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遊撃部隊 VS 迂回部隊1

 桃栗に言われ、俺達遊撃部隊は左右に広がる森に入ったらしい部隊の制圧に乗りだすことにした。

 といっても、左右に分かれているので部隊を二つに分けなければならない。

 一方は俺が率いていくとして……俺はヌェルを見る。

 こいつに任せて……大丈夫か?


 不安だ。物凄く不安だ。何せ調子に乗らせるとポカをやらかすらしいし。

 ……仕方ない。フォローできる人員を選ぶしかないだろうな。

 えーっと、とりあえず頼りになりそうなのをヌェルに付けるか。


 じゃあヒットマンオレンジとジェネラルモンキー、モスマンは確定だな。

 逆ににっちゃうぐれいとや羽犬、おにぎり男爵は連れて行くと死にそうだな。

 前者はもふりまくるだろうヌェルが、後者二体は弱いからな。


 騎馬部隊もいるみたいだから対応出来る奴がいいな。回復役も一人付けときたい。となると……

 ヒットマンオレンジ、ジェネラルモンキー、リビング・ソード、モスマン、ジロムン、ワキンヤン、ンヴェネ、アグルジャブ、アダンダラ、エンペラースケルトン。

 この辺りが妥当かな。


 ジェネラルモンキーとリビング・ソードは一緒に行動しているから同じ班がいいだろうし、動きの速い敵に対応できそうなのは、ワキンヤンにアグルジャブ、ジロムン、アダンダラか。エンペラースケルトンは小回りが利かないのが玉に傷だけどなんとかなるだろう。

 回復役はンヴェネだ。遊撃部隊には回復役が二人しかいないので必然的な選択だろう。回避力も無く紙装甲のおにぎり男爵よりはマシだ。


 これにヌェルの乗る黒竜が付く。

 他の竜は奥の手として温存している。

 さすがに森の中に竜が大挙しても邪魔にしかならないしな。


 対して俺の部隊の構成は、俺とイチゴ、そしてアルケニー、にっちゃうぐれいと、羽犬、おにぎり男爵、イッシャ、カマプアア、ウィシュプーシュ、ハーピー三姉妹になっている。

 イッシャとカマプアアをヌェルの隊に入れなかったのは、あいつらがエロ野郎だからだ。

 ヌェルにアタックしている豚や胸に入ろうとする小人を想像すると、なんかムカついたから。

 その二匹は今ハーピー三姉妹に猛烈アタック中だ。


 言葉が通じてないのによくやるな。

 ハーピー三姉妹は卵生なので豚野郎が熱い夜を過ごそうとか言われても意味が理解できずに首を捻っている。

 イッシャは末娘の肩に腰掛け真下の胸を凝視している。変態ここに極まれりか。今回の戦いで倒されないかなあいつら?


「ダーリン、なぜ儂は一緒じゃないのだ?」


「それは……」


 別に深い意味はなかったが、折角竜が二体いるから分けた方がいいかと思っただけだ。


「ヌェルになら、任せられるかと思ったんだけど……じゃあジェネラルモンキー、そっちの隊のリーダーを……」


「い、いやいやいやっ、別に嫌だとは言っておらんではないかダーリン。任せよ! 儂はきっちり敵を殲滅するぞ! エテ公なんぞに大役任せてなるものか! ダーリンと離れたくないが、ダーリンから託された戦いだしな。魔物どもに目にモノみせてやるわ!」


 行くぞ! と指定したメンバーを連れて左の森へと向かうヌェル。

 彼女の乗っている黒竜が物凄く呆れた顔をしていたが、ご愁傷様とだけ心の中で返しておいた。

 顔は可愛いけど、やっぱ残念系だよなヌェルのヤツ。黒竜の上で仁王立ちしながら高笑いしてるし。


 さて……俺たちは右の方だな。

 あ、そうだ。一応聞いとくか。

 イチゴのフォローをするために普通にこちら側の部隊に組み込んだけど、本人の意思も聞いといたほうがいいかもしれないしな。


「なぁイチゴ、無理矢理こっちの部隊に来て貰ったけど、よかったのか?」


「え? なんでまた今さらそんなこと……」


 言われたイチゴは眼をぱちくりとして、少しだけ考える。


「そうですね。私、アルとはただの幼馴染だっただけですし、別にあのチームじゃないと嫌ってわけじゃないですよ」


 ……ん? 話が噛み合ってない?

 俺はヌェルと一緒の部隊じゃなくて良かったか聞いたんだけど、アルテイン達に合流しなくて良かったか聞いたと思われたのか? なんでそんな話に曲解したんだ?


「いや、アルテインのことじゃなくてヌェルの部隊の……って、そういえば確かに普通にアルテインたちの部隊と合流させずにこっちに来たよな。本当によかったのか?」


「はい。ジロムンちゃん可愛いですし。いろんな魔物と仲良くできるのって凄く素敵だと思うんです。私はむしろ薬藻さんと一緒にいれて良かったと思ってますよ」


 そうなのか。そう言われるとちょっと嬉しくはあるな。話は脱線してってるけど。


「私、本当は冒険なんて出る気なかったんです。村の中で平凡な生活をして、大きくなったら貴族の妾にされるか村の誰かと結婚するんだろうな……程度の考えしかありませんでした。アルが乗り気じゃなかった私を無理矢理冒険に誘って来て、確かにアルは私の未来を変えてくれたから感謝はしてます。でも、ちょっと近過ぎるというか、元気な弟としか見れないんですよね。だから……」


 ごめん、俺、何の話してるんだっけ?

 なぜか潤んだ瞳を俺に向けてくるイチゴに、得体の知れない汗が全身から噴き出ている感じがする。

 なんか、このままだとイチゴENDルート一直線な……いや、ネリウやヌェルの怒りに触れてDEADENDルート一直線な気がしてくる。


「主様、他の女とラブラブしてるのはいいけど、敵が見えたわよ」


 少し不機嫌そうな声で、アルケニーが警告を促してきた。

 正直助かった。

 俺はイチゴから視線を外し、前を見る。

 木々をかき分け進んでくるフラッシングドッグの群れとそれに乗る魔族たち。

 歩兵部隊たちは徒歩の分遅れているようだが、すぐに乱戦となるだろう。


「よし、全員、一人も逃すなよ。あと森を焼かないよう気をつけろ、特にアグニ!」


『ふん。言われなくとも分かっている』


 さぁ、戦闘の始まりだ。

人物紹介(仮)


 武藤薬藻

   改造人間・フィエステリア・ピシシーダ

 田中ナナシ(ヌェルティス・フォン・フォルクスワーエン)

   吸血鬼・真祖

 イチゴショートケーキ・フロンティア

   イシナキ村の大魔術師

 アグニ・アルカン・アトランテ

   赤竜王 


 部隊構成(仮)


  魔王軍

   第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅

   第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 残り百数体

   第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万

   第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約千体

   第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約5千

   第六部隊 巨人部隊 約8千

   第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名


  フルテガント王国軍


   第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約一万名

   第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約千名

   魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約千名

   医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約八百名

   遊撃部隊テイムモンスター25名

   竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名


 魔王軍戦経過報告(仮)


 ・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。


 ・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に填める。


 ・魔法部隊による追い打ち。


 ・機動部隊壊滅。


 ・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。


 ・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。


 ・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。


 ・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。


 ・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。


 ・大井手が持ち場に戻り魔法再開。


 ・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。


   ↑いまココ



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