16:異変の幕開け
始めてバトル回を書きます!
(――ど、どうしてこうなったぁあああああー------!?)
アイリスさんを宿に届けた後のこと。
俺はなぜか、街中の屋根の上を疾走していた――!
建物から建物へと飛び移り、どこかに向かって突き進んでいく。
ぶっちゃけ超こええ! 落ちたらやばいっての!
(おいムラマサっ、俺をどうしようってんだよー!?)
もちろん俺の意思ではない。腰に差した馬鹿ソード、ムラマサのせいだ。
ついさっきまではグースカ寝てたのに、いきなり目を覚まして身体を奪ってきやがったのだ。
ねぇマジで何やってくれてんのー!?
「うわっ、なんだアイツ!? 黒髪の兄ちゃんがスゲー勢いで屋根の上駆けてっぞ!」
「おーい何やってんだよアンタ! 見世物かー!?」
「あっ、あの人はッ、もう一生の恋に堕ちるしかないシチュエーションを全力でブチ込んだ伝説の!?」
当然ながら注目が集まる。
セイラムの街を行き交う人々に見上げられ、もう恥ずかしくて堪らなかった。
俺は根暗コミュ障で目立つの苦手なんだっての! 頼むから俺の身体で変な真似はしないでくれよぉ……!
「てかムラマサ、お前どこに向かってるんだよ? この方角って、内地のほうへの出入り口じゃ……」
俺が入ってきたほうとは逆。帝都に向かうためにくぐる必要のあるほうだ。
おいおい、そっちに何の用があるんだよ? 腹が減って魔物の魂が喰いたくなったら、外地のほうに向かうべきだろ。
今向かっているのは『安全圏』って呼ばれてるほうで、魔物はほとんどいないとされているのに……。
――魂 極上 発見――!
「えっ」
とそこで。ムラマサが歓喜の叫びを張り上げると、俺の身体をさらに加速させた。
超高速で建物の上を駆け、何メートルもの幅を全力ジャンプし、時には知らない人の部屋の窓へと突っ込みながら、最短最速で内地側に向かっていく――!
もう足は痛いわめちゃくちゃ怖いわ部屋の人に叫ばれるわで最悪だ。
あ~もうっ、こんなの絶対に後で問題になるって~~~!
――魂――!
そして、次の足場となる建物は――、
(ってないじゃねーかよ!?)
気付けば俺は建物群を抜け、内地側の門前にある噴水広場まで来ていた。
そこに向かって跳躍する俺。次の瞬間、おぞましい浮遊感が身を包む。
(おぎゃあああああ落ちるぅー-----っ!)
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬマジで死ぬ!
ミノタウロスを倒した時もかなりの高さから着地させられたが、今回はそれより高いぞ!? 下は石畳だぞ!?
(あぁ、今度こそ死ぬッ! クソバカソードに殺されるッ!)
そう思った刹那、魂を通して語りかけてきた。
泣きそうになりながら落下していく俺に、珍しく長めの言葉で……、
――我 姿勢制御 努力。故 結果予想、骨折程度――!
……って、骨折程度ってなんじゃオラァァアアーーーーーッ!?
十分大怪我じゃねえかよォオオーーーッ!
「ふざけるなァーーーーーーーーッ!」
俺の身体をなんだと思ってやがるんだテメェッ!?
そんな怒りが爆発し、思わず叫んでしまった時だ。
ほぼそれと同時に、腕が勝手にムラマサをかかげ――斬ッ!
「ぐがぁあああああぁああー--っ!?」
……気付けば俺は、足元にいた黒づくめの人を真っ二つにしてしまっていたのだった……!
(あっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁぁああああああぁぁヤっちゃったぁぁああー---!?)
知らない人斬っちゃったぁー---っ!?
着地より先にこの人に入刀したことで、足首へのダメージは骨折レベルから捻挫レベル(それでもイテェ!)に軽減されたけど、いやいやいやいや大問題だよコレ!?
「な、なんだ貴様は!?」
「よくも同志をッ!」
「許さねぇッ!」
殺しちゃった人の仲間なのか、同じ恰好をした人たちが怒ってくる。
何十人もの黒い軍服を着た人たちだ。騎士団の服とは違うようだけど……あっ、もしかして別の国の軍隊の人たち!?
帝都のほうから来たってことは、なんか会合の帰りだったり!?
そんな人たちを襲っちゃったとなると……うぎゃー! 国際問題だぁあああー-----!
クロウくんガチ犯罪者だぁぁぁああっ!?
(もうッ、バカバカバカバカ! ムラマサの馬鹿ーっ! お前のせいで俺の人生滅茶苦茶だよッ! アホォーーーーー!)
どうしてこんなヤツに呪われてしまったのか。
鬼畜ソードへの怒りが湧き上がって止まらない。眼光が鋭くなり、獣のような荒い息遣いになっていく。
そして、正眼に構えられたムラマサのことを睨むと、正面に立っていた黒服さんたちが「うっ!?」と怯んだ。
って、アナタたちのことを睨んだわけじゃないですよ!? このアホの子に怒っただけですよ!?
(うぅ、俺ってば失礼な真似を……って、んん?)
そこで俺は気付いた。
黒服集団の中心。その足元に、血まみれの誰かが転がっていることに。
あの銀髪は……もしかして!?
「うぅ、クロウ……さん……!」
って、ヴィータちゃんじゃねーか! なんでそんなことに!?
えっえっ、よく見れば黒服の集団、あんな状態の子を踏みつけにしてるし。
え――もしやこいつらって……。
「っ、気を付けてくださいクロウさんッ! こいつらは、危険な黒魔導士集団です!」
(あ~やっぱりそういうことね……!)
なるほど、全てを理解した。
となると後は簡単だ。俺は『最初に斬ったヤツは悪人だとわかってて斬りましたよ。ムラマサに向けていた怒りの感情も最初からお前らに向けてましたよ』って雰囲気を出して……、
「――幼き者を嬲り、平和を乱さんとする外道共よ。貴様らの罪、この俺が断罪しようッ!」
最高にカッコいい表情で、カッコいいセリフを出したのだった――!
「あッ、ぁああぁぁぁぁぁッ、クロウさんっ、クロウさんッ……!♡」
瞳を輝かせるヴィータちゃん。ピンチから救われたことがよほど嬉しいようだ。
ふむふむ。この様子なら俺が操られていることに気付いてないようだな。こっちは問題なしっと、ヨシッ!
というわけで。
――負 悪 魂 美味 喰ッ! 喰ッ! 喰ッ!――
(おーまかせたぞムラマサ、好きなだけ食っちまえ。こっちはダラっとするからさ~)
俺は表情筋以外の力を抜くと、ムラマサに全てを委ねたのだった。
・ヴィータちゃん救出場面を見ていた一般人「もッ、もしもあの子が歪んだ教育を受けてきて、特定個人に対して『依存性』とも言えるような愛憎を向ける病癖を持っていた上で思春期真っ盛りの頃にあんな『理想の騎士』然とした救出シチュエーション食らったら、完全に脳がイカれちまうよォ!!!」
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