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西方防衛戦1

 四月です。エイプリルフールです。増税です。

 ……え? 増税って嘘じゃないの!? Σ(゜o゜)

 俺、三神照之は数奇な人生を送っているといってもいい。

 実はこの異世界で三つ目の異世界である。

 正直、初めの異世界程辛いと思った場所はなかった。


 異世界について早々魔物に殺されかけ、人間には化け物と討伐されかけ、助けられたと思ったエルフ族には危険人物だと幽閉されかけ、人生、終わりかと何度思った事か。

 特に俺は不幸な体質らしいので、道を歩けば隕石が降って来て何の脈絡も無く頭に直撃する。

 まぁ昔からなもんで身体が頑丈になって大した怪我はしなくなったが。


 犬のフンを踏むのは日常茶飯事。頭には鳥がフンを落とし、工事現場付近ではまず間違いなく鉄骨が降り注ぐ。

 一度ガラス取り変え作業中の業者がガラスを取り落とし俺の腹を切腹状態にしてくれた事もあったが、ああ、これで死んで楽になれる。そう思った瞬間、不幸にも死は俺から遠ざかってしまった。


 痛みで呻きながら自分の不幸を呪ったものだが、運が悪いことに完治してしまい、早々に病院を退院。そして治療費の請求書だけが俺の手元に残った。

 昔は隕石一つ落ちただけでもやれ右手が折れただの肩に穴開いただの騒いでいたが、やっぱりあ、これで死ねるのか。と思ったとたんに不運にも完治してしまったり。


 せっかく買って貰った自転車が初乗りでブレーキが切れ坂を爆走、車に跳ねられ、あ、死んだ。と思った次の瞬間、肥溜に着水して生還を果たす。なんてこともあった。

 そんな中、両親は事故で他界し、施設に預けられれば火事で施設が焼け落ち家なしに。


 道草食っては腹痛起こしてのたうちまわり、死にたいと思えば急に大金持ちの男が現れ俺を引き取る。

 凄いいい人だと思えば俺の身体を狙ったド変態だった訳で、俺の身体に触れた途端、不幸を手に入れ簡単に死にやがった。

 おかげで貞操を護れはしたものの、身体を触れられることへの拒絶反応がトラウマとして残ったり。


 遺産相続で金が手に入るかと思えば男の隠し子なんて奴がしゃしゃり出て来て全部持って行く。ああ、ほんとあの時は苛ついた。

 何しろ義息子にすると言っていたのに書類登録してなかったと来たもんだ。

 つまり俺は遺産受取人として不適格。というか全くの赤の他人だった。


 結果、裸一貫で放り出されたわけだ。

 そんな俺がこの世界に絶望して死のうとした時、異世界に飛ばされた。

 その異世界でも不幸続きで、でも向こうは実力勝負的なものが多かったのでなんとか生活できた。

 他国の英雄と一騎打ちして不幸を振りまき自滅して貰うと、役割は果たしたとばかりにこっちに戻らされた。

 王女と珍しく上手い具合に仲良くなれてたのに、不幸だ。


 そして、向こうで得た金や道具を売りながらようやくアパートの一室を借りうけ、学校というものに通いだした途端、二度目の転移である。

 俺は初めに人質にされてずっとパラリシアだっけか? あそこに監禁されていた。

 そこで気付けたのだが、学校に居た間は殆ど不幸がなかった。

 帰り際や登校には相変わらずだったのだが、学校生活では不幸が降りかかって来なかったのだ。


 だから俺は調べることにした。

 なぜそんな状態があるのかと、調べに調べて、わかった。

 綾嶺麁羅である。


 アイツが余りにも幸運だったようで、俺の不幸が相殺されたのだ。

 だから学校に居る間中は俺に不幸が襲ってこなかったというわけである。

 だが、今回綾嶺は早々に異世界に旅立たされた。

 そのせいで、今日は不幸の目白押しだ。

 まるで今まで抑えられていた何かがこの機会に俺に目一杯不幸を味合わせようとしているかのようだった。


 そして、今回、小出のバカが桃栗に頼みこんで異世界へと飛ぶ瞬間、俺は不幸にも異世界転移に巻き込まれたのだった。

 まぁ、来てしまったモノは仕方ない。

 いきなりピンチのようだし、俺は不幸にも彼らを助けられる力を持っている。


 そして、自分でいうのもなんだが、結構お人よしなのだ。

 困っている奴を見捨てておけないっていうんだろうか。

 嫌だ嫌だと思いながらもついつい助けに入ってしまうのだ。


 で、今、俺はどこぞの国の西門にやってきた。

 今、この国は四方向から外敵が攻めてきているらしい。

 まぁ、俺一人でどうにかなるとは思えないが、不幸にも死んでしまうのならそれはそれでアリだ。

 もう、俺は楽になれるならいつ死んでも問題はない。後悔も……できればあの王女との恋を実らせたかったな。無理な話だな。


 にしても……はは、こりゃ絶望的だ。

 俺の目の前を埋め尽くす程に魔物の群れがこちらへとやってきている。

 無手の俺には軽く数千回は死ねる物量だ。


「今回は本気で死ねるかもしれないな」


 ぶるつく身体に気合いを入れ、俺は門を一歩踏み出した。

 さぁ行くぞ。と思った次の瞬間、背後から影が差す。

 ん?


 何の影か分からず後ろを振り向いた。

 そして後悔。ああ、不幸だ。

 俺の後ろにいたのは、巨大な巨大な紫色の竜だった。


 パープルドラゴン? なんでこんな危険生物が街中に?

 疑問を浮かべた俺を放置して、紫竜はのしのしと門から出て来くる。

 さらにぞろぞろ魔物が現れ出したので、俺は慌てて門前から脇へと逃げた。


 現れたのはパープルドラゴン、デミウルゴス、ダゴン、ミノタウロス、ツインサーペントなど巨大な魔物たちである。一度目の異世界では軽くボスクラスの魔物で、迷宮の奥深くで出会う事が稀にあるくらいだった。

 優に千は居ると思われる。


 そんな化け物どもは、西門へ向ってくる敵兵を睥睨し、口々に吠え猛る。

 そして、ある一定ラインを敵が踏み越えた瞬間、我先にと突撃を開始したのだった。

人物紹介(仮)


 三神みかみ 照之てるゆき

   超不幸・英雄の卵


 部隊構成(仮)


  魔王軍

   第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅

   第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 壊滅

   第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万 残り約6千

   第六部隊 巨人部隊 約84体

   第八部隊 南方奇襲部隊 約6千

   第九部隊 西方奇襲部隊 約2万5千

   第十部隊 東方奇襲部隊 約2万5千

   第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約98体

   第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約2千6百体

   第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名


  フルテガント王国軍


   第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約5千名

   第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約9百名

   魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約7百名

   負傷者               約2千名

   死者                約2千名

   完全死               549名

   医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約5百名

   南方防衛部隊(魔法・医療部隊混合) 約5百名

   遊撃部隊テイムモンスター25名

   竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名

   伏兵部隊・西           1000名

   伏兵部隊・東           1001名


 魔王軍戦経過報告(仮)


 ・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。


 ・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に嵌める。


 ・魔法部隊による追い打ち。


 ・機動部隊壊滅。


 ・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。


 ・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。


 ・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。


 ・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。


 ・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。


 ・大井手が持ち場に戻り魔法再開。


 ・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。


 ・巨人部隊最前線に出現。


 ・巨人部隊一つ目兄貴たちによる一斉射。


 ・増渕により一斉射の防衛成功。体力が尽き増渕死亡(仮死)。


 ・巨人族対巨大宇宙人&竜族


 ・南方防衛戦


 ・西東より新たな奇襲部隊出現


 ・伏兵出現


 ・西方防衛戦


   ↑いまココ


 ・東方防衛戦

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