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そして会議は中断される

「これは……バグ?」


「他の人のを見た限りは、そう言うしかないでしょうね。最初見た時は驚いたわ」


 ネリウが自分のステータスを見ながらしみじみと言う。

 なんでこいつは他人事なんだろう?

 普通は気になるだろう、自分のステータスだけバグってるんだし。

 でも、ちょっと安心した。

 仲間が居るのはいいことだ。


 唸っている増渕。どうやら理由は分からないようだ。

 せっかくなので俺もステータスを表示させて皆に見せる。


 NAME:武糖薬Å 【♂】

 RACE:人問 【E7】

 CLASS:改象忍間 【Lv40】

 DEGREE:△獄○細胞 【Lv30】

 HP ヱ600/ヱ600

 MP モ000/モ000

 TP エロ00/エロ00

 AT  Fじ子

 DF  たも3

 MA  Moe

 MD  ▼8ま

 SPD きはち

 LC  ☆の0

 特技:

     変身:(^o^)丿

 魔法:

     おTK好□:ヤらNいk?

     モラル9:へけ

     ○なおj3:えきしっ

     おpぁy:OTL

 PASSIVE:

     (V)o¥o()

     えmいry

     いろめがネ

     O2斬

 情報:異脊貝gAら召会されsもO


「お前もか……」


 俺のステータスを見た増渕が頭を抱えた。

 一人だけならただのバグだと思えるが、俺とネリウの二人というのがなんか理由がありそうだ。


「あら、私だけじゃなかったのね。薬藻……じゃなくて薬Å? ぷふっ人問だってっ」


 ネリウが指摘しながら笑いだす。すると伊吹も飲もうとしていた湯呑みを振わせる。どうやら笑いを堪らえているようだ。

 伊藤のヤツも失笑である。失礼な奴だ。どこが面白いんだか。


「O2斬というのはなんだ? 空気斬りか? スキルではなくパッシブに入るのか」


 聖が素で聞いて来た。いや、これ全部バグってるから。そんな訳のわからん斬撃使えないから。ちょっと期待した目を向けないで。


「ふむ。二人に何か共通点はないか? もしあるならそのせいの可能性があるのだが」


「ネリウとの共通点ねぇ……なんかあったっけ?」


 俺の質問に、ネリウはニヤリと右手の甲を見せる。その指先には七色に光るレインボータートル。

 ネリウ曰く婚約指輪らしい。

 俺はそういうの聞かされてなかったから契約は無効だと思うんだ。


「婚約者。なんてのはどうかしら?」


 そんなの共通点でも何でもないし、第一、こいつらに見せつける意味が分からん。


「婚約……待て、確か山田は別世界の住人ではなかったか?」


「ええ。それが何か?」


「それで、つい先ほどまで武藤もその世界の理で生活していたのだったな」


「ああ。そうなるな」


 もしかしたら。と増渕が俺達を見回す。

 全員の注目を集めると、やや戸惑いながら、持論の展開を始めた。


「可能性の域をでないのだが、山田のいた異世界の理がこの世界の理と交わり切れなかったのかもしれない」


 ……ごめん、意味が分からない。


「例えばだ、山田の世界でも魔法は存在するだろう?」


「ええ。私の使っているのは水魔法で初期魔法はウォル・フェよ」


「こっちはミュ・ズがそれに当る。だが、そちらの世界の理で生きる山田の魔法などをこちらに変換することが出来ないのだと思う。分かりやすく言えばだ、最新機種のパソコンで作ったステータスを旧機種のパソコンで表示しようとするようなものだと思う。実際にどっちが高度かとかは関係なく、互換性の問題だろう。つまり、持っていた魔法や能力が使えない可能性がある」


 あれ? ってことは俺も変身が出来なくなっているとか?


「運が良ければしばらくすれば正しく表示されるかもしれない。その辺りはこの世界を管理する者の役目だろう。とにかく、今は二人は死なないようにしていてくれ」


 ステータスがわからないので下手に戦闘に参加するなということらしい。

 たとえば、雑魚と言われるスライムなどの攻撃を喰らって死亡とかいう可能性だって捨てきれないのだ。回復薬使ったらダメージなんて笑い話にもならない。さすがにそこまで酷くはないだろうけど。


 とにかく、直るまでは大人しくしてよう。

 直るかどうかはわからないが。

 ま、前回の異世界も何とかなったし、できるだけ気楽に行こう。


 下手にシリアスになっても手塚たちと合流するまではこのメンツで活動しなきゃいけないのだ。陰鬱な雰囲気で居るよりはそれなりに話せる仲間でありたいしな。

 特に伊藤とは仲良くしておこう。地球の味方とか、敵に回したくないし。


「さて。それではこれからの活動についてだが……」


「ここかぁッ!!」


 手塚捜索のため、会議を始めようとした俺達。

 だったのだが、突然会議室のドアが蹴破られた。

 全員唖然としてそちらに視線を向けると、四人の男女がそこに居た。


「僕の名は、アルテイン! 貴様らの悪事もこれまでだ! 覚悟しろ魔王!」


 会議室に一歩踏み出した若い青年が腰元のロングソードを引き抜き正眼に構える。

 そしてその場にいた全員に視線を送り、名乗りをあげやがった。

 ……変な奴が現れたようだ。

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