッグ』を倒したことで、クロウくんは直々に帝王から表彰される予定だ。だがしかし、キミも勘付いてるんじゃないか?」
アイリスさんの指摘に、俺は頷いた。
そう――そもそも新人な俺が、一人でドラゴン討伐に出向くはめになったことも。
ドラゴンを倒した後、謎の仮面集団に襲われたことも。
そして、魔導兵装を持ったゴロツキどもが押し寄せたことも……すべて。
「帝王ジルソニア。ヤツこそ、キミを殺そうとした元凶だ……!」
エルディア「あの子、未来のパパになんてことを……!」
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