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元魔王がチートだった件

「なんだここ……」


 目の前に、禍々しい城があった。

 空は黒い雲に覆われ、時折雷鳴が鳴り響いている。

 上空を飛ぶ鳥は余りにも巨大であり、何やら鱗を持っている気が……っていうかアレ、竜じゃないのか?


 大地は赤茶けた岩肌がむき出しになり、ひび割れている所も散見される。

 まさに世紀末を思わせる世界だった。

 遥か上空で、竜のような物体が雷に打たれて墜落していた。


「ここは……私の城だ」


 俺の質問に応えたのは、増渕。どうやらこいつも普通じゃないらしい。


「おい、ネリウ。なんでこんな所に連れて来たんだ? 下手すりゃ河上に気付かれて俺また狙われかねないぞ」


「手塚さんが拉致されたの」


 説明するのが面倒。といった様子のネリウがいやいや呟く。

 俺にとってはとんでも発言だった。

 「なんだそりゃ!?」と詰め寄るが、ネリウはため息一つ。


「説明よろしく」


「引き受けた」


 ネリウの言葉に増渕が頷く。


「ステータス・展開表示」


 増渕が良く分からない言葉を吐く。すると彼女の目の前にまるでゲームの様なメッセージボックスが表示された。

 そいつを増渕が俺たちに見えるように向けてくる。


 NAME:ナルテア・ナルティウス・ナーフェンデ【♀】

 RACE:人間 【17】

 CLASS:元魔王 【Lv99】

 DEGREE:始まりの魔王 【Lv99】

 HP 99999/99999

 MP 60000/60000

 TP 40000/40000

 AT  8300

 DF  7400

 MA  9240

 MD  6630

 SPD 35000

 LC  500

 特技:

     真空波斬:150

     音速突破:200

     斬硬爪:500

     魔王闘気:0

     畏怖の眼光:5

 魔法:

     飛び交う焔鳥:800

     零の女王:900

     八重閃光弾:1200

     黒死之指先:1500

     無効之盾:2000【10秒毎に500】

     紫電滅線:5000

     色素剥奪:8000

     固有空間:10000

 PASSIVE:

     状態異常無効

     指揮【Lv65】

     飛行

     前世知識

     前世能力持ち越し

     レベル限界突破

     周回転生可能

     対魔物特化

     隠蔽殺し

     勇者殺し

 情報:戻ってきた元魔王


 いきなりこんなもの見せられても意味が分からん。

 しかし、なんとなく異常な数値なのは理解した。

 というか、戻ってきた元魔王って……


「これを見て察せるだろうが、この世界は現代世界でいうゲームのような世界観を持っている。その一つがこのステータスだ。ステータス・表示と言えば自分のステータスが見れるはずだ」


 詳しく話す。と、この世界についての説明を始める増渕。

 彼女の言葉を要約すると、こんな感じだった。


 まず、この世界には、ステータスがあり、この数値によって皆が生活の基盤を決めている。

 普通の人間のSPDは250程度。この数値は全力で走って時速25kmだそうだ。結構早い。

 というよりは、こちらの世界では大体これくらいの速度で動けるそうだ。


 つまり、SPD300だと時速30kmで走ることが可能。

 ただ、これは全力で移動した場合である。

 これを加味すると、増渕のSPD35000は時速3500kmということになる。

 どう考えても化け物だ。


 LCは幸運値を表すらしい。こちらは500が中間で、これ以下だと不幸体質、以上だと幸運体質となっている。

 幸運が目に見えるのは随分辛いな。自分の運が低かったらそりゃあもう生きるのが辛いだろう。


 他のAT、DF、MA、MDはだいたい200前後が一般人の持つ能力値で、300が一つあれば優秀とされているそうだ。


「この世界には勇者と魔王が存在し、互いに争い合っている。そして、魔王になった者が勇者に倒されると、今度は勇者あるいはその近辺から新たな魔王が生まれるというロジックが出来上がっている」


 これを聞かされた時、事前に手塚たちが勇者として召喚されたらしいということも聞かされていたので、予想以上に大変な事になった事を知った。

 つまり、手塚たちが魔王を討つ前に合流しなければならないわけだ。

 そうでなければ、下手すりゃ手塚が次の魔王になりかねない。


「勇者には死亡無効の能力が付加される。余程の事がない限り魔王に負ける事はないだろう。まぁ、魔王が私のように勇者殺しのアビリティを持っていれば別だがな」


 死亡無効とは死に戻りが出来る能力らしい。記録した場所に戻れるということだが、初期位置はおそらく召喚された場所になるだろうとのこと。その他の場所を記録するには「死亡無効・記録」と宣言することでその場所を記録することができるとか。

 当然、敵に囲まれた場所を記録して死に戻りをした場合、無限エネミーキル状態に陥る事請け合いである。戻った瞬間敵に再び殺され続けるという状況である。軽く悪夢だ。あと、記録した場所が大地震などで破壊されてたりで柱や壁があったりとか。壁の中に居る。というゲームにあったとんでも状態を実体験である。


「今は大体こんなところか。では、全員、ステータスを確認してくれ。普段使っている能力などもMPやTPで制限されているかもしれないし、普段では覚えていないはずの魔法が使えたりするかもしれない。魔法はその名称を口にすればMPを消費して能力を使える。パッシブアビリティは常時発動だ。図鑑などがあれば図鑑表示と言えば十分だ」


 増渕の言葉で各々ステータスを確認し始める。

 どうにも調子狂うな。本当にゲーム世界に来たみたいだ。

 とりあえず、ステータス確認っと。


 NAME:武糖薬Å 【♂】

 RACE:人問 【E7】

 CLASS:改象忍間 【Lv40】

 DEGREE:△獄○細胞 【Lv30】

 HP ヱ600/ヱ600

 MP モ000/モ000

 TP エロ00/エロ00

 AT  Fじ子

 DF  たも3

 MA  Moe

 MD  ▼8ま

 SPD きはち

 LC  ☆の0

 特技:

     変身:(^o^)丿

 魔法:

     おTK好□:ヤらNいk?

     モラル9:へけ

     ○なおj5:えきしっ

     おpぁy:OTL

 PASSIVE:

     (V)o¥o()

     えmいry

     いろめがネ

     O2斬

 情報:異脊貝gAら召会されsもO


 俺のステータスが、バグっていた……

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