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八話

「嘘でしょ…」


彼女は一人嘆いた。


すぐに席を立ち会計を済ませた。


彼らの向かった方向に足速に歩いた。


「見つけた。」


先程見かけた似た男性は、

やはり同期の彼だった。

楽しそうに会話をしながら

手を繋ぎ歩いていた。


「どうして…」


彼女は言葉も出なかった。


そのまま跡を追って歩いていると、

ラブホテル街に入って行き

そのまま堂々と彼らは

ラブホテル入っていった。


ショックだった。


何も考えられなかった。


「あれだけわたしを

好きだと言っていたのに…」


その時元彼を思い出した。


「わたしがした事は

こんなに酷く、

残酷な事だったんだ」


本当の意味で

元彼の気持ちがわかった。


今更わかっても遅かった。


「許して貰えるがわけない…

やり直せるわけがない…」


こんな気持ちになっても

最後まで優しかった元彼に

感謝しかなかった。


「わたしには耐えられない。

本当にごめんなさい…」


涙が流れた。



そのままアパートに戻り上司に


「退職したいです。」


と連絡を入れた。


上司も戸惑い困っていたが


「精神的限界なんです。」


と伝えると、

しばらく会社を休んで

考えるよう言われた。


簡単な荷物を纏めて

そのまま実家に帰った。


同期の彼の連絡先をブロックして、

何も伝えずにアパートをあとにした。


実家の両親も突然のことで

わけがわからなかったが、

娘の憔悴した姿を見て、

何も聞かずに受け入れてくれた。



それからしばらくして、

会社には正式な退職届けを提出し、

受理された。


引き篭もりながら

元彼を思い出す日々を送った。


「本当に因果応報だな…」


一人で呟いていた。



両親は日が経つにつれて、

やつれていく娘を見てどうにかしないと

と思っていた


元彼との話は良く聞いていたので、

別れたと聞いて

残念に思っていたのだ。

その後、

娘の様子がずっと

おかしかったのを覚えている。

仕事ばかりに打ち込んでいた

娘が数ヶ月立ち、

彼氏が出来たと連絡が来た時は、

良かった思ったが

今の現状を見ると

上手くいかなかった事がわかる。


なんとか元彼と連絡を取り、

会いに来てくれる事になった。

彼も今は、

仕事なども忙しく

1時間程予定を空けてくれる事になり、

彼女の実家で会うことに決まった。



その日も彼女は引き篭もり

何もせず過ごしていた。


その時、インターフォンが鳴った。


「こんな時間に来客?」


と思い耳を澄ませて聴いた。


両親の声がしその後、

忘れもしない元彼の声が聞こえた。


急いで部屋を出て玄関に向かった。


そこに立っていたのは…

紛れもなく元彼だった。


別れてからは一度も会っていないし、

見かけてもいなかった。


別れた時よりも髪型も清潔感があり、

背筋がピンと伸びて、

着ているスーツがとても似合う

ビジネスイケメンになっていた。

心なしか筋肉もつき

ガッチリしたようにも見えた。


元々かっこよかったが

更にカッコ良い男性になっていた。






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― 新着の感想 ―
[気になる点] もう想いないなら、わざわざ元彼女の実家にまで来ることないと思うが元カレさん。 [一言] 自分でそれこそ将来考えてた彼いたのに、セフレとしてた癖に、何を今更の後悔。
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