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東方防衛戦2

 僕の言葉に、周囲が完全に止まったらしかった。

 おかしいな。そんな変な事は言ってないはずなのに。と思いながら自分の言葉を反芻してみると、どうやら告白に聞こえる程に恥ずかしい言葉を言っていたみたいだ。

 僕としては憧れの人という意味だったんだけど……


 思わず顔が真っ赤になってしまう。

 ああ、もう、こんな時に僕は何やってるんだか。

 恥ずかしいと思ってしまう僕だったが、それよりもショックを受けた人がいた。


「ぱ、パワーブースト、クリティカルブースト、十字斬ぃああぁぁぁぁっ!!?」


「スピードアシストオール、バム・ドラ、アローレインンンっ!!」


 まるで今のは空耳だとでも言うように大声張り上げカスティラとトルーアが突如全力攻撃を放ちながら敵に突撃して行った。

 何してんのあの二人? と思ってしまうが、そんな僕の目の前では、エメラさんがまるでゆでダコのごとく真っ赤になって驚いた顔をしていた。


「な、ななな、何を言って……あ、あなた人間でしょう!?」


「あ、いやその……い、今のは忘れてくださいっ」


 慌てて僕は聞かなかったことにしてほしいと頼みながら、エメラさんから飛び降り自分の足で大地に立つ。


「ほ、ほら、今は戦闘中ですし、失言でした。とにかく戦いましょう、そうしましょう!」


「あ、そ、そうね。あの二人のフォローもしなきゃいけないわね」


 未だに真っ赤になりながら、エメラさんは近くの敵に体当たり。大剣を奪うと、その剣で敵を真っ二つに斬り裂いた。

 僕と視線が合うと、慌ててそらして次の敵を切り裂く。


 うぅ、なんだか凄く恥ずかしい。

 真っ赤になったエメラさん……なんだかすごく可愛い。

 なんだか本当に好きになっちゃいそうだ。


 っと、あんまりエメラさんばかり見ている訳にはいかない。

 僕はあんまり役に立てないかもだけど、この戦いで負ける訳にはいかないんだ。

 出来る限り闘わないと。

 と、思っている間に僕のレベルがどんどん上がっていく。


 パーティー登録しているカスティラとトルーアが敵を倒しまくっているせいだろう。

 おかげで幾つかスキルも覚えたみたいだけど、使い方も名前も分からないので使えない。

 ステータス表示を使えばいいのだけど、それを開いている余裕もなさそうだ。


「五連の矢あぁッ!」


 何かを振り切るようなトルーアの声が響き、連射された矢が五つ、敵の眉間に等しく突き刺さる。

 飛ばしてるなぁトルーア。微妙に涙目なのは何故か判らないけど。

 まさに半狂乱のように弓を番えては放ち番えては放ち、あるいは近づいた敵を弓の柄で叩きつつ、ナイフを駆使して葬っていく。


 カスティラの方はさらに豪快だ。

 自慢の剣を思い切り敵に叩きつけ、切り結び、膂力によりそのまま押し切っていく。

 さらには敵に体当たりして体勢を崩してから切り捨てる。

 その攻撃の隙に反撃しようとした魔物は、トルーアがしっかりとフォローして屠っていた。


 さすがに半狂乱になっていても連携には支障がないらしい。

 僕は感心しながらスケルトンナイトと対峙する。

 さぁ、やるぞ。僕だってできるってところを見せてやる!


「スラッシュ!」


 僕が使える必殺は二つだけ。スラッシュと唐竹割りだ。いや、他のスキルも使えるようになってるはずだけど、今確認している暇がないので、この二つしか使えないのだ。

 スキル使用により大きく剣を振る僕。

 スケルトンナイトは一瞬避けようと仰け反るが、その肋骨を剣がとらえた。


 バキリと肋骨が折れる音がする。

 しかしスケルトンナイトには大したダメージではないらしく、気にせず剣を振り上げる。

 三日月形の曲刀が頭上に掲げられ、僕に向けて振り下ろされた。

 さすがの僕でもこれくらいは避ける。


 避けたついでに剣を突き刺す。でも肋骨と肋骨の間に入っただけで、ダメージを与える事は出来なかった。もしも肉があれば今ので致命傷だったのに。

 悔しく思いながら距離を取って次の手をと思った僕に、真横からハイオークが斧を振り下ろす。


 一体でも苦戦してるのに、二対一とか無理……

 慌てて剣で防ぐが、一撃の重さに耐えきれず剣が吹き飛んだ。

 その拍子に僕まで吹き飛んだので斬られることはなかったけれど、武器が無くなってしまった。


 そんな僕に突っ込んでくるスケルトンナイト。

 カタカタ不気味に揺れる顎がまるで嘲笑しているように見える。

 無防備な僕に向い剣を振り上げる。


「あ、う、うああああああああああああっ!!」


 さすがに恐怖で絶叫が口から洩れた。

 洩らしこそしなかったけど、腰が抜けたようにへなへなと崩れ落ちる。

 そんな僕に、スケルトンナイトは剣を振り落とした。


「乱れ雪月花!」


 そんな折だ。真っ赤な双房の髪を揺らし、颯爽と現れた少女がスケルトンナイトを無数に切り裂いたのは。

 龍鱗の服に煌めく白銀装備を身に付けて、勇者、手塚至宝が助っ人に来てくれたのだった。

人物紹介(仮)


 アルテイン・プロテイン

   イシナキ村の自称英雄

 カスティラ・エーデルハント

   イシナキ村の冒険者

 トルーア・トルクスタ・トゥルフーカス

   カトナの森のダークエルフ

 エスメラルダ・エルミット・エーデルワイス

   ゴブリンメイド

 手塚至宝

   勇者


 部隊構成(仮)


  魔王軍

   第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅

   第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 壊滅

   第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万 残り約6千

   第六部隊 巨人部隊 約84体

   第八部隊 南方奇襲部隊 約2万5千 残り約6千

   第九部隊 西方奇襲部隊 約2万5千 竜巻により壊滅

   第十部隊 東方奇襲部隊 約2万5千 残り約2万2千

   第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約98体

   第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約2千6百体

   第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名


  フルテガント王国軍


   第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約5千名

   第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約9百名

   魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約7百名

   負傷者               約2千名

   死者                約3千名

   完全死               549名

   医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約5百名

   南方防衛部隊(魔法・医療部隊混合) 約5百名

   遊撃部隊テイムモンスター25名

   竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名

   伏兵部隊・西            970名

   伏兵部隊・東            746名 + 3名

   行方不明                1名


 魔王軍戦経過報告(仮)


 ・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。


 ・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に嵌める。


 ・魔法部隊による追い打ち。


 ・機動部隊壊滅。


 ・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。


 ・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。


 ・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。


 ・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。


 ・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。


 ・大井手が持ち場に戻り魔法再開。


 ・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。


 ・巨人部隊最前線に出現。


 ・巨人部隊一つ目兄貴たちによる一斉射。


 ・増渕により一斉射の防衛成功。体力が尽き増渕死亡(仮死)。


 ・巨人族対巨大宇宙人&竜族


 ・南方防衛戦


 ・西東より新たな奇襲部隊出現


 ・伏兵出現


 ・西方防衛戦


 ・東方防衛戦


   ↑いまココ

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― 新着の感想 ―
[一言] なんだ…ちゃんと好かれてたんやな…(´^ω^`)ブフォw でもいいんじゃない?見た目の問題だけなら真の愛の前では豆腐のようなもの(´-ω-)
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