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遊撃部隊 VS 迂回部隊2

 先行してやってきたのはフラッシングドッグの群れ。乗っているのはリザード種やゴブリン種、オーク種など有名所の他に、なんかヌラヌラした魚っぽい人型魔族も存在していた。


 アグニはさすがに大きすぎるので森では使えない。

 よって、俺とイチゴはアグニから降りるとアルケニーの横に並んで力ある言葉を紡ぎだす。


「flexiоn!」


 フィエステリア男となった俺は即座に指示を飛ばす。

 俺が指示する必要はないとは思うが、一応この部隊のリーダーだしな。形だけでもリーダーッぽく動いておきたい。


「アルケニ―、にっちゃうぐれいと、カマプアアはフラッシングドッグを狙ってくれ。ウィシュプーシュは男爵の護衛。ハーピーと羽犬は上空から魔族を頼む」


 言うが早いかハーピーたちが空へと舞い上がり、羽犬も後を追うように飛び上がる。

 イッシャの悲鳴が聞こえた気がしたが、あいつは頭数に入れてないので気にしない。

 カマプアアが剣を引き抜き近づいてくる敵に構える。

 アルケニーも両手の鎌を振り上げ威嚇体勢に入った。


「GAAAAAAAAAAAAAッ!!」


 接敵寸前、アグニが咆哮を発動。

 俺達まで驚いたが、フラッシングドッグたちが怯えるように足を止める。


「今だ、掛かれ!」


 俺は叫びながら走る。


「ライトニング!」


 遅れてイチゴの魔法が俺を追い越しフラッシングドッグとリザードマンを急襲。

 悲鳴が上がり二匹が倒れた。

 悲鳴のせいで敵が怯えを取り去り再び動き出す。


「にっ」


 にっちゃうぐれいとがフラッシングドッグに接近。短く鳴くと共に突進を行った。

 柔らかそうな肉の塊の突進攻撃を喰らい、フラッシングドッグが物凄い勢いで吹き飛ぶ。

 そう、意外と強力なんだアレ。あの体当たりでアグニが宙に浮いた時はさすがに驚いた。


 アルケニ―は両手を振ってドゥンを切り裂く。逆の手でゴブリンの魔族に斬りかかるが、向こうも大剣で応戦。刃物同士が擦れ合う音が響く。

 空からは羽犬が無防備な豚面族の頭に齧り付く。

 ……意外と怖い攻撃するなあいつ。


 さらにハーピーの一人、確か上の姉はアエローだっけか? は魚人を足で掴み取ると空高く連れ去り、その場でリリース。

 ぎょぺっという謎の悲鳴を上げて魚人は墜落死した。


 そして俺は? というと、バイコーンを蹴りつけ防具で完全武装したオークに拳を振う。

 兜に当り相手の頭を揺らすが、そこで止まった。

 意外と硬いらしい。


「ブヒッ!」


 鼻息荒くオークが打ち込んでくると思ったら、鼻音は後ろに来ていたカマプアアだった。ゴブリンの魔族に苦戦しているようで防戦している間に後ろまで近付いて来ていたらしい。全くややこしい奴だ。敵と味方の区別が付きにくい。

 後ろに気を配りつつ、まだ体勢を立て直していないオークを蹴りつける。

 兜越しの後頭部を蹴られ、オークの頭が激しく揺れる。


 ダメージ自体はなさそうだが、脳が揺れるせいでバランスを崩し、完全武装オークがバイコーンから崩れ落ちる。

 その間にバイコーンに毒を打ち込む。


 すると、バイコーンが狂ったように暴れ出し、地に伏していたオークの顔面に足を振り下ろす。

 ……い、今、グシャッて……


「ブヒィィィッ」


 一瞬、まだ生きてるのかと思ったが、後ろのカマプアアだった。

 こいつ本当に五月蝿いな。

 と思って後ろを振り向くと、なんか苦戦してる。


 トゥーハンデッドソードを手にしたゴブリンの攻撃をなんとか抑えているカマプアア。しかし拮抗しているわけではなく、カマプアアの顔面へと切っ先が少しづつ近づいて来ている。

 このままじゃヤバいか。


「何遊んでんだ、よっ!」


 俺はフォローの意味を込めてゴブリンの側面に回り込み右ストレート。

 体重の乗ったソレをもろに受けたゴブリンがアグニの居る場所へと吹き飛んだ。


『斬硬爪!』


 そんなゴブリンを、アグニは片手を振って抹殺。容赦なかった。

 あいつ、自分のテリトリー内に入ってきた敵は遠慮なく攻撃するのな。

 脅威が無くなったカマプアアは慌てるように体勢を整えると、次の魔物目掛けて駆け出した。

 気をつけろよー。


「ぎゃあああっ」


 突如悲鳴が上がった。

 なにかと思ってみれば、後方にいたおにぎり男爵がフラッシングドッグに噛みつかれ、頭の一部をごっそり喰われていた。


 ウィシュプーシュが呆然と見守っていたが、俺の視線に気づいて慌ててフラッシングドッグに走り寄る。自慢の爪で攻撃すると、フラッシングドッグは慌てて逃れ、両者対峙したまま動かなくなった。

 それを好機とおにぎり男爵が距離を取ってアグニの側に逃げ込む。


「ま、全く。粗暴な輩の相手は疲れますな。この私めの頭に噛みつくなど万死に値しますぞ万死に」


 自慢のちょび髭をさすりながら動揺を隠すようにアグニへと話し始めるおにぎり男爵。

 アグニは凄くうざったそうにしている。

 俺に喰っていいかと眼で訴えて来ていた。

 冗談でも喰ってよし! とか言えば本当に喰いそうだ。

 一応仲間なのでそれは止めてやってくれ。


「くく、ハハハッ、こんな所に裏切り者どもがおるとはな!」


 なんか変なのでた。

 真っ赤な服に白い髭のオッサン、いやゴブリン? が黒い影のような生物を引き連れ現れる。

 ブラッディサンタとシャドーマンか!?

 戦いは、新たな局面へと移行したようだ。

人物紹介(仮)


 武藤薬藻

   改造人間・フィエステリア・ピシシーダ

 イチゴショートケーキ・フロンティア

   イシナキ村の大魔術師

 アグニ・アルカン・アトランテ

   赤竜王 

 アルケニ―

   四肢が鎌で出来ている女性型魔族。

   薬藻たっての願いにより町人の服を着用済み。

 おにぎり男爵

   ウザいちょび髭貴族風のおにぎり型魔族。

   回復魔法が得意。光属性魔法も得意。

 ハーピー三姉妹

   言わずと知れた鳥人間型魔族。服を嫌がるので常に裸。

   上から、アエロー、ケライノ、オキュペテという名前らしい。

 イッシャ

   エロいだけの小人。片足で飛び跳ねて移動する。

 カマプアア

   豚面族の皇族。実は結構イケメンでモテモテ。

   でも性格はゲスい。

 ウィシュプーシュ

   ビーバーを巨大化した魔獣。実はかなりの実力者で暴れん坊。

 にっちゃうぐれいと

   黒い毛のにっちゃう。ウサ耳生やした雪だるまみたいな容姿。

   その突進は竜すら弾き飛ばす程。

 羽犬

   翼の生えた犬。


 部隊構成(仮)


  魔王軍

   第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅

   第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 残り数十体

   第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万

   第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約数百体

   第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約4千数百体

   第六部隊 巨人部隊 約8千

   第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名


  フルテガント王国軍


   第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約九千名

   第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約千名

   魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約千名

   負傷者・死者            約千名

   医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約八百名

   遊撃部隊テイムモンスター25名

   竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名


 魔王軍戦経過報告(仮)


 ・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。


 ・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に填める。


 ・魔法部隊による追い打ち。


 ・機動部隊壊滅。


 ・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。


 ・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。


 ・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。


 ・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。


 ・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。


 ・大井手が持ち場に戻り魔法再開。


 ・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。


   ↑いまココ


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