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俺のクラスメイトが全員一般人じゃなかった件  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三十四話 そして最後に怪人が来る
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出席番号17・手塚(てづか) 至宝(しほう)

 正直な話、ヌェルの奴みたいに薬藻に抱きつけたらと思う。

 でも、それってあたしのガラじゃねぇんだよな。

 苛つきながらもその行き場のないいらいらを全て剣に乗せて切り結ぶ。


 クラスメイトたちが無数に乱舞し巨大化した蛇の化け物を撃破しようと闘っている。

 なんか、こうやってみるとゲームのレイド戦だよな。

 複数のパーティーでたった一体のボスを倒す。


 正直弱者のタコ殴りに見えなくもないけど、あいつを止めるにはこれぐらいしないとならないって言うのが辛いところだ。

 機械少女も薬藻の生存を受けてやる気MAX。クラスメイト達の穴を埋めるように周囲の動きを計算してナーガラスタにホーミングミサイルを叩き込む。

 さらに忍者少女が青銅剣みたいなの振りまわしてナーガラスタの身体に当らない場所を切り裂いている。

 当ってないけどナーガラスタが悲鳴を上げているのでおそらく何かしらの攻撃になっているんだろう。


 さらに手が開いた人型機械兵がナーガラスタに垂直落下。

 自分が押し留めるので必殺をお願いします。と言われれば、あたしらも答えなきゃ勇者じゃねぇだろ?

 あたしは両手に武器を持つ。クラスターソードとレーヴァテイン。

 直ぐ横で、二人の正義の味方が手を結ぶ。


「我が手に断罪の力を! 集まれダークマター!」

「我が手に贖罪の力を! 集まれエーテリオン!」


「GUGAAAAAAAAAAAAAAA――――ッ!!」


 ジェノスを放り投げたナーガラスタに別の巨体が襲いかかった。

 「リュア」っと声を漏らした宇宙人がナーガラスタに飛び蹴りを喰らわせ押し倒す。

 破壊光線の一撃をイルミネートバリアで受け止めるが、さすがに威力を殺し切れずに吹き飛ばされた。

 それでもジェノスとアトミックマンヘルトが必死にナーガラスタを押し留める。

 

 魔法滞留スキルを発動させてライトニングを二回。両方の剣に滞留させる。

 頭上へと突きあげる二つの剣。

 同時に、クロスするように振り降ろす。


「巻き込まれんなよテメェら! 行くぜナーガラスタ!」


「合わせるよダークネスキューター!」


「任せてサンシャインキューター!」


「フレアライトクロス!!」

「「顕現せよ光と闇の融合剣! アブラクサス・ブレイバー!!」」


 あたしの必殺と断罪者エクスキューターの必殺が同時に放たれた。

 さらにその光に追い付く逆鱗の眼光。

 距離を取ったアトミックマンからイルミネートスプレッド、ジェノスからは太陽光収束反射砲が放たれる。


 坂崎の重力攻撃、マッキーの圧殺攻撃。増渕の炎鳥にヌェルの生贄求ム悪意之柱サクリファイス・セフィラーラ。ネリウからは螺旋描く水柱スルパ・ウォル・フェリア、イチゴからはトリプルマジックで連射されるライトニング。そして小出から放たれた全ての尻尾を使った凶悪な一撃。

 その全てが一点へと集まって行った。


 中心のナーガラスタは重圧に押しつぶされ、苦しげに呻く。

 迫る光のオンパレードに、思わず絶叫していた。

 全ての首が見るのは、ただ一人。

 クラスメイト達に守られたたった一人の少女。


 本来ならあたしらなんざ及びもつかない遥か高みに存在する高位存在、桃栗マロン。

 赤城に治療されながら彼女もまた、ナーガラスタを見つめていた。

 ナーガラスタが光に飲まれる。


「桃栗っ、桃栗ぃぃぃぃぃィィィィィィィ――――――――――――ッ……おお、あああっオォォォォォォォ……――――――――――――ッ」


 刹那、全ての音が消えた。

 衝撃波が我先にと広がっていく。

 あたしは思わず腕で顔をガードした。爆風が周囲を弾き飛ばし、ついで轟音が響き渡る。


 数人は爆風にあおられ吹き飛んだ。

 チートな連中は無事だったし、クラシカの無効之拡盾の御蔭で桃栗を治療する赤城に被害は及ばなかった。


 咄嗟にヌェルと渡に守られた薬藻も無事だ。

 ふっ飛ばされたのは下田と龍華。空に居た増渕やマッキー、坂崎も吹き飛ばされていた。

 衝撃波が周辺全てを弾き飛ばし、炎野の居た場所も吹き飛ばす。

 天使や悪魔と共に吹き飛ぶ炎野がにゃ~~~~~っと叫んでいたが無事そうなので放置だ。


「ダメだ、まだ生きてる!」


「マジかよ!?」


 薬藻がいち早く気付いて叫ぶ。

 嘘だろ!? あたしだけじゃない、最大級の攻撃全部受けて生きてんのかよ!?

 蛇、しつこ過ぎるだろ!


「天使さんには過ぎた武器や、これ、貰うで」


 呆然とする八神からイモータルソードを奪い取り走りだしたのは鬼姫。

 さらに付き従うように忍者が走る。

 脱皮して脱出したナーガラスタは既に巨大化から元の人型大に戻っていた。

 舌打ちしながら飛び退く彼に、背後へ跳躍した女の蹴りが炸裂する。


「な、がァッ!?」


「逃さんよナーガラスタ。餞別だ!」


 仮面ダンサーペトルは、蹴りを入れた身体を回転させ、ダンガーを投げ飛ばす。

 ナーガラスタの腹部を穿つ一撃に、ナーガラスタの口から血が噴き出した。

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