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俺のクラスメイトが全員一般人じゃなかった件  作者: 龍華ぷろじぇくと
第七話 勇者は嫌でも復活する
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完璧超人と不幸な? 私

 突然、私は謎の光に包まれ、気が付くと見知らぬ場所に立っていた。

 隣には、見事なプロポーションをもつ金髪の女生徒。

 下田完全さんだ。

 殆ど、というか全く話したことがない人なので、どういった人かは全く知らない。

 こんな他人同然な人と二人だけで、見知らぬ……村?


 私達の目の前には、木造の簡素な長屋住宅が軒を連ねていた。

 村の入り口に突っ立つ形で私たちは大通りに視線を向けている。

 大通りでは牛に荷台を引かせたお爺さんが麦わら帽被ってのっそり歩いているくらいだ。

 他の人は見当たらない。

 驚くべきはそのお爺さん。髪が真っ赤。


「どこ……?」


 まさか、また異世界とかいう気じゃないよね? よね?


「綾嶺、一先ず近くのクラスメイトと合流しよう」


「ち、近くのクラスメイト?」


 い、いやいや、下田さん、私全く理解してないんですけど。

 というか、ここってどこで、私何のためにここに来たの?


『はいはーい。おまたせちゃーん』


 混乱している私に、さらなる混乱要因が現れた。

 どこからともなく声が聞こえたのだ。


「ん? ああ、桃栗か。どうしたの?」


『さすがにサポートなしじゃアルテマっちでも無双できないっしょ。とりあえず、ステータス展開表示で自分たちのステータス確認してくれい』


「ステータス展開表示ね。綾嶺。ほら言うわよ」


 え? 私も!?

 戸惑いながらも私は下田さんと同時に言葉を紡ぐ。


「「ステータス展開表示」」


 NAME:綾嶺麁羅 【♀】

 RACE:人間 【17】

 CLASS:学生 【Lv11】

 DEGREE:観測されし者 【Lv17】

 HP 3300/3300

 MP 3500/3500

 TP 3200/3200

 AT  392

 DF  244

 MA  383

 MD  307

 SPD 250

 LC  1000

 特技:

     ツッコミ:0

 魔法:

     リザレクト:500

 PASSIVE:

     超幸運

     ■■使の加護

     ステータス強制表示

     料理上手

     状態異常耐性

     直感

 情報:異世界から召喚されし者


 なんか出た!?

 え? これって、オンラインゲームとかでよくあるステータス?

 私の能力値だったりするの!? どゆこと!?


 驚く私の横で、下田さんがふむ。と感心した声を出す。

 そして私にステータスを見せてきた。

 どうやら互いの能力を見せ合うらしい。


 NAME:下田完全 【♀】

 RACE:人間 【17】

 CLASS:暗殺拳継承者 【Lv99】

 DEGREE:超越者 【Lv99】

 HP 22800/22800

 MP 7200/7200

 TP 28000/28000

 AT  9999

 DF  8000

 MA  4300

 MD  3700

 SPD 800

 LC  650

 特技:

     古武術:0

     合気道:0

     中国拳法:0

     拳闘術:0

     カポエラ:0

     システマ:0

     総合格闘術:0

     咆哮:10

     縮地:150

     月下暗殺拳:1000

 魔法:なし

 PASSIVE:

     レベル限界突破

     一撃必殺

     気配過敏

     筋力系成長・特大

     拳術補正・大

     暗殺

     魅了の魔眼

 情報:異世界から召喚されし者


 あ、あれ? 気のせいかな?

 私の能力値が霞んで見える気がする。

 何このバグキャラ?

 攻撃力9999って……


『おっほぉ。さっすがアルテマっち。伊達に世紀末覇者ってないっすわ』


「バカなことをいうな。幾ら私でも秘孔一突きで人体爆破はできないぞ。……じゃない、できないわ。出来て全身麻痺程度よ」


 全身麻痺でも十分暗殺拳だよ。お前はもう……とか言ってそうだよっ。

 この人前々からタダモノじゃない感じはしてたけど、ほんと、危険人物だ。

 まぁ、持久走で新記録叩きだすような超高校級だからヤバい雰囲気はでてたのよね。だから出来るだけ関わらないようにはしてきたはずなのに……私って超不幸。

 なんで幸運なんてスキルが入ってるのか全くわからない。


『確認済んだかにゃ。それじゃあこれからどう行動するか説明す……』


『なんじゃ、またやっておるのか桃栗。妾も混ぜい』


『あ、ちょ。またぁ!? やめて葛之葉っち。今大事なとこだからぁっ』


『よいではないかよいではないか』


 えーっと。どうしたらいいんだろう?

 助けを求めるように下田さんを見ると、ダーツみたいなモノを手渡してきた。

 無言で手渡されても反応に困る。どうしろと?


『あーもうっ。とにかく、麁羅っちはそのダーツを魔王に突き刺すことが仕事だからっ。そこから西に向えば勇者パーティーと合流できるから村で落ちついたら向って。そっちの世界のお金ないから食事も泊まりも行えないからにゃっ。以上、また明日っ』


 小出さんが余程うっとうしいのか、こっちへの説明を簡潔に済ませて干渉を終えてしまった。

 取り残された私と下田さんは互いに顔を見合い、ため息を吐いた。


「とりあえず、西を目指すか」


「そうですね。あ、でも、できれば食事がしたいです。お腹減ってきたというか……」


「まだ昼にもなってないだろう……ある意味大物だな」


 まずはお金を稼ぐことが必要だろう。

 ということで、お金の稼ぎ方を村の人に聞くことにした。

 下田さんが丁度家から出てきた若い男の人を呼びとめる。


「すまない、ちょっと聞きたいんだが……」


 と、背後から肩を掴んだ瞬間だった。


 ――アルテマの攻撃! ズンダモチに9999のダメージ! ズンダモチを倒した!――


 突然、男の人が意識を失い倒れる。

 さすがに慌てた下田さんが男をお姫様だっこで抱え上げると、目の前にダイアログボックス。

 アイテムを入手しますか? とか現れた。

 ……何コレ?


 と、とりあえず、いいえ?

 私がいいえを下田さんの後ろから選択すると、再びダイアログボックス。内容は同じくアイテムを入手しますか? である。

 なんなのこれ?


 戸惑っていると周囲からわらわらと住人が現れる。

 意識のない男を指さし口々に何かをわめいている。

 気のせいかもしれないけど、恐怖に慄いた表情で人殺しとか鬼畜とか聞こえている気がする。

 きっと気のせいだ。うん、私、何も聞こえない。


 ――PASSIVEスキル:魔王の卵を獲得しました!――


 下田さんが何かのスキルを手に入れたようだ。

 ゴロからしてあまりいいスキルとは思えない。

 何かがマズい気がして私は何かできないかと自分のステータスを探す。


  ツッコミ:

   ボケ役に必須の相方能力。漫才師に重宝されるスキル。


 無駄な能力だ。こんなもの今は必要無い。というか一生必要無いっ。


  超幸運:

   絶対的な運に見染められた状態。やる事なす事良い方向へと転がっていく。


  ■■使の加護:

   ■■使による加護がある。幸運値・その他に補正がかかる。


  ステータス強制表示:

   相手のステータスを強制的に表示させる。


  料理上手:

   料理をどれほど適当に作っても美味しく出来上がる。


  状態異常耐性:

   状態異常にかかりにくくなる。


  直感:

   第六感が鋭くなる。危険察知の上位能力。虫の知らせを知る事が出来る。


 パッシブスキルも打開できそうなものはない。

 ええい、私幸運なんでしょ。何かないのか!


  リザレクト:

   死亡状態の対象を蘇生させる魔法。蘇生した対象は体力全快で復活する。


 これだ!

 魔法の欄の説明を見て、私は思わずガッツポーズ。

 さっそく魔法を使った。


「リザレクト!」


 とたん、男の人が光に包まれる。

 そして、すぐに眼を開いた。

 するとダイアログボックスが自動的に閉じ、私の中にあった危険警報も解除された。

 ふぅ、なんか疲れた……

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