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陸軍中将作戦発動

勇者と指揮官の決着前に日本と桃栗の話を一話挿入。

 戦場が二転三転し始めた。

 物見櫓で状況を見ながら逐一変化を確認する俺と桃栗はめまぐるしく変わる戦場を整理していた。

 とにかく、今の状況を纏めよう。


 まず、北側では機動部隊である魔獣軍、その魔獣に乗った魔族の部隊である騎馬部隊、が既に壊滅している。

 歩兵部隊も第一、第二部隊の活躍により約6千程にまで減少した。あと一息で壊滅させられるだろう。

 ただし、そろそろ重歩兵部隊が合流する頃だ。

 とはいえ、この重歩兵部隊はすでに聖龍華により大打撃を受けその数は100を切っている。

 つまり数として数える意味は無いだろう。


 奇襲を仕掛けてきた巨人部隊は竜と突如現れたアトミックマンによりこれも100体を切った。

 そろそろ壊滅も近いだろう。

 後続の巨大獣部隊も聖龍華が頑張っているようで数が減り始めている。


 歩兵部隊も下田や八神、綾嶺の活躍で着実に数を減らしているし、北はもう、安定して勝利に向っていると言っても良いだろう。

 問題は別の場所だ。

 王国を囲むように、南、そして西と東へと奇襲部隊が現れた。

 どこからどうやって来たのかはわからないが、そんな事を調べている余裕はない。


 とにかく今は迎撃を。と増渕と遊撃部隊を南に回した。

 西と東に敵が来た時は焦ったが、どうやら増渕たちが奥の手を持っていたようだ。

 強力な魔物たちが城内に現れ西と東の魔王軍を蹴散らし始めた。

 さらに東には勇者である手塚がフォローに入り、敵の指揮官らしき者と戦い始めたらしい。


 それだけではない。

 幸運なことに西にやって来た敵軍は突如発生した竜巻により全員が巻き上げられ壊滅してしまったそうだ。

 これにより西の護りに向っていた魔物たちは見張りを残して全て東の援護に向ってくれた。


 これで三方。南は小出が遊んでいるが、遊撃部隊や魔術部隊のおかげでなんとか持ちこたえている。

 ただ、少々危ない所があったようだ。

 東についても魔物だけでは数が少なく取りこぼしもでるだろう。

 やはり、こちらも次の一手を打つしかあるまい。


 全く、最悪の展開を読んで作っただけのモノだというのに、使う事になるとはな。

 相手もなかなか痛い戦略を使ってくれるものだ。

 ……いや、ここはさらに最悪な展開を予測しておいた方がいいか。


「二つ頼む。一つは門の上に居る部隊に連絡、『トラ・トラ・トラ』。また避難所に連絡、『天水ヘ向カエ』」


 俺の言葉に控えていた執事が櫓を降りて行く。 

 さて、これでなんとかなればいいのだが。

 最悪、やはり『サクラ、サクラ』を使わなければならないやも知れんな。


『毅っち、今大丈夫?』


「ん? 桃栗か。どうした?」


 俺が物想いにふけっていると、桃栗から連絡があった。


『いやー、実はちょいと葛之葉っち送る時一緒に誰かそっちに行ったっぽいんだよね。誰か知ってる?』


 知らんがな。


「せめて誰かぐらいは教えて貰いたいのだが」


『いやー、一人足りないのは人数数えたら分かるんだけどさ、なんてーの? 誰だっけ? ってヤツ?

 いたじゃん、ほら、あの男だか女だかわからないけど、なんか冴えないのが』


 男か女かすら判別付かないのでは意味がないと思う。


『さすがにヤバイかにゃ~って探してみたけど、国中どこにもいないのだよ。どこいったんだろにゃ?』


「気のせいじゃないのか?」


『うーん? でもどう数えてもさっきより一人少ないというか……うーん気のせい?』


 結局、桃栗には誰がこっちに来たのか、果たして本当に来ているのかすら判別できないようだ。

 きっと気のせいだろう。

 それよりも……そろそろ、来るな、重歩兵部隊が。


 万が一にも北門に来られることはないだろうが、塹壕使用も視野に入れるべきだろうか?

 巨大獣がどれほどの耐久値を持っているかによるな。

 強引に第一第二部隊を突破されれば後は落とし穴と塹壕に潜んで貰っているチョコバナナの部隊しかいなくなる。


 いや、大丈夫、このままなら何の問題も無いはずだ。

 もうすぐ魔王を引き摺りだし、綾嶺の持つダーツをぶつけた後に倒せばそれでいいはずだ。

 勝利は既に見えている。


 ……だが、なぜだ?

 俺の勘がまだ何かあると警告している。

 手は抜くべきではないと、長年の勘が何かを告げてくる。


「何か……見落としてないか?」


 よく整理して、いや考えろ。

 奇襲部隊は三方向からやってきた。

 だが、何かおかしくなかったか?


 ……そうだ。司令官。東にはいたのに南と西の指令官はまだ見ていない。

 だが、確かに南には司令官がいる。

 何せ遊撃部隊達の眼を掻い潜ってゴブリンが王国内に侵入しかけたわけだし、さらにはアグニたち飛行部隊に対して飛行できるケツァルコアトルが……飛ん……で?


 ……そうか。

 それを完全に考えていなかった。

 俺は綾嶺たちの報告と実際の北軍から、ありえないと切り捨てた可能性。


「桃栗、至急だ。至急、竜族を全て呼び戻せ!」


『ほわぃっ!? 急にどうした!?』


「奴らの虎の子が来る。対応できるのは、同じ飛行能力者・・・・・・・だけだ!」


 俺の言葉に半信半疑ながら桃栗が竜族を呼び戻す。

 だが、惜しいかな。南の空から巨人に紛れ、それら・・・は来るべくしてやって来たのだった。

人物紹介(仮)


 日本毅ひのもとつよし

    元日本陸軍中将・転生者

 桃栗マロン(ももくりまろん)

    高次元生命体・異世界制作者・この世界の女神


 部隊構成(仮)


  魔王軍

   第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅

   第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 壊滅

   第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万 残り約6千

   第六部隊 巨人部隊 約84体

   第八部隊 南方奇襲部隊 約2万5千 残り約6千

   第九部隊 西方奇襲部隊 約2万5千 竜巻により壊滅

   第十部隊 東方奇襲部隊 約2万5千 残り約1万9千

   第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約98体

   第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約2千4百体

   第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名


  フルテガント王国軍


   第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約5千名

   第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約9百名

   魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約7百名

   負傷者               約2千名

   死者                約3千名

   完全死               686名

   医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約5百名

   南方防衛部隊(魔法・医療部隊混合) 約5百名

   遊撃部隊テイムモンスター25名

   竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名

   伏兵部隊・西            970名

   伏兵部隊・東            609名 + 4名

   行方不明                1名


 魔王軍戦経過報告(仮)


 ・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。


 ・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に嵌める。


 ・魔法部隊による追い打ち。


 ・機動部隊壊滅。


 ・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。


 ・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。


 ・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。


 ・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。


 ・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。


 ・大井手が持ち場に戻り魔法再開。


 ・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。


 ・巨人部隊最前線に出現。


 ・巨人部隊一つ目兄貴たちによる一斉射。


 ・増渕により一斉射の防衛成功。体力が尽き増渕死亡(仮死)。


 ・巨人族対巨大宇宙人&竜族


 ・南方防衛戦


 ・西東より新たな奇襲部隊出現


 ・伏兵出現


 ・西方防衛戦


 ・東方防衛戦


   ↑いまココ


 ・南より新たな敵影、竜族南防衛に移動

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