ティタノマキア・巨人殲滅戦3
無数の巨木が俺に向けて飛んでくる。
防御は封じられ、回避も不可能。
さすがの俺でもあの数が当れば無事には済まない。
そもそもイルミネート光線が無効化されること自体が予想外なのだ。
こんな状況、想定外以外の何者でもない。
もう少しで殲滅できるのに、これじゃ竜族や薬藻たちに合わせる顔がねぇ。
どうする。どうすればいい?
この絶望的状況を乗り越えるのは……
唯一の方法はイルミネートストライクで全身に纏ったイルミネート光線で強行突破。しかし、これも一つ目入道にキャンセルされないことが条件だ。
せめて、とばかりに両腕をクロスして身体を小さくし、頭と心臓だけは護ることにした。
巨大な樹木たちが俺へと殺到する、その瞬間、光が一条、駆け抜けた。
その光は、巨人たちにすれば余りにも細いものだったが、放射線状にあった全ての大木を消し飛ばす。
さすがに数本俺にあたったが、それでも軽減されたダメージのおかげで致命傷は避けられた。
一体何が起こったのか、俺が光が現れた場所を見てみると、そこには一つ目小娘を抱えた伊吹冬子がこちらを見上げていた。
「リュア!」
俺は思わずありがとう。と礼を言う。しかし口から出たのは掛け声だけだった。
しかし、危なかった。彼女たちの援護がなければ今ので死んでいたかもしれない。
九死の一生だ。気合いを入れなおして奴らを殲滅しないと。
この際一つ目入道は無視だ。
まずは一番危険なディダラボーを殲滅させる。
俺は標的を切り変えるとその場からジャンプしてそのまま飛行に入る。
大空を飛び、旋回してディダラボーが密集する密林へと落下。
イルミネートストライクで全身をイルミネート光線で包みこみ、突撃!
ディダラボーたちが焦った顔で右往左往し始めるが、俺は気にせず奴らの中心へと突っ込んだ。
途中で体勢を入れ替え飛び蹴りの形で大激突。
俺の全体重に加えイルミネート光線の衝撃に、地面が陥没。周囲の木々を弾き飛ばし俺を中心としたクレーターを作りだす。
チッ。2体しか巻きこめなかったか。
即座に思考を切り変えイルミネートスプレッドで難を逃れたディダラボーに風穴を開けて行く。
よし、5体屠った。
残りは3体だ。
こいつらは密集地から離れていたので、俺はその場にあった木を引き抜き、ディダラボーの一体にブン投げる。
まさか自分が受けるとは思っていなかったらしいディダラボー、驚き慌てている間に腹に突き刺さる巨木。
どうやら俺の攻撃力が強すぎたようだ。
気絶させるくらいの予定だったのに。
結果オーライ、残り2体。
「リュアッ!」
離れたディダラボーにイルミネートスラッシュ。
しかし、これは一つ目入道によって無効化されてしまった。
気にせず俺は走り、歩兵部隊を蹴散らしてスライディングキック。
丁度ディダラボーが巨木を俺に投げたところだったのだが、俺がスライディングをしたせいで真上を通過して巨木が森の中へと帰っていった。
「リュアァッ!」
足にイルミネートの力を乗せ、イルミネートキックでディダラボーに突っ込む。
ディダラボーの足を吹き飛ばし、森の木々をなぎ倒した所で止まり、すぐに横へと逃れる。
足を失くしたディダラボーとは別のディダラボーが投げた巨木が俺の隣に突き刺さった。
「リュアッ!」
起き上がりざまそいつに振り向き、イルミネートビーム。
その放射線状に一つ目入道が現れた瞬間、俺は即座に戦略を切り変え走りだす。
まるでラグビー選手のように一つ目入道にタックル。
イルミネートビームを掻き消した直前だった一つ目入道は成す術なく体当たりを受ける。
飛んで行きそうになる巨体を掴み取り、俺は勢い付けてディダラボーに投げ飛ばした。
二体は気持ちいいくらいにぶち当たり、互いの身体を損傷させながら縺れ合うように倒れる。
好機! とばかりにイルミネートビームを再発射。
すると、二体纏めて光線が当り、盛大に爆発した。
幸い周囲に衝撃波が来るほどの爆発ではなかったので、風圧がちょっと強く吹いた程度のものだった。
これでサイクロプス1体、ティタン2体、ギガス2体、ディダラボー1体。そして一つ目入道28体。
残ったディダラボーも既に足を失っている。
もう、無力化したといってもいいだろう。
よし、他の奴らも殲滅してじっくり一つ目入道を潰して行こうか。
俺は周囲を見回し、近くに居たサイクロプスに突撃。イルミネートストライクを使い全身を光線で覆った状態で突貫と共にサイクロプスの命を奪う。
さらにイルミネートスプラッシュを使いティタン2体を葬った。
さらにイルミネートスラッシュでディダラボーを真っ二つにしておく。
これでギガス2体と一つ目入道だけになった。
随分と頑張ったモノだと思うが、未だに28体も一つ目入道が残っている。
こいつらを殲滅させなければ巨人族壊滅はありえないだろう。
人物紹介(仮)
伊藤信之
アトミックマン・ヘルト
部隊構成(仮)
魔王軍
第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅
第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 壊滅
第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万 残り約4千
第六部隊 巨人部隊 30体
第八部隊 南方奇襲部隊 約2万5千 残り約6千
第十一部隊 飛行部隊 約2万5千
第九部隊 西方奇襲部隊 約2万5千 竜巻により壊滅
第十部隊 東方奇襲部隊 約2万5千 残り約千
第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約97体
第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約2千4百体
第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名
フルテガント王国軍
第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約4千名
第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約9百名
魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約7百名
負傷者 約3千名
死者 約4千名
完全死 685名
医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約5百名
南方防衛部隊(魔法・医療部隊混合) 約5百名
遊撃部隊25名
竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名
伏兵部隊・西 970名
伏兵部隊・東 310名 + 4名
行方不明 1名
魔王軍戦経過報告(仮)
・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。
・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に嵌める。
・魔法部隊による追い打ち。
・機動部隊壊滅。
・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。
・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。
・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。
・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。
・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。
・大井手が持ち場に戻り魔法再開。
・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。
・巨人部隊最前線に出現。
・巨人部隊一つ目兄貴たちによる一斉射。
・増渕により一斉射の防衛成功。体力が尽き増渕死亡(仮死)。
・巨人族対巨大宇宙人&竜族
・南方防衛戦
・西東より新たな奇襲部隊出現
・伏兵出現
・西方防衛戦
・東方防衛戦
・作戦名【トラ・トラ・トラ】発動
・竜族撤退。宇宙人孤軍奮闘
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